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ベ日・ベ仏外交関係樹立40周年:過去は現在の桎梏となるか(ロシアの声)
ベ日・ベ仏外交関係樹立40周年:過去は現在の桎梏となるか
タグ: 政治, アジア・オセアニア, ベトナム, 解説, 日本関連, 国際
25.09.2013, 19:06
9月29日、ベトナムが日本と外交関係を樹立してから40年となる。5ヶ月前フランスとの外交関係40周年も祝われた。日本もフランスも、かつてベトナムにつらい刻印を残した。フランスは植民者としてまる一世紀にわたりベトナムを支配した。日本も第二次世界大戦中、同じことを行った。過去の記憶が現在の善隣関係を阻害することがあるだろうか?ロシア科学アカデミー東洋学研究所東南アジア・豪州・大洋州センターのドミートリイ・モシャコフ所長は次のように語る。
「日本はベトナムと、ただ関係を改善させるばかりでなく、関係を緊密化し、相互利益的にしていくことに極めて高い関心を抱いている。外交関係の樹立以降、日本はベトナムに、第二次世界大戦時の損害の賠償として、都合4500万ドルを支払ってきた。しかも、他の東南アジア諸国、すなわちビルマ、インドネシア、マレーシアと比べて、日本はベトナムには、さほど深刻な爪あとは残していないにもかかわらず、である。戦後、ベトナムは、日本の投資を必要としていた。日本もまた、敗戦国としてでなく、前世紀初頭そうであったようにリーダー、お手本として、東南アジアに回帰することを欲していた。」
いま日本はベトナムの第3の貿易相手国であり、また最大の投資国であり、かつまた主要な公的開発支援金供与国である。ベトナムが外国から得る資金の30%が日本からのものである。相互理解および関係強化の上で重要なファクターは、共通の問題、中国である。ベトナムは中国相手にパラセル諸島問題、セパラトリー諸島問題を抱えており、中国の南シナ海への伸張に反発している。日本もまた、尖閣諸島をめぐって中国と争っている。さらに日本は現在、中国の経済的「独占」を阻む重要なパワーとして、東南アジアで輝きを増しはじめている。一方日本にとってベトナムは、インドシナ海における経済的プレゼンスの拠点として、極めて重要な国のひとつなのである。協力は多方面にわたり、核エネルギー利用といった先端分野にも及ぶ。ベトナム初の原発はロシアが建設することになっているが、第2のものは日本の建設になる。いま、日本とベトナムの関係は、共通の政治的・経済的利益に立脚しつつ、いよいよ深化と強化の途につこうとしている。日本は今後も長らく、ベトナムの、アジアにおける、いな世界における、最も重要な同盟国であり続けるだろう。
もう一方、フランスについても、ベトナムとの2国間関係は戦略的パートナーというレベルにまで達している。先日パリを訪問した際、ベトナムのヌグェン・タン・ズン首相は、ベトナム・フランスの関係を「東西協力の見本」と呼んで見せた。しかし、フランスがベトナムをはじめとするインドシナ地方に巨大なプレゼンスを持っているなどとはまだまだ言えない、とモシャコフ氏。
「フランスには、日本と違い、チャンスがない、また共通の敵もいない。ベトナムとフランスとの貿易額は日本とのそれの8分の1、投資額にいたっては15分の1だ。フランス語とフランス文化はベトナムから消え去り、英語およびアメリカ文化に席を譲った。国内のカトリック教会にわずかに残っているばかりだ。」
他の元フランス植民地ではフランスとの関係やフランス語が大幅に残存しているのに対し、ベトナムをはじめとするインドシナ諸国は、市民戦争と米国の侵略によって、旧宗主国との関係が切断されてしまった。フランス語で教育を受けた世代は根絶やしにされ、かわりにアグレッシヴなアメリカン・カルチャーが流入してきた。フランスはこの地域へのプレゼンスを高めようと千万手を尽くしている。しかし、ベトナムへの政治的・経済的影響力はそう大きくないままだ、とロシアの専門家は見ている。
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