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イラン 「核の脅威」はでっち上げだ アメリカとイスラエルによる経済制裁・軍事介入を許すな  かけはし
http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/766.html
投稿者 ダイナモ 日時 2012 年 2 月 15 日 20:13:13: mY9T/8MdR98ug
 

攻撃示唆するイスラエル

 イランの核兵器開発をめぐって米国とEUが同国への経済制裁を強化し、イスラエル政府と軍が対イラン攻撃を公言する中で、中東における新たな戦争の危険が高まっている。
 イスラエルのバラク国防相は二月初めに同国の安全保障会議において「イランがコムに建設しようとしているウラン増殖用の地下施設が完成するまでに破壊しないとイランの核兵器開発を止める手段がなくなる」として早期のイラン攻撃を示唆した。この発言の直後の二月三日、米国のパネッタ国防長官はイスラエルが四月から六月までの間にイランを攻撃する可能性が高いと発言した。米国政府はイスラエル政府に対して懸念を表明したとされているが、一方で空母エーブラハム・リンカーンがホルムズ海峡を通過してペルシャ湾に入っており、中東各地の米軍基地で実戦に備えた訓練が実施されている。
一月一一日にはテヘランでイランの原子力科学者(ウラニウム増殖プラントの副所長)が何者かによって暗殺された。イランの核開発に関わる科学者の暗殺は〇七年以降五人目であり、いずれもイスラエルの諜報機関の犯行である可能性が大きい。イランの最高指導者ハメネイと革命防衛隊を代弁する「ケイハン」紙は報復の可能性を示唆している。
 イラン政府は経済制裁に対抗するためにホルムズ海峡の封鎖について言及し、米国では大統領選挙に向けた思惑も絡んで、とりわけ共和党の中で好戦的な議論が展開されている。
 イスラム教シーア派の宗教指導者による独裁体制の下でイラン政府が進めている核開発は、核兵器開発を射程に入れたものであり、反帝国主義・反シオニズム的な言辞を隠れ蓑にした軍事大国主義の表現である。この点について、われわれはイラン政府の立場と主張を支持するべきではない。
 しかし、イランの核がこの地域あるいは世界の平和に対する脅威になっているという米国政府やイスラエル政府の主張は荒唐無稽であり、一片の正当性も道義性もない。
 しかも米国内では、核の脅威への対処ではなく、イランの民主化=イスラム教支配体制の打倒を直接の目的とする戦略が検討されている。イラク攻撃の際の、大量破壊兵器なる虚偽の脅威を煽りたててフセイン政権を崩壊させた手法そのままである。


帝国の衰退と偶発戦争

 米国のアフガン、イラクへの侵略戦争がもたらした荒廃と混乱が収拾の展望すら見えない中で、イスラエルとイラン、あるいは米国とイランの戦争がいかなる災禍をもたらすかは想像もつかない。もちろんイスラエルも米国もイランとの全面戦争を意図しているわけではなく、狙いは「限定的」である。イラン政府の側にも、戦争で得られるものは何もない。
 それにも関わらずこの時期にイランの核をめぐって戦争の危険が高まっている背景には、オバマ政権の下で進められている米国の軍事戦略の重要な転換、つまり防衛予算の削減と、戦略的重心の中東からアジア太平洋地域へのシフトがある。この転換に伴って米国のこの地域への軍事的関与が弱まることを恐れるイスラエルのシオニスト政府と米国内のイスラエル・ロビーが、なりふりかまわず軍事的緊張を煽っているのである。
 アフガン、イラクへの侵略戦争の一〇年の間に米国は、ソ連邦崩壊後の唯一超大国としての絶対的な覇権国の地位から転落し、南米に続いて、中東においてさえ自己の戦略を貫徹できなくなっている。まさに帝国の衰退・凋落が加速している。しかし、そのことで米国が「戦争国家」であることをやめ、覇権国としての振る舞いを変えるわけではない。戦略を持たないまま、偶発的戦争に突き進む危険は増大している。しかも、今後の戦争においては、無人爆撃機などの「ハイテク」を駆使することによって無差別殺戮が繰り返され、また、NATOや日米同盟などの全面的な動員が図られるだろう。
 われわれは米国およびイスラエルによる対イラン戦争の危険を軽視するべきではないし、イランへの経済制裁が戦争準備そのものであることを認識しておく必要がある。


米国の意向に沿うIAEA

 イランの核開発はNPT(核不拡散条約)とIAEA(国際原子力機関)による監査の下に置かれている。NPTやIAEAが核兵器保有国に対して核兵器の独占を保証し、その一方で核兵器廃絶を義務付ける実効的な措置を欠いた欠陥の多い機構であり、しかも核兵器を保有していると言われているイスラエルはNPTに加盟していない。
 IAEAの天野事務局長は昨年一一月八日にイラン核問題報告書を発表し、同国が核兵器開発に向けてさまざまな実験を行ってきたとみられると指摘した。この報告書を受けて米国政府は同一二月に、原油などの輸出入の決済にあたるイラン中央銀行と取引がある金融機関を米国から締め出す制裁法を制定した(六月から実施)。また、EUは一月二三日、イラン産原油の輸入、購入、輸送に関する新規契約を禁止し、七月以降は既存契約分を含めて完全禁止すると決定した。さらに米国政府は二月六日、イラン政府が米国管理下に所有するすべての資産(イラン中央銀行の資産を含む)を凍結する追加制裁を発表した。
 天野事務局長が米国の意向に沿ってまとめたIAEAの報告書は、イランが核兵器の開発の途上にあるという疑惑を、状況証拠のみによって表明しているにすぎない。天野の前任者であるエルバラダイは〇九年一一月の退任にあたって、「イランが核兵器またはその部品を製造したという情報は一切受け取っていない」と明言しており、天野の報告書に、それ以降に新たな事実が明らかになったという記載はない。
 それにも関わらず米国のパネッタ国防長官は一二月二日に、IAEAの報告書がイランの不誠実さを証明したと発言、それを受けてイスラエル政府と米国のイスラエル・ロビーは、あたかもイランの核兵器保有が現実の危機であるかのように主張している。
 実際には、中東地域においてイランの核兵器の脅威なるものは虚構である。米国のブルッキングズ研究所が中東地域で実施した世論調査で、この地域の主要な脅威がイスラエルであるという回答が八〇%、米国が七七%であり、イランはわずか一〇%である。しかもイランが核兵器を保有することはこの地域によい影響を与えるという回答が五七%だった(二〇一〇年の調査)。もちろん、米国のメディアはこの調査結果を黙殺した(「デモクラシー・ナウ」の二〇一〇年一一月三〇日付、ノーム・チョムスキーとのインタビューによる)。
 中国、ロシアは、制裁や軍事的圧力はイランの核兵器開発を断念させるために有効ではないと主張している。
 二〇一〇年五月には、核兵器開発疑惑を取り除くために、トルコ、ブラジル両政府とイランの間で、イランが保有する低濃縮ウラン(核兵器に転用可能とされている)をトルコへ搬出することが合意されたが、米国とEU諸国はこのような外交交渉を通じた解決を拒否した。
 米国やEUによるイランに対する経済制裁は、核兵器開発を断念させるための圧力を装っているが、実際には外交交渉を通じた解決の道を閉ざし、政権の弱体化さらには打倒を狙ったものであり、軍事介入の準備と正当化にほかならない。


制裁は独裁を助けている

 米国とEUの追加的経済制裁が実施された場合に、イランの石油輸出は壊滅的な打撃を受け、それがイランにおける独裁体制の危機と民主化運動を誘発するというのが米国政府のシナリオである。実際、イランの支配体制の内部において、アフマディネジャド大統領と最高指導者ハメネイを中心とする「改革派」の間の対立が再び表面化している。
 しかし、イランは国際的に孤立しているわけではなく、支配階級は友好国や周辺のシーア派勢力の協力を通じて制裁による打撃を軽減できるし、国民の団結を訴えることで政治支配を強化することすらできる。実際、この間、クルド人活動家への弾圧が強化されている。
 その一方で制裁は経済危機に苦しむ民衆を直撃する。「IPS」の二月七日付のレポートは次のように報じている。「……米国あるいはイスラエルもしくはその両方による攻撃と、ますます不安定化するイラン経済……先月以来の通貨危機に表現されている……の二重の脅威の中で、〇九年の選挙の前の日々、そしてその後の数週間に街中に満ちあふれた希望の感情はどこにも見られない」。
 このレポートによると、通貨危機は深刻で、国内の製造業や輸入に大きな影響を及ぼしている。あらゆる商品の価格が急騰し、乳児用の紙おむつにいたるまで買えなくなっている。テヘラン市内の病院の壁に「腎臓売ります」という貼り紙が貼られている。一方、新自由主義の恩恵を受けた人々が集中する地域では、多くの住民が以前よりも裕福な暮らしをしている。高級車や高価なバッグがあふれ、通貨や土地への投機が活発に行われている。これらの「西洋化」された人々はかつては民主運動の担い手だったが、今では体制に順応している。モラル警察が毎日市内を巡回して、ヘジャブ(女性が着用するスカーフ)を着用しない女性を取り締まっている。
 経済制裁によって民衆を支配体制から離反させようとする米国の思惑はすでに失敗しつつあり、反米感情がますます高まっている。


「人道的介入」の虚構

 米国・イスラエルとの軍事的緊張が高まる中で、アフマディネジャド大統領は一月に中南米諸国を訪問し、キューバ、ベネズエラなどの左派政権との連帯・同盟関係を深めた。
 イランの左翼活動家で、ドイツに亡命しているジャーナリストのソヘイル・アセフィは、キューバ、ベネズエラの政府や多くの左翼グループが、アフマディネジャド政権の反帝国主義・反資本主義的な言辞を支持し、イランにおける労働組合の活動や民主主義的権利への抑圧を容認していることにショックを受けたと言う。
 「Zネット」二月九日付に掲載されている彼のレポートによると、彼はイランで独立的な立場からウェブを開設し、討論を呼びかけた。ある日、警察が彼の自宅を急襲し、コンピューターを没収し、彼を逮捕・拷問した。
 彼はイランの政権がこの間、新自由主義的政策を進め、国有企業の私有化を通じて利権を独占してきたと指摘している。彼は全世界の進歩的勢力や友人に次のように訴えている。
 「私たちは二つのことを期待している。第一に、イランの民主運動に連帯して、自国の政府に対して、イスラム共和国とどのような外交関係にあるかに関わりなく、イランにおける人権侵害の状況に留意するよう働きかけることである。第二に、イラン民衆の民主主義のための闘いを真に支持する人々は、経済制裁に反対し、戦争に反対し、人道的介入なるものに反対するべきである」。
 われわれは、アフマディネジャド大統領の冒険主義的な核開発やイランにおける宗教指導者による独裁・抑圧に反対し、イランにおける民主化のための闘いを支持し、国際的な連帯を強化するべきである。しかしながら、イランにおける民主化はイランの労働者や女性、若者を中心とする民衆的な闘いによってのみ可能であり、米国が主導する経済封鎖はそのことと全面的に対立する。
 また、われわれは米国やEU諸国が国連の制裁決議を隠れ蓑にして米国とイスラエルの戦争準備・戦争挑発を容認していることを許してはならない。あらゆる国連決議を無視してパレスチナへの入植を拡大し、アパルトヘイト(人種隔離)体制を強化しつづけるイスラエルに対してこそ、経済制裁を発動するべきである。
 日本政府は、イランに対する経済制裁が日本経済に及ぼす影響を懸念しつつも、米国との同盟を無条件に優先する政策を取ってきた。主要メディアもその線に沿って、あたかもイランの核兵器開発が差し迫った脅威であり、イランが国際社会から孤立しているかのような報道を垂れ流している。
 米国各州で、オキュパイ運動や反戦運動の活動家を中心にイラン介入反対の集会・デモが広がっている。イスラエル国内においてすら、イランとの軍事的緊張を高める右派政権に対する批判が高まっている。
 われわれは日本政府に対して、次のことを要求するべきである。
イランへの経済制裁を拒否せよ!
IAEAに対してイスラエルの核開発の査察を要求せよ!
イスラエルの入植・アパルトヘイト政策とガザ包囲をやめさせるために、経済制裁を宣言せよ!
       (小林秀史)


http://www.jrcl.net/p01b.html
 

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コメント
 
01. 2012年2月16日 09:36:48 : rxQ9HcUdVo
昭和シェル石油「イランはずっと友達だよ」輸入継続。

02. 2012年2月16日 13:31:50 : O96FqI0TdQ
みんな、でっち上げですよ!

70年前の太平洋戦争も、勿論、でっち上げ!

みんな、世界金権支配者による筋書きどおりだ!

だから小生は、知人のイラン人に、

「挑発にのって戦争してはダメだ! 奴らの思うつぼだ。70年前の日本のように
 孤立してはいけない。周辺の国々との連帯を強固にしていくべきだ。」

と、忠告している。

米英イスラエルのやり方が、あまりにも見え透いているからだ!


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