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国王を頂点とするタイの伝統的支配層は軍及び警察・裁判所・行政機構を牛耳っており、選挙で多数派を得るようになったタクシン派の支配力強化を許さない構造になっている。
タイの現在の政治問題は、タクシン派の選挙戦術により選挙で勝てなくなった伝統的支配層が権力機構の中枢を握っていることに起因している。
インラック首相は、今回の騒動の渦中、「私たちにタイから出て行けと言うのか?」と泣いて訴えてしまったことで弱さをさらけ出してしまった。(反対派は出て行けと平然と言うだろう)
憲法裁判所も、インラック派の改憲意向(条約締結権の政府への集約など)にまでイチャモンを付け訴追まで匂わせている。
権力機構の隅々にまで根を張り中部から南部に支持基盤を築いている伝統勢力とワリを食ってきた北部及び北東部の農民の“票”を頼りに政治的力を醸成してきた新興勢力の妥協なき闘いは、民主制が続く限り、今後も繰り返されるだろう。
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タイ、選挙延期が現実的 専門家に聞く 事態悪化を回避
【バンコク=高橋徹】タイの大規模な反政府集会の背景には「タクシン元首相派対反タクシン派」の根深い対立がある。米国の非営利団体、アジア財団のティム・メイスバーガー地域ディレクター(選挙・政策担当)は日本経済新聞の取材に対し、これ以上の事態悪化を避けるため、2月に予定される総選挙は「延期するのが現実的な方策」との見方を示した。
タイの憲法は下院解散から60日以内の総選挙実施を定めている。メイスバーガー氏は「法的にはその必要があるが、タイでは法律がさほど重要ではないことがある」と総選挙の延期が衝突回避の手段だと述べた。
タイは1990年代には「民主主義の優等生」と評された。現在の状況を、同氏は「(軍事政権が終えんしたばかりの)隣国のミャンマーの状況が改善しているのとは対照的に、タイはどんどん悪化している」と指摘。社会的には民主化が浸透しているものの「法制度や政党の水準が追いついていない」と分析した。
その例として、最大野党・民主党の選挙ボイコットを「正気とは思えない」と批判。一方で、インラック政権が政治改革のため反政府デモ隊の主張に似た非民選の「国家改革評議会」の設置を表明したことについて「選挙で選ばれた政権がそんな提案をしたことにはもっと驚いた」と語った。
同財団は昨年11月、タクシン派と反タクシン派の集会参加者に聞き取り調査を実施。その結果、首都バンコクの在住者はそれぞれ32%と57%、月収6万バーツ(約19万円)以上は4%と32%と、都市の富裕層・中間層と地方の低所得層との対立が改めて浮き彫りになった。
[日経新聞1月10日朝刊P.6]
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