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北朝鮮、粛清裁判に潜む意図 張氏死刑執行[日経新聞]
2013/12/14 2:01
【ソウル=内山清行】北朝鮮は13日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父で実力者の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長を「国家転覆の陰謀行為」で処刑したと発表した。内閣や朝鮮労働党に影響力を残すとされる張氏を完全排除し、独裁政権の基盤を強化する狙い。金正日総書記の死去から17日で2年。正恩体制は恐怖政治の色彩を帯びてきた。
複数の北朝鮮メディアによると、国家安全保衛部の特別軍事裁判は12日に張氏に死刑判決を言い渡し、即日執行した。反党行為などの疑いで張氏の全役職を解任してからわずか4日後だ。ラヂオプレスによると朝鮮中央放送(ラジオ)は18分半にわたって裁判の内容を詳報。そこには指導部の意図がにじんでいる。
■独裁を強化
「私が首相になって生活の問題を解決すれば、人民と軍隊は私に万歳を叫び、クーデターを達成できると考えた」
裁判報道は張氏がこう供述し、体制転覆の画策を認めたと伝える。事実なら体制の危機に直結する「クーデター画策」をあえて公表したところに謎が残る。
韓中大の金正奉(キム・ジョンボン)教授は「クーデター謀議があったとは思えない」と指摘する。失脚を経験したことがある張氏の目的はナンバー2であり続けることだったという。
クーデター画策の公表には張氏の周辺を含む大規模な粛清を正当化する狙いがありそうだ。親族であっても容赦ない前例を示し、独裁体制を強める意図が垣間見える。
■失政押しつけ
裁判は2009年に実施して大失敗に終わったデノミ(通貨呼称単位の変更)に言及。張氏を「途方もない経済混乱の張本人」と批判した。ところがデノミを主導したのは当時、権力継承の作業に入っていた正恩氏といわれている。
「失政や人民の困窮の責任を張氏に押し付ける軍事裁判の意図を感じる」(北朝鮮情勢に詳しい消息筋)。裁判報道は張氏が国民生活をわざと破綻に追い込み、最後に「経済の救世主」として現れるクーデター計画だったとするが、にわかには信じがたい話だ。むしろ、経済失政への国民の不満をそらすための宣伝と映る。
■中国けん制?
「石炭をはじめ、貴重な地下資源を勝手に(部下に)売り払わせた」
「(クーデター計画の中で)短期間に新政権が外国の認定を受けられると妄想した」
裁判報道は利権が絡んだ取引やクーデター画策を罪状に挙げつつ、暗に張氏と中国とのつながりに言及した。北朝鮮に「改革・開放」を促す中国は張氏をパイプ役として厚遇してきた。その意味で裁判は張氏への批判を通じて中国への不快感を示したともいえる。正恩体制が今後、中国との関係をどう築き直すのか、中国がそれにどう対応するのかが注目される。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO64074050U3A211C1EA1000/?nbm=DGXNASFK1500F_V11C13A2000000
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