http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/803.html
Tweet |
進化する無人機 世界最大100m超の“青い悪魔”も
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120220/amr12022009440001-n1.htm
2012.2.20 09:40 産経新聞
イランが撃墜したと主張する無人偵察機(ロイター)
http://sankei.jp.msn.com/world/photos/120220/amr12022009440001-p1.htm
米軍や米諜報機関では、パキスタンやアフガニスタン、イエメン、ソマリアなどで無人武装偵察機を出撃させ、テロリストや反政府勢力の幹部暗殺を敢行している。無人機の進化に終わりは無いようだ。(SANKEI EXPRESS)
■世界最大の偵察機
米空軍が開発したブルー・デビルは世界最大の偵察機となった。何しろ、全長107メートル/容積3万7000立方メートルの“巨艦”。「第二次世界大戦以後に建造される最大の飛行船」と認定された。この広大なスペースにスーパー・コンピューターを積載することで、アフガン交戦地域上空などから地上を広範囲にわたって監視する。
投入機材は盗聴機器や昼夜兼用監視用ビデオカメラ、地上部隊への送受信機など。
この他、広域空中監視(WAAS)システムを使い、最大4キロ四方の地上を、10台ものカメラで撮影する。
一連の装備は在来型偵察機と比べ、新味に欠けるように見える。しかし、将来は飛躍的に性能が高くなる。
米軍では既に、複数の航空機により上空から監視対象を撮影、特にアフガンでは携帯電話や無線を徹底的に傍受している。ところが、複数の航空機による監視・傍受の場合、各機に指示を与えて、情報を集約・管理するため相当の時間を要する。ブルー・デビルはこうした各種情報を一元管理し、使い易い形にアレンジして、地上部隊に15秒以内で伝達することを目標に掲げている。その中核となるのがスパコンだ。
軍高官によれば、在来型WAASシステムを搭載した通常の無人偵察機1機が収集する画像分析には、2000人もの人員が必要になる。これに対し、次世代WAASシステムは、96台ものカメラで撮影された毎時274テラバイトのデータを引き受ける。
これだけのデータは、保存するだけで2000枚前後のハードディスクが必要。しかも、通常のコンピューターではデータ処理仕切れない。分析要員数も在来型の比ではない。この点、スパコンを駆使すれば、毎時300テラバイトも処理する。
斯くして、地上部隊は飛行船内のサーバーに照会後、膨大な情報の中から知りたい映像・情報だけを提供される。
さらに、大量の燃料とヘリウムを貯蔵することで、1回の飛行時間は1週間、しかも6キロという通常の飛行船の7倍もの高度での滞空を実現する。有人飛行も可能だ。
■「瞬きをしない目」
米陸軍も長期耐久性マルチインテリジェンス無人飛行船(LEMV)3機を建造。LEMVは高度6キロで3〜4週間も滞空し、各種センサーを駆使して地上のあらゆる対象を偵察する。いわば「瞬きをしない目」。映像やレーダー情報の他、通信情報を地上部隊に送信する。通信中継局や20トンの貨物を運搬する輸送機としても活用できる。
LEMVと同レベルの任務をこなすには、最新型無人偵察機12機が必要となる。もっとも、最新型といえども、滞空時間は14〜28時間に過ぎない。
米軍ではこの他、太陽電池を搭載した無人偵察機を成層圏上空に数週間〜数カ年滞空させる構想まで持っている。
一方、米国務省でも、プラモデルの飛行機ほどの非武装超小型無人偵察機保有を検討中だ。危険地域での外交施設や外交官の安全確保が目的。危険地域の具体的な名は明らかになっていないが、アフガンやイラクといったテロや宗教抗争の続く国家を指しているものと思われる。
米国務省公表の報告書によれば、超小型機の飛行実験は2010年に成功。米国防総省や他の政府機関と協力して、低空・長時間飛行ができる無人偵察機も視野に入れている。
■北朝鮮も実戦配備進める
きな臭さが漂う朝鮮半島でも、韓国軍が全天候型無人戦術飛行船(全長39メートル)を導入する。飛行船は海上監視能力に優れた最先端レーダーを装備。1.5キロ上空と地上基地をケーブルつなぎ、気象が悪化しても、映像・レーダー情報を安定して送信できる点が強み。10キロ〜数十キロ離れた北朝鮮軍の動向を24時間監視するためだ。
これに対し、北朝鮮軍も偵察飛行船ではないが、自爆攻撃用無人攻撃機を配備しつつある。
無人攻撃機は、地対空ミサイル演習などの際、標的として使われる米国製高速無人標的機(全長5.5メートル/翼幅3メートル/時速925キロ/最高高度12.2キロ)をシリアから密輸入。改造中と観測されている。
改造後は小型爆弾を装填、250キロ離れた目標に自爆攻撃を加えられるようになるだろう。完成すれば延坪(ヨンピョン)島砲撃(2010年)の担任部隊・第4軍団への配備が危惧されている。
北はロシアから輸入したプロペラ式無人偵察機の攻撃機への換装を進めている他、中国製無人機をベースにした無人偵察機は、既に実戦配備についているといわれる。
ところで、日本は広大な領海・EEZ(排他的経済水域)を有し、おびただしい数の島が浮かぶ。自衛隊や海上保安庁の航空機・艦艇の現数が「飛躍的に拡充」されなければ、主権侵犯監視と、それへの対抗には限界がある。「飛躍的拡充」を進める一方で、無人機の本格導入は不可避な時代に入った。(九州総局長 野口裕之)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。