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北朝鮮の挑発、3カ国の力学に変化
米中接近後に「侵犯」急増 オバマ政権、尖閣有事望まず
弾道ミサイル発射の構えを示す北朝鮮の挑発は日米中3カ国の力学に影響を与えている。北朝鮮への対応で米中が接近。対米関係に自信を深めた中国は、沖縄県・尖閣諸島を巡り日本に攻勢をかける。日米関係は強固なままだが、ケリー国務長官のアジア歴訪の直後に中国が強気に転じた展開は日本側の誤算だった。
8隻同時に侵入
「中米関係は新しい重要な時期に入った。良好に発展する勢いを感じる」。4月23日午前の北京市内の軍関連施設「八一大楼」。デンプシー米統合参謀本部議長と向き合った中国軍制服組トップに当たる共産党中央軍事委員会の范長竜副主席は上機嫌だった。デンプシー氏も「多くの中国軍の指導者と知り合った。今後は若い士官とも交流したい」と応じた。
ちょうど同じころ尖閣周辺は異様な空気に包まれていた。中国の海洋監視船8隻が日本の領海に侵入。8隻同時に入るのはこれまでで最多だ。日本の保守系政治団体のメンバーを乗せた漁船が周辺で漁業活動したことへの反発とみられる半面、領海侵犯は米中の接近とも関係している。
15日午前の首相官邸。安倍晋三首相とケリー氏ら日米高官の1時間弱の会合が終わると、首相はケリー氏と7分間だけ2人になった。政治家同士が2人だけの「サシ」になるのは重要な相談ごとがあるときだ。「対北朝鮮での米中接近にクギを刺した」「尖閣問題での米国の理解と支持を念押しした」。サシの会談内容については諸説あるが、共通しているのは中国絡みである点だ。
12〜15日にソウル、北京、東京の順に回ったケリー氏のアジア歴訪の主要課題は北朝鮮への対処。中でも北朝鮮に影響力を持つ中国の協力を取り付けられるかが焦点だった。ケリー氏の望み通り中国は米国の要請に呼応し、朝鮮半島の非核化に向けた米中高官協議の新設にも同意した。
米国は核開発を止めない北朝鮮にいら立ち、危機の封じ込めに躍起となった。対中関係を深めたことを柱にケリー氏の最初のアジア歴訪は「ほぼ満点」というのが米国務省の受け止めだが、日本には複雑な結果となった。ケリー氏が米国に帰った15日以降、尖閣周辺で領海侵犯する中国船が急増したからだ。その数は19隻に拡大し、4月の前半の6隻と比べると3倍超に達した。
わずか1カ月前。尖閣周辺で領海侵犯する中国船は減る傾向にあった。3月下旬にハワイで自衛隊制服組トップの岩崎茂統合幕僚長とロックリア米太平洋軍司令官が会談し「尖閣有事」を念頭に置いた日米共同作戦の計画づくりを始めた。対中国への日米の軍事行動の詳細を定めたものだ。
岩崎、ロックリア両氏の会談では、中国に尖閣を占拠された後に日米でどう奪還するかも話し合った。この直後、尖閣周辺での中国船の動きはぴたりと止まった。中国は米国の動静を見極めている――。そのことが半ば裏付けられた。
現状維持を支持
日本の閣僚に向き合うとき、米閣僚は尖閣問題に関する考えを明確に伝えてきた。
「尖閣諸島は日本の施政下にある。緊張を高めたり、誤算につながったりする行動、強制的な行動、現状を変えるような行動に反対する」。ケリー氏は4月14日の岸田文雄外相との会談でこう強調。29日にはヘーゲル国防長官が、ワシントンを訪れた小野寺五典防衛相との会談で「現状変更に反対する」と表明し、中国を強くけん制した。
ヘーゲル氏らは中国による領海侵犯の急増を受け、偶発的な日中衝突が起きないよう改めて警戒する。日本との同盟関係を保ちつつ、中国の出方も注視するオバマ政権の本音は、尖閣を巡る有事の可能性も含めアジアの火種を一つでも少なくすることにある。
その最大の火元である北朝鮮。関係国の反対を押し切って、弾道ミサイル発射や核実験を強行するのか。それともしばらく沈黙を守るのか。どちらに出るにしても、その動きは東アジアの危機管理を巡る日米中の力学を反映し、また新たな変化も及ぼす。
(ワシントン=吉野直也)
[日経新聞5月3日朝刊P.2]
北朝鮮の核ミサイル、将来的に米国に到達可能=米国防総省
2013年 05月 3日 16:12 JST
[ワシントン 2日 ロイター] 米国防総省は2日、議会に提出した報告書の中で、北朝鮮が核と長距離弾道ミサイルの開発を継続すれば、最終的に核ミサイルが米国に到達する可能性があると指摘した。同省がこうした報告書を発表するのは初めて。
報告書は、米国にとって北朝鮮がアジアで最も大きな安全保障問題の1つだと位置付け、北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の開発が進めば、将来的に核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルが米国の一部に到達することが可能だとしている。
また、北朝鮮が昨年12月に実施した人工衛星を搭載したロケット打ち上げは、同国の長距離弾道ミサイル開発に「大いに貢献」するものだと指摘した。
北朝鮮がこれまで3回実施している核実験については、「次の実験はいつでも可能」だとした。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE94201O20130503
カーター元米大統領、拘束中の米国人釈放めぐり訪朝の計画なし
2013年 05月 3日 01:54 JST
[ワシントン 2日 ロイター] カーター元米大統領が、北朝鮮で拘束されている韓国系米国人の釈放を求め、訪朝する計画はないと、同氏の報道官が2日明らかにした。
報道官はロイターに電子メールで「カーター元大統領は招請を受けておらず、訪朝する計画はない」と述べた。
北朝鮮の最高裁は同日、同国に対する犯罪行為に関与したとして、拘束中の米国人男性ケネス・ベ(韓国名ペ・ジュンホ)氏(44)に15年の重労働を命じる判決を言い渡した。
北朝鮮は過去にも米国人を拘束し、米政府との交渉カードに利用した経緯があることから、韓国メディアは、カーター氏ら米高官が訪朝し、ペ氏の釈放の交渉を進める可能性があると報じている。
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http://jp.reuters.com/article/JPNKorea/idJPTJE94101J20130502
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