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漢字を知らない若者、同音異義語の混乱が深刻[朝鮮日報]
世代間コミュニケーションが断絶
ハングルだけで表記された漢字の同音異義語、意味を区別できず混乱
「文章を読めても意味が分からない」 小4で71%
語彙が崩壊すれば思考体系も崩壊
「韓国社会の自由民主主義は不偏不党の崖っぷちに危険な状態で追い込まれている」(2010年4大河川開発事業阻止汎(はん)国民対策委員会声明書)
この文言を見ても特におかしいと感じない人が増えている。「不偏不党」を「不便で不当」あるいは「不公正」という意味に認識してしまっているからだ。ところが「不偏不党」の本来の意味はそれとは異なり「一方に偏らず(不偏)、一方とは群れを成さない(不党)」つまり「公正」という意味だ。これは上記の一般的な解釈とは正反対だ。
■「義士」と「医師」、「陣痛」と「鎮痛」を区別できず
これまで44年にわたり続いたハングルだけの教育が生んだ、漢字知識の欠落現象。これが最近は社会でのコミュニケーションの食い違いを引き起こし、憂慮の声が高まりつつある。言葉の意味をしっかりと理解できないため、コミュニケーションの際に解釈の混乱を引き起こしているのだ。
とりわけ若い人ほど漢字知識の欠落は深刻で、時には世代間でコミュニケーション上の混乱あるいは断絶まで引き起こしている。韓国語で発音・表記が全く同じ「義士」と「医師」を勘違いし、「安重根(アン・ジュングン)義士」について「その人は何科を診療していたのか」と質問してきたり、「靖国神社」の「神社」を、発音の同じ「紳士」と誤って解釈するケースなどがその典型例だ。
『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』の著者で「韓国についてよく知らないくせに韓国を悪く言っている」などと批判を受ける日本人の三橋貴明氏も「韓国では(発音・表記が同じ)『防水』と『放水』を区別できない」と指摘する。
問題はこの「コミュニケーション不能現象」が、さまざまな分野で深刻な誤解と行き違いを招いているという事実で、これは時には特定分野の専門家の間でも発生している。ある大学病院に勤務するA教授によると、最近の若い医師たちは「妊婦の陣痛」と言うときに「陣痛」と「鎮痛」を区別できないという。「鎮痛」はもちろん「痛みを鎮める」という意味だ。A教授は「このままでは本当に大変なことになると思った」と語る。
ソウル市内に住む主婦のBさんは先日、歌手で俳優のイ・スンギ(26)と少女時代ユナ(本名:イム・ユナ、23)の交際報道について、中学生の娘に「どうやって誰にも知られずあんなことができるのか分からない」と言った。すると娘はおかしいという顔で「あの人たちがそんなことをするのは当然じゃない」と言ってきたという。よく聞くと娘は「演芸人(芸能人のこと)」という言葉を、「恋愛人」という意味に理解していたのだ(ハングルでは「演芸人」と「恋愛人」は同じ表記になる)。大田市のある四年制大学では、学内で発行されている週刊英字新聞発行業務を担当する「主幹教授」のことが「Weekly Professor」と訳されていた。「主幹」と「週刊(Weekly)」はハングルで同じ表記になるからだ。
■「語彙(ごい)が崩壊すれば思考そのものが崩壊する恐れも」
小論文の宿題を採点していた京畿道のある高校の教諭は、アフリカの飢餓問題をテーマにした生徒の小論文を読んで首をかしげた。「子どもたちは何日も食べられない哀歓を体験し」という文章があったからだ。この生徒は「哀歓」という言葉に「悲しみと喜び」という二つの意味があることを知らなかったのだ。
つい先日、教育部(省に相当)とある地方の教育庁(教育委員会)の間で「体罰」の範囲について議論があった。「手を上げさせて立たせること」や「運動場を走らせること」を体罰と見なすかということだったが、「体罰」という言葉が「身体に直接痛みを与える罰(標準国語大辞典)」という意味を持つことをしっかりと理解していれば、このような議論は最初から起こらなかったという指摘もある。実際に現場では「身体的体罰」という言葉さえしばしば使われている。
専門家によると、今のように漢字教育がしっかりと行われていない環境では、時がたつにつれこの種の誤解や混乱がさらに増える恐れがあるという。本紙が2010年にソウル市内の五つの小学校に通う4年生を対象に調査を行ったところ、71%が例文を読んでもその意味を正確に理解できなかった。韓国語の70%を占める漢字語の意味が分からず、文章を理解できない「読解不能現象」が表面化しているのだ。
釜山大学の李炳銑(イ・ビョンソン)名誉教授(国語学)は論文で「『技能』と『機能』、『出家』と『出嫁(嫁に行くこと)』のように、ハングルだけで表記された場合に意味が区別できなくなる漢字の同音異義語は非常に多い」とした上で「漢字教育をしっかりと行わなければ、(子どもたちの)思考力や探究力が弱体化し、語彙の体系が崩壊してそこから思考体系まで崩壊する恐れがある」と指摘した。
兪碩在(ユ・ソクチェ)記者 , 安俊勇(アン・ジュンヨン)東京特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/02/2014020200139.html
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