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中米グアテマラで、クーデターで政権を握り82〜83年に軍政を率いた独裁者リオス・モント元将軍(85)に対し、先住民のマヤ民族を中心に多くの市民を殺害した罪を審理する裁判が1月末に始まった。被害者の妻らで作る女性組織「コナビグア」のロサリーナ・トゥユク元代表(65)に心境を聞いた。【コマラパ(グアテマラ中部)で國枝すみれ】
裁判開始の日を長い間待っていた。リオス・モント元将軍の他にも、虐殺に関与しながら政府に守られている元軍人がいる。全員を裁き、真実を明らかにしてほしい。
マヤ民族の宗教指導者だった私の父は82年に、夫も84年に政府軍に殺害された。農民に文字を教えていた私も捕まりそうになった。多くの仲間が殺され、行方不明になった。
当時の政府は「左翼ゲリラのテロから市民を守る」ことを口実にしたが、実際に政府軍が行ったことはマヤ民族のせん滅だった。政府はマヤ民族を国の発展の障害とみなしていた。マヤの文化的指導者はゲリラへの協力者として迫害され、女性は集団レイプされた。5歳の少女まで犠牲になった。
3年前、私たちは虐殺現場の一つだった、コマラパの軍施設の跡地の一部を買い取った。地中から226人の遺体が出てきた。ガソリンで焼かれたり、首や足を切断されたりした遺体もあった。このうち身元が判明したのはこれまで17体しかない。
◇7万5000人犠牲
グアテマラで96年まで続いた政府軍と左翼ゲリラとの内戦は20万人以上の死者・行方不明者を出した。特にリオス・モント元将軍の軍政下で大量虐殺が行われ、国連推計によると7万5000人が殺害された。犠牲者の83%がマヤ民族だった。
元将軍は1月14日に国会議員としての免責特権を失い、訴追された。266件の人権侵害事件に関与し、この中で少なくとも1771人が殺害されたとされる。元将軍は無罪を主張している。
http://mainichi.jp/select/world/news/20120209k0000m030126000c.html
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