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イラン危機が日本を襲う!原油1バレル=200ドルの深刻度
2012.01.25
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20120125/frn1201251241000-n1.htm
超円高やデフレ、欧州危機に苦しむ日本経済にまた一つ不安材料がのしかかる。イランの核開発問題だ。欧米諸国の制裁措置に対し、イランは原油輸送の要衝であるホルムズ海峡封鎖をちらつかせる。原油価格が1バレル=200ドルまで急騰するとの観測もあり、企業業績悪化や景気失速など、日本経済への打撃は計り知れない。
原油価格の指標となるWTI原油先物は08年7月に1バレル=147ドルの最高値をつけ、直後のリーマン・ショックで暴落していたが、昨年後半以降、再び上昇基調に。現状1バレル=100ドル近辺で推移している。ここでさらなる急騰を招きそうなのがイラン問題だ。
EUがイラン産原油禁輸で合意、日本も米国からの要請を受けてイラン産石油の輸入削減で調整している。一方のイランも強硬派を中心にホルムズ海峡封鎖に言及するなど一触即発の状態だ。イランのカセミ石油相は「制裁が科されれば原油価格は1バレル=200ドルに達するだろう」と不気味な予言をしている。
SMBCフレンド証券シニアストラテジストの松野利彦氏は「世界的にリスク資産価格が上昇し始めている中、イラン問題は原油価格が上昇する格好の材料になる」として、投機マネーの思惑含みの動きも原油価格急騰に拍車をかけると指摘する。
原発事故後に電力会社が依存度を高めている液化天然ガス(LNG)価格の高騰も予想される中、日本経済への影響について、第一生命経済研究所研究理事の櫨浩一氏はこう解説する。
「まずガソリン価格の上昇という形で現れ、次に電気料金も上がるだろう。原材料価格の上昇は簡単には製品価格に転嫁されないが、ガマンできなくなると小売価格の値上げになる。大混乱というより、ボディーブローのように値上げが効いてくるだろう」
前出の松野氏は「現状では異常な円高で原油の輸入価格は高騰せずに企業は助かっているが、ここから大きく急騰すると厳しい状況に追い込まれ、業績へのダメージは大きい。補正予算でプラス成長が予想されている日本経済は再びマイナス成長に転落する可能性もある。株式市場も再び下降トレンドになる」と警鐘を鳴らす。
ホルムズ海峡封鎖や武力衝突など最悪の事態は避けられるのか。市場では「米国は制裁姿勢を強めながらも、海峡の封鎖という事態は避ける可能性の方が高い」(松野氏)との見方が強いが、ある金融系シンクタンクのエコノミストは一連の事態を深読みする。
「ホルムズ海峡封鎖や武力衝突が起こることで誰が得するかというと、米英の軍需産業や石油資本。今回の問題が出来レースとまではいわないが、封鎖は現実のものとなるのではないか」
日本政府の危機回避能力に期待できないだけに事態は深刻だ。
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