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昨年8月15日、ソウル市内でのデモで、安倍晋三首相や麻生太郎財務相とドイツ・ナチスのヒトラーとを並べた写真を掲げ、旭日旗などを燃やす韓国人(AP)
【朝鮮半島ウオッチ】米国の「失望」表明で勢いづいた韓国の反日ナショナリズム
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140127/frn1401271130003-n1.htm
2014.01.27 夕刊フジ
安倍晋三首相の靖国神社参拝への韓国の非難が止まらない。元駐日大使は最近、有力韓国紙のインタビューで安倍氏を「正常な判断力がマヒしているようだ」「日本は世界から背を向けられる、寂しい島国になる」などと断じた。韓国の官民挙げての安倍たたきには礼を失した表現も多く、一線を越えている。一方で中韓が建設した安重根記念館をめぐっては両政府の要人が「(安は)テロリストだ」「いや(日本は)テロ国家だ」とののしり合っている。異常なナショナリズムの熱気が日韓に立ちこめている。(久保田るり子)
■韓国、日本非難に自信感
「韓国にとって安倍氏の靖国参拝は日本にとっての李明博前大統領の竹島上陸と同じ」と韓国の日本専門家。つまり、トラの尾を踏んだと言いたいようだ。「靖国」はいま韓国で、日本による韓国併合の象徴で日本軍国主義のシンボルになっている。
1980年代半ばから始まった日本の指導者による靖国参拝への批判だが、長年韓国は声高な中国の後塵(こうじん)を拝してきた。韓国が「A級戦犯参拝」をケシカランと言っても、韓国に日本と戦った歴史はなく、まして連合国でもないために迫力がなかった。韓国の主張で唯一、真実味があったのは意志に反して靖国神社に合祀(ごうし)された朝鮮半島出身者の遺族が行っている分祀(ぶんし)訴訟だけだった。
ところが、盧武鉉政権時代から韓国は「靖国」の意味付けを歴史問題全般にシフトさせた。遊就館の歴史観を「侵略戦争の肯定だ」「戦争賛美である」として「反省しない日本を代表する存在」のシンボルに祭り上げた。
安倍政権の歴史観を問題視している朴槿恵政権にとって「靖国問題はまさに安倍政権の本質」と韓国メディアはいう。そして、参拝を受けて米国が「失望」を表明したことが韓国の日本非難を勢いづけた。
韓国は通常の外務省声明ではなく、政府報道官による声明を出し、「近隣国と国際社会の憂慮と警告にもかかわらず戦犯を合祀した靖国神社に参拝したことは誤った歴史認識、時代錯誤的行為だった」と勝ち誇ったように日本を批判し、予定されていた日韓防衛協議を見送った。
朴槿恵大統領も鋭い口調で「過去の歴史の傷をえぐり、国家間の信頼を崩し、国民感情を悪化させた行動」と日本批判を強めた。この大統領発言を受け、韓国国会は靖国参拝糾弾決議を採択。韓国政府関係者は「日韓関係悪化の原因がこれではっきりした。米国をはじめEU、ロシアも日本を非難した。このツケは大きいだろう。アベノミクスが下降線をたどれば安倍政権の前途は多難だろう」と胸を張った。韓国は自国の正当性に強力な助っ人を得て、俄然(がぜん)、元気がよくなった。
■韓国に登場した用日論
しかし、韓国が靖国問題で夢想する“日本国際包囲網”が実現するほど、国際社会は過去を向いてはいない。「失望」のあとの日米関係の回復は日米同盟の重層性を改めて韓国に認識させることとなったようだ。
朴槿恵大統領の歴史問題のこだわりと日本に関する“告げ口外交”は米国の不評を買い、米国が韓国に日韓関係の立て直しを迫ったのは昨秋のことだった。
11月末は中国の防空識別件問題で北東アジアの緊張が高まったことを受け、バイデン米副大統領が急遽(きゅうきょ)、日中韓を訪問、米国のアジア戦略への同調を求めていた。年末の靖国参拝への米国の「失望」表明は、アジア歴訪で日本擁護を繰り返したバイデン氏の「失望」だったとされるが、「靖国」だけで揺らぐほど日米関係は脆弱(ぜいじゃく)ではなく、年初に安倍政権幹部が続々と訪米して、日米関係は速やかに正常化しつつある。
そんな国際情勢を受け、このところ韓国で流行しているのが「用日論」である。いわく『日韓関係の悪化は米韓関係に悪影響を及ぼす。現実的な利益のためには世論を理由に日韓関係を遮断するより日本を活用すべきだ』『経済や安全保障の分野で必要とする日本は必要なら関係改善すべきだ』(韓国紙、中央日報)としている。
ただ、「用日論」で書かれた日本論は序論で日本に対する批判を述べるスタイルが特徴で、戦略論にしては情緒的。歴史問題の反日感情を抑え、あえて日韓関係改善に取り組むことが「韓国の国益」との主張にまではいたっていない。
日韓関係はいま、事実上の外交断絶状態にある。韓国は「原因は日本にある。日本が変わらない限り、解決の糸口は今後も見られないだろう」(朝鮮日報)といい、日本は「扉はいつでも明いている」との立場だが、韓国が首脳会談に慰安婦問題での措置など条件を付けたことに日本政府は不快感を持っており、「日韓首脳会談は当面、難しい」(政府筋)との認識だ。
外交のボールは宙に浮いてしまった。ナショナリズムを鎮める妙案のないまま、次の「反日嫌韓のターゲット」は2月の「竹島の日」になる。
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