朝鮮日報は、「コメの価格がわずか数日で1キログラム当たり5000北朝鮮ウォン（以下ウォン、1ウォン＝約0.11円）から7000ウォンへと40％も上昇した。人民元の為替レートも1元＝850ウォン前後から1100ウォンまで下落した」とか、「今回の措置は結果的に深刻なインフレを引き起こし、2009年に北朝鮮が通貨改革に失敗した当時と同様の混乱に陥っているとみられる」と書き、「6・28措置は「半分失敗した」との評価を受けている」とか、「社会主義経済体制を維持した状態で中途半端な市場経済導入実験をしたため、期待ほどの効果を上げられずにいる」と“総括”している。

　しかし、インフレ率が、米価並みの４０％と言わず、１０倍になったとしても、「これまで3000−4000ウォンだった労働者の月給が30万ウォンに引き上げられたという。別の消息筋によれば、今年3月には平壌の家具工場、ダチョウ飼育農場で月給が100倍に引き上げられた」のなら、労働者は文句を言わないし生活水準もアップしているはずである。
　問題は農民で、農産品と工業製品でインフレ率の差が生じているのなら、手取りは増えても実質可処分所得は減少という事態もあり得る。

　実態はわからないが、記事に拠る限り、昨年６月から始まったとされる経済改革が失敗だとは言えない。

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記事入力 : 2013/11/12 10:56
市場経済実験で北朝鮮の物価高騰

　昨年8月28日、中国と国境を接する北朝鮮の両江道恵山市では、コメの価格がわずか数日で1キログラム当たり5000北朝鮮ウォン（以下ウォン、1ウォン＝約0.11円）から7000ウォンへと40％も上昇した。人民元の為替レートも1元＝850ウォン前後から1100ウォンまで下落した。原因は2カ月前に実施した経済改革・開放政策の「6・28措置」だった。

　北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）第1書記は、経済単位の自主権を大幅に拡大する措置で民衆の支持を獲得することと、特区開放で外資誘致を図ることを経済政策の2大軸に据えた。自身の支持基盤を固める目的だったが、いずれも達成は困難な状況だ。

■物価高騰と通貨安の引き金に

　6.28措置は、一部のモデル事業所、協同農場などが独自に生産計画を立て、収益に伴う分配を行うことを認めた。国家による配給制をなくす代わりに生産収益によって、月給を最高100倍に引き上げた。北朝鮮では画期的な措置だった。しかし、同措置の実施でインフレ懸念が高まり、物価急騰と通貨暴落を引き起こした。それでも金第1書記は6.28措置を推進し続けている。

　北朝鮮消息筋によると、咸鏡北道にある茂山鉱山、金策製鉄連合企業所では、これまで3000−4000ウォンだった労働者の月給が30万ウォンに引き上げられたという。別の消息筋によれば、今年3月には平壌の家具工場、ダチョウ飼育農場で月給が100倍に引き上げられたとのことだ。日本の在日本朝鮮人総連合会（朝鮮総連）系の機関紙、朝鮮新報によると、平壌基礎食品工場のソン・ヒョンチョルさんは「働いた分だけ給料をもらえるというので、たくさん働こうという熱意が高まっている」と話したという。

　しかし、今回の措置は結果的に深刻なインフレを引き起こし、2009年に北朝鮮が通貨改革に失敗した当時と同様の混乱に陥っているとみられる。北朝鮮の党、軍の既得権益層も改革措置に反発している。住民のコントロールが難しくなる上、軍用物資の調達量が減るからだ。このため、6・28措置は「半分失敗した」との評価を受けている。

　統一研究院北朝鮮研究センターのパク・ヒョンジュン所長は「北朝鮮は中国が1980年代に導入した社会主義市場経済体制に追随しているが、政治・経済的条件が伴わず、設計図通りには進んでいない」と指摘した。社会主義経済体制を維持した状態で中途半端な市場経済導入実験をしたため、期待ほどの効果を上げられずにいる格好だ。地域別では平安北道、咸鏡北道など中国との国境地帯は比較的豊かで、黄海道、江原道など韓国と接する地域は貧しいという「北高南低」の経済格差も広がっている。

■遊園地は外貨吸い上げ用

　6.28措置に並行し、金第1書記が野心的に取り組んでいるのが遊園地の建設だ。これまでに平壌には文殊プール、綾羅人民遊園地、美林乗馬クラブなどを整備、元山には馬息嶺スキー場の年内完成を目指している。韓国政府関係者は「人民の生活向上という約束を守る指導者像を示すためではないか」と話した。韓国の国策シンクタンク関係者は「約20億ドル（約1980億円）に達するとされる北朝鮮の『たんすドル預金』を吸い上げる手段として、遊園地を活用している面もある」と指摘した。このほか、遊園地が金正恩政権で新たな主流派に浮上した「親戚勢力」の資金稼ぎ手段になっている可能性も指摘されている。

黄大振（ファン・デジン）記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/12/2013111201102.html

コメント

01. 2013年11月17日 14:17:41 : VoFcKQfcrA 韓国企業のロ朝事業参入　制裁措置に反しない＝統一部 2013/11/17 11:17 【ソウル聯合ニュース】韓国とロシアの首脳会談で、ロシアと北朝鮮を結ぶ鉄道や北朝鮮の港の改修などを含むロ朝物流協力事業に韓国企業が参加する内容の覚書（ＭＯＵ）が結ばれたことをめぐり、韓国内では２０１０年の韓国海軍哨戒艦撃沈事件を受けた対北朝鮮制裁に違反するとの声が上がっている。これについて、韓国統一部の当局者は１７日、韓国企業の関与が少ない第三国法人への間接投資は制裁違反にあたらないとの見解を示した。 　北朝鮮・羅先の羅津港とロシア極東沿海地方のハサンを結ぶ鉄道の改修や、羅津港の近代化などが中心となるロ朝の協力事業に関して、韓国政府は韓国鉄道公社、ポスコ、現代商船の３社がコンソーシアムを組んで同事業を手がけるロ朝合弁会社の株式の一部をロシアから取得することを認めた。 　ただ韓国内では、株式を取得し事業に参加すれば間接的であれ韓国の資金が北朝鮮に流入するという点で、制裁に反する可能性があるとの指摘が出ている。 　これに対し、同当局者は「法的に韓国企業が第三国の法人に対して、どの程度影響力があるのかや経営権を持つことになるのかを検討する必要がある。最も関与が少ない線でいけば、制裁とは関係がないということになるのではないか」と説明した。 　韓国の朴槿恵（パク・クンヘ）大統領とロシアのプーチン大統領は１３日の首脳会談で同事業に韓国企業が参加する内容のＭＯＵを締結した。 　ロシアはシベリアなど極東開発に力を入れており、その資金を確保するために海外企業の投資を必要としている。中国や日本の資本より韓国資本を求めており、北朝鮮と進める羅津・ハサン事業に韓国企業が参加することを強く希望してきたとされる。韓国としても、朴大統領が掲げる「ユーラシア・イニシアチブ」（ユーラシア大陸を一つに結び物流・エネルギー協力を促進する政策）やガスパイプラインを使ってシベリアの天然ガスを北朝鮮経由で韓国に輸送するプロジェクトを見据え同事業に参加したい思惑があった。 　また統一部は１７日、メディア向けの資料で「１１年下半期から制裁措置を維持しながら、柔軟化措置も実施している」と発表。対北朝鮮投資資産を点検するために韓国企業などが北朝鮮の開城や金剛山に行くことを認めた例などを挙げた。 sarangni@yna.co.kr ☮http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2013/11/17/0300000000AJP20131117000500882.HTML ☮http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/17/2013111700542.html

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