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記事入力 : 2013/12/14 11:25
張成沢氏処刑:経済失政の責任を押し付けた正恩氏
北朝鮮は13日、張成沢(チャン・ソンテク)元朝鮮労働党行政部長に対する判決文の中で、経済政策の失敗を認め、2009年1月以降の政策失敗の責任を張成沢氏に押し付けた。09年1月は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者となることがほぼ決まった時期に当たる。
■強盛大国建設の失敗を認める形に
張成沢氏の判決文には「経済」が8回、「経済と人民生活の破局」という表現が2回出てくる。表向きは張成沢氏の罪状の説明だが、一方では北朝鮮経済がまともに機能せず、人民生活の悪化を認める形にもなっている。
判決文には張成沢氏について「首都の建設と関連する事業を混乱させ、(中略)平壌市建設を意図的に妨害した」という文言がある。これは張成沢氏が中心となって2009年から進めてきた「平壌市10万世帯住宅建設運動」が、資金不足が原因で2万世帯しか建設できなかった責任を追及したもの。言い換えれば「12年までに強盛大国を建設する」という約束が実現できなかったことを認める形となっている。張氏についてはさらに「09年に万古逆賊の朴南基(パク・ナムギ)をあおり、数千億ウォン(数百億円)に上るわが国の資金を乱発した上に、経済面で甚だしい混乱を引き起こすことで、民心を苦痛に追い込んだ。(張成沢は)それを背後で操った張本人だ」とする批判もあった。北朝鮮は09年に貨幣改革を断行するもインフレと民衆の反発を招くだけで終わり、これによって当時の責任者だった朴南基・元朝鮮労働党計画財政部長官が処刑されている。
■判決文には軍部の怒りをうかがわせる文言も
判決文にはさらに「外部世界に改革者と認識された醜悪な姿」とも記載されているが、この表現には張成沢氏が中心となって進められてきた改革・開放政策に対する激しい批判も込められている。さらに「軍と人民の清い忠節と熱い至誠が込められた物資までも中途で横領した」「人民軍隊にまで執拗(しつよう)に魔手を伸ばそうとした」といった文言のように、軍の怒りが込められていることをうかがわせる部分も複数あった。統一研究院の趙漢凡(チョ・ハンボム)研究員は「判決文には軍の怒りを示す内容もあるが、ここから軍が利権がらみの事業に再び介入しようとしていることが分かる」との見方を示した。
一方で北朝鮮はこの日、韓国に開城工業団地関連の協議を提案し、国際通貨基金(IMF)など国際機関の代表や、主要20カ国(G20)の一部の国の次官級による開城工団訪問の提案を受け入れることも表明した。これについて世宗研究所のオ・ギョンソプ研究員は「金正恩体制がしっかりと機能していることを誇示するため、対外的にはこれまで通り正常な形で振る舞うのではないか」と述べた。またソウル大学経済学部のキム・ビョンヨン教授は「張成沢氏のように政治と経済の双方の政策を同時に遂行できる人物がいなくなったため、今後は路線をめぐる闘争も起こるのではないか」との見方を示した。
■不透明さを増す中国との関係
張成沢氏は親中派としても知られていたため、今回の問題をきっかけに中朝関係も冷え込みそうだ。北朝鮮は張成沢氏が中心となって進めてきた中国との経済協力も問題視し「張成沢は石炭などの地下資源を(不当に)売り渡した」「(羅津・先峰)経済貿易地帯の土地を50年も外国に売り渡す売国行為(も行った)」などの文言も用いた。北朝鮮は2010年に金総書記が中国を訪問した際、羅津港4−6号埠頭(ふとう)の使用権を中国に提供。昨年8月の張成沢氏訪朝後、羅津特区は経済協力のシンボルとなった。
しかし中国の研究者らは「張成沢氏の処刑はあくまで北朝鮮内部の問題であるため、中朝関係に大きな影響はないだろう」と予想している。実際に中朝関係での張成沢氏の役割は主に経済分野に限られていたため、政治や安全保障などの分野では、中朝関係にさほど影響はないとみられている。むしろ中朝関係の変数は金正恩体制になっても続く核実験などの挑発行為だ。韓国の与党セヌリ党の沈允肇(シム・ユンジョ)議員は「中朝関係のポイントは張成沢氏ではなく、あくまで北朝鮮の態度がどう変わるかという点にある」との見方を示した。
張成沢氏の処刑後、金正恩氏は対外的に政権の安定を誇示するため、中国訪問に向けて動き出す可能性も考えられる。しかし北朝鮮問題の専門家の多くは「核実験の中断や6カ国協議の再開など、中国の希望を受け入れない限り、中国訪問が実現する見通しはないだろう」と予想している。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/14/2013121400698.html
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