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情報集めに走る中国、非公表の日ロ新合意
編集委員 秋田浩之
2012/11/6 7:00
日本とロシア両政府は10月下旬、新たな覚書を交わした。一見すると、何の変哲もなさそうな合意文書だが、中国がこれに強い関心を寄せているとされる。
文書の名前は「日本国外務省とロシア連邦安全保障会議事務局との間の覚書」。玄葉光一郎外相が先月23日、来日したパトルシェフ安全保障会議書記と会談し、署名した。
■ロシアとの間で安全保障協力を強化
ロシア側の要望もあって、その内容は公表されていない。両国関係者によると、日ロの安全保障協力を強めていく方針が盛り込まれている。
その具体策を話し合うため、「日本外務省―ロシア安保会議事務局」による対話を進めていくことも決まったという。
日本には「安保会議」に当たる組織がないため、パトルシェフ氏の対話相手が誰になるのかはっきりしていなかった。覚書によってこの問題は解消され、今後は日本の外相がパトルシェフ氏と安保問題について協議していくことになる。
この合意に注目しているのが、ロシアと蜜月の関係にある中国だ。さっそく情報収集に動いているとの情報もある。
日ロは安保協力の推進について、9月の首脳会談でも合意している。覚書はその延長線にあるもので、さほど目新しくはない。それなのになぜ、中国は反応するのか。
その理由は覚書の中身よりも、それに署名した人物にある。玄葉外相との署名式にのぞんだパトルシェフ氏は、プーチン大統領の「側近中の側近」。プーチン氏が心を許す、数少ない腹心とさえ言われる。
■プーチン氏に直結するチャネル確保
そう考えると、中国が関心を抱く理由も分かる。日本政府は今回の覚書によって、パトルシェフ氏という、プーチン氏に直結する対話チャネルを確保したことになる。尖閣諸島をめぐり、日本と激しく対立する中国からすれば、こうした日ロ接近の動きは気になるところだろう。
日本としてはロシアとの協力を進めることで、中ロが領土をめぐり、対日圧力で共闘するのを防ぎたい考えだ。一方、中国軍の増強に内心、懸念を抱いているロシアとしても、日本との協力はマイナスではない。
そうした思惑が一致してか、玄葉氏とパトルシェフ氏は会談で、海上自衛隊とロシア海軍の共同訓練や防衛対話を加速することでも足並みをそろえた。
日本側によれば、玄葉氏は「地域の安保環境は一層激しさを増している」と発言。尖閣をめぐる日中対立についてもふれた可能性がある。
11月にはロシアからシュヴァロフ第一副首相が来日。12月には日本の首相が訪ロする日程も固まっている。年末にかけて日中ロの駆け引きがさらに激しくなりそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31032_R01C12A1000000/
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