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日本はASEANとの関係を強める(DW English)
(Japan boosts ties with ASEAN: DW English)
http://www.dw.de/japan-boosts-ties-with-asean/a-17302645
国際関係
日本はASEANとの関係を強める
安倍晋三日本首相は、この大陸への中国の影響力に対抗することを目的に、アジアのパートナーたちのネットワークを立ち上げているところだ。東南アジア諸国連合ASEANは、いまや日本の側についている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の代表は、この週末(12月13〜15日)に東京で地域サミットを開催し、共同声明の中でアジアにおける制約なき海上・航空交通への支持を表明した。
同連合はこれにより、先日東シナ海に防空圏を宣言した中国に対して明確な態度を示した。この声明は中国を名指ししていないが、「上空通過の自由と民間航空の安全を確保するために、日本とASEAN加盟各国は協力を強化することに合意した」と述べられている。
安倍晋三・日本首相はこの機会を利用して、地域内の緊張をさらに増大させていることに対して中国に警告した。「私たちは中国に、(領空についての)一般原則を侵害する全ての措置を中止するよう促す」と、安倍氏は語った。日本はASEAN加盟国でないが、今回のサミットは日本とASEANの関係40周年を記念して設定された。この関係は日本の外交・安全保障政策で重要な役割を果たしている。
東南アジアに焦点
安倍氏は首相に選出されてからこの12カ月間で、米国・ロシア・中東の一部・ASEAN加盟10カ国の全てなど、25カ国を訪問した。59歳の安倍氏のリストには欧州の国々は記載されていない。
日本はミャンマー(ビルマの名でも知られている)で最大の海外投資国だ
安倍氏は海外行脚をすることにより、2006年から続いた日本の指導者の頻繁な交代によって生じた、外交政策の真空を埋めようとしている。これは、日本が世界最大の人口を抱える地域・アジアにおいて、友人とパートナーのネットワークを築き、同国を中国の対抗勢力と認識して貰う、ということを意味する。
ミャンマーはこの政策の見事な実例となっている。日本はまず、27億米ドル以上の債務を帳消しにし、次に、中国を追い抜いてこの東南アジアの国に対する最大の投資国となった。週末にかけて、テイン・セイン・ミャンマー大統領は、こうした投資を保証するための協定に署名した。日本企業はビルマにいくつかの工業地帯を展開したいと考えている。
インフラを売る
今年の前半、日本の東南アジア投資は89%増加し、約103億米ドルとなった。日本政府はまた、資本と開発援助を供給することにより、他のアジア諸国との関係を強化するつもりだ。
1960年代以降、日本はこの地域の国々への最大の海外支援国として、姿を現している。こうした支援プログラムは第2次世界大戦の賠償の支払いであると、多くの人は理解していた。政府債務こそ大きいが、日本はいまだに世界最大の債権国だ。しかし、インフラ開発のための融資は、たいてい、日本人が支配する企業連合が勝ち取る契約と切り離されないものとなっている。
先日のサミットの間に日本政府が約束した200億米ドルについても、このことが当てはまるかもしれない。安倍氏はナジブ・ラザク・マレーシア首相との会談の前に、シンガポールとマレーシアの首都クアラルンプールを結ぶ高速鉄道計画など、インフラ開発の「機会」について語っていた。
会談の間、安倍氏は日本の超特急鉄道ネットワーク・新幹線の売り込みを行った。入札は公開だとラザク氏は強調したが、マレーシアの「ルック・イースト」政策は日本との経済的・戦略的な関係拡大を狙っている。
新たな帝国主義でない
アジアの多くの国々は、第2次大戦中に日本帝国主義の支配に苦しんだが、日本が中国に立ち向かう姿を喜んで見ている。日本はフィリピンに巡視艇を引き渡すが、その後で同様に、ベトナムにも巡視艇を供与するつもりだ。中国はフィリピン・ベトナムの双方と領土紛争で関わり合っている。それでも、こうしたアジアの国々は、日本が1930年代のような軍国主義に戻ることを望んでいない。
ナジブ・ラザク・マレーシア首相(左)は、日本企業が同国で機会を得ることを約束した
スシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア大統領は、日本による支援と、地域の安全保障改善のための日本の取り組みを歓迎した。しかし、彼は同時に、日本の軍事力強化における透明性を維持するよう日本政府に促した。
安倍政権は実際、日本の安全保障政策について同政権が変更する点を、より透明にするよう努めている。同政権は、今後5年間の防衛支出を2.6%増加すると既に決めている。日本政府の新防衛戦略によれば、この支出は、陸や海を越える攻撃や空での攻撃を、自衛隊が交わすための装備の充実に当てる。
具体的には、政府は無人航空機3機、ステルス爆撃機28機、潜水艦5隻、ミサイル迎撃駆逐艦2隻、水陸両用自動車50台以上を購入しようと考えている。このリストはまた、防衛に徹する日本の軍事姿勢は不変であり続けると、アジアにおける同国のパートナーたちを安心させることを目的にしていることは間違いない。
発表 2013年12月17日
記者 Martin Fritz, Tokyo / sri
編集 Sarah Berning
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(投稿者より)
ドイチェヴェレの英語サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。
「東南アジア諸国連合ASEANは、いまや日本の側についている」"The Southeast Asian association ASEAN has now sided with Japan"という見方は、割り引く必要があるかも知れません。東南アジアは中国と陸続きで、華僑のネットワークがあり、経済的な繋がりはむしろ日本よりも中国の方が強く、人民元も普及していると聞きます。ただ、同じ華僑でも福建・広東の方々でしょうから、結びつく相手が必ずしも北京政権である必要はないのかも知れません。いずれにせよ、彼らは彼らで日本と中国を天秤にかけてしたたかにやっているように、私には見えます。
去年の今頃は、「安倍晋三」「軍備」といえば、「日本帝国主義の復活」という警戒的な論調が主流でしたが、この1年間の南シナ海・東シナ海をめぐる中国の動きを経て、「安倍政権による軍事力増強の方針には一定の合理性がある」という論調に変わりつつあるように思えます。納得してくれるようにはなった、という感じです。勿論、これは私の勝手な推測ですので、精査が必要です。
以前、どこかの投稿のコメント欄に「フランスとアフリカ諸国のような強固な関係を、日本も東南アジアと構築すべきだ」と書いたことがあり、そのときは「宗主国気取りか?」というリプライを戴きました。確かに上下関係になるのは拙いと思いますが、尤も、これについては、今後は東南アジアが御輿を組んで日本を担いで引きずり回すような展開になるような気もしています。
ただ、経済は勿論、安全保障などでも連携をさらに進める必要があると思います。安全保障と言っても軍事だけでなく、食糧や災害対応など、いろいろな面があります。1993年の不作の際、日本が飢饉にならずに済んだのはタイ米の御陰でした。その時の日本の対応に失礼な面があり今でも話題に上ることがありますが、2011年の大震災でも、日本はやはり地域の国々から有り難い真心を戴いています。逆に地域の国々が災害にあった時、日本が復興支援に駆けつけるという関係が出来ています。そういった関係はやはり強化すべきでしょう。
同じ内容のドイツ語記事が、ドイチェヴェレのサイトにあります。
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