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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu256.html
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ホルムズ海峡を封鎖は、事実上の日本狙い撃ちである。又は、韓国や
中国も甚大な経済被害を受けることから、東アジアが標的なのかもしれない。
2012年1月24日 火曜日
◆新石油危機で日本は急速に没落する 1月24日 山田高明
http://agora-web.jp/archives/1425377.html
このように、今潜在している危機は、単純な需要と供給側の構造的問題だけではない。それに中東特有のリスクと投機熱が被さっているのが現実だ。これらの要因から免れられない以上、石油の枯渇はまだ先だとしても、IEAが「30年度には1バレル200ドルを超えるかもしれない」と警告しているように、今後、石油価格は確実に上昇していくものと覚悟したほうがいい。従来の“安い石油”の時代は終わったのだ。
では、危機の顕在化はいつか。実はすでに始まっている。その証拠が毎年のように切り上がっていく化石燃料の輸入代金だ。現在、ほぼ20兆円であり、しかも7割以上が「石油代(原油+石油製品輸入−同製品輸出分)」なのである。
しかも、この代金は印刷機を回して捻り出せる代物ではなく、外貨から支払っている。ということは、原油価格の上昇はそのまま国民が汗水たらして労働したその付加価値分の蒸発を意味する。しかも、それは単に直接的な損害に過ぎない。むしろ、他のエネルギー資源価格と物価全体を押し上げることによる間接的な損害のほうが大きい。光熱費や様々な製品の価格が値上がりすると、当然、世帯の可処分所得は減り、消費は縮小する。製造業の国際競争力は低下し、設備投資は抑制される。発電部門はまだ燃料をミックスしている分だけマシかもしれないが、石油依存率98%の運輸部門(*残る2%は電力で鉄道用)などは半身不随に陥るだろう。単に物流コストの問題ではすまない。建機・農機・漁船の動力費も上がることから、建設業や第一次産業までが打撃を被るのだ。
仮に原油価格が倍になれば――将来的に十分想定される――約30兆円の支払いだ。貿易収支の利ざやなど、あっという間に吹っ飛ぶだろう。いくら働いても目の前でそれ以上の国富が吸い取られていく“交易損失”の悪夢だ。そうなれば、わざわざ石油や原材料を海外から購入して自動車やハイテク製品を作る意味がなくなり、加工貿易立国モデルそのものが崩壊する。日本の場合は食料自給率の低さまでが絡んでくる。10兆円の食料・原料品輸入費までが倍になればどうするのか。いや、どう生きてゆくのか。
困ったことに、この「新石油危機」は徐々に進行し、かつ円高もあって、われわれは“茹でガエル”のように自覚できないでいる。石油の値上がりは、われわれにとってまったくの「純損」だという意識を持つ必要がある。仮に輸入費が1兆2千億円高騰すると、赤ん坊から老人まで国民一人あたり1万円搾取されているのと同じなのだ。これは課税ですらない。なぜなら、税金なら再び国内に投資されたり、再配分されたりする。だが、外国に支払うエネルギー代の場合、本当にただの損害でしかないのだ。
04年から始まった石油価格の上昇により、今では国全体での化石燃料の輸入費もほぼ倍になってしまった。一番割りを食っているのは一般のドライバーや運送業者である。前者は家計を直撃し、後者は流通コストに転嫁されている。つまり、約10兆円の超過支払いは結局、家庭・企業の負担だ。これは消費税でいうと、ほぼ4%分に相当する。見方を変えれば消費税はすでに値上げされていたのだ。ただし、その上納先が日本政府ではなく、海外の国営企業(外国政府)や資源大手のため、一切還元されないという違いはあるが。
いったい、10兆円あればどれだけの事業ができるだろうか。東京湾アクアラインの総工費が1兆4千億円といわれている。これを国内投資に回せば、何十万という雇用を作り出せるだろう。しかも、石油価格の上昇以降に拡大し続けているこの純損により、家計も企業も需要を抑制してきたので、それが常に失業圧力・人件費削減圧力・デフレ圧力と化している。この先、石油がさらに値上がりしていくとすれば、今後20〜30年というスパンで見た場合、トータルでどれほどの損害を被ることになるのだろうか。おそらく、それは「何百兆円」という想像を絶するほどの巨大な搾取であり、国富の流出となるだろう。
◆石油に依存し続ける限り日本の没落は避けられない
日本の置かれている状況は、アパート暮らしに例えると分かりやすいかもしれない。それまで月々の家賃が10万円のため、生活に少し余裕が持てた。ところが、契約更新の度に値上げされていく。このまま15万になれば余裕がなくなるし、20万になったら家計が完全にマイナスに転じる。かといって、年収(GDP)は上がるどころか、むしろ下がり気味だ。いったいどうすればよいのか…というのが今の日本の立場なのだ。
まさか、「枯渇は遠い未来の話だから安心だ」などと、日本人が言えるセリフではないだろう。それは産油国のセリフであって、われわれが口にすると、家賃を搾取されているアパートの住人が「建物の寿命が長いから安心だ」と喜んでいる滑稽さに似てくる。
日本はこれまで円高や自動車の燃費向上で乗り切って来たように思える。しかし、それは損害を小さくしただけで、問題そのものの解決には至っていない。このままアパート暮らしを続け、家賃の恒常的上昇に黙って耐え、搾取を甘受し続けるのか。それとも別の住まい(石油とは違うエネルギー源)を探し、引越しするのか。あるいは、持ち家(自給率向上)に向けて思い切った投資を始めるのか。
唯一はっきりしていることは、石油にしがみついている限り、われわれは今後とも確実に生活水準の切り下げを余儀なくされ、どんどん貧しくなっていくということだ。ジリ貧とはよくいったもので、われわれはなんだか自分でも原因がよく分からないまま、ジリジリと貧しくなっていく。
このように、石油依存およびエネルギー自給率の低さが「国家的リスク」として急速に顕在化しつつある。しかも、石油の大半はわれわれの手の届かない場所にあり、市場・地政学リスクもコントロール不可能なものだ。つまり、石油に依存している限り、今後とも日本の経済や社会そのものが人質にとられ続け、まるで水面の木の葉のように運命に自らをゆだねるしかない。「円が強い」とか「日本のエネルギー利用効率は高い」などの長所は、問題を低減する効果はあっても、本質的な解決には貢献しない。一時的な供給遮断に備えた石油備蓄も、さしたる防波堤にも慰めにもならならない。この先、石油が高騰していけば、これらが単なる自己満足に過ぎなかったことに早晩、気付かされるだろう。
しかも、たまたま時期的に「少子高齢化」という日本特有の事情が重なる。すでに人口の減少は始まった。将来的に高齢者層を支える若者の数がどんどん減っていく。当然、若年層の負担は増していく。すでに財政は逼迫し、増税は不可避だ。それにエネルギー代の高騰と物価高が追い打ちをかけるのである。よって今後、われわれは貯蓄の切り崩しと生活水準の切り下げを余儀なくされ続けるだろう。
上下のブレこそあるものの、石油価格の上昇トレンド自体に当面変化はないだろう。ということは、これから数十年の間に、おそらく何百兆円という国富が日本から流出していく事態が予想される。すると、少子高齢化と相まって、誰もが想像しなかったほどの非常に早いスピードで日本が衰退していく可能性も考えられる。
◆アメリカがサウジアラビアに取って代わる日
さて、以上のようなことを、私は最近まで考えていた。ところが、年が明けてから突然、もしかして楽観的すぎたかもしれないと思うようになった。残念ながら、現実はこんな程度ですまない可能性がある。
すべてはアメリカのせいだ。アメリカはイラク占領統治の失敗後、エネルギー政策を大転換し、石油の中東依存度を下げる政策を続けていた。その結果、今ではイランがホルムズ海峡を封鎖したとしても、生命線を断たれるわけではない。これは地中海ルートをもつEUも同じである。では誰が最大の被害者なのか? 同海峡依存率9割の日本である。
アメリカもそんなことは承知で、わざとやっているのだ。これは事実上の日本狙い撃ちである。又は、韓国や中国も甚大な経済被害を受けることから、東アジアが標的なのかもしれない。「アメリカは恐慌に入ったので毎度の手口で戦争景気を演出しようとしているのだ」とか、「イランの保有する弾道ミサイルに核弾頭を積めばホロコーストの再来になりかねないので、なんとしても核開発を阻止したいのだ」といった見方がある。だが、目的はどうであれ、現実として起こることは「イランによる海峡封鎖」であり、「日本が最大の被害を受けること」であり、そして「石油のさらなる高騰」である。おそらく、1バレル200ドルに近づいても不思議ではない。
私もはっきりとは知らないと断った上でのことだが、環境規制のかかっているアラスカやメキシコ湾の石油埋蔵量はサウジアラビアに匹敵すると聞いたことがある。プレミアムでガソリンが暴騰すると、アメリカ市民は「なんとかしろ」と訴えるだろう。だが、これで政府は堂々とその規制を解除できる大義名分を手にすることができる。アメリカはイランとの緊張状態を持続させるかもしれない。あるいは戦争をはじめて、ペルシャ湾岸の石油インフラを破壊してしまうかもしれない。すると、日本はアメリカの石油にすがる他に生きる道がなくなる。もしかして、アメリカの方から恩着せがましく、「助けてあげよう」と言ってくるかもしれない。「われわれはトモダチ同士じゃないか。ところで、1バレル200ドルでどうだ?」と。むろん日本政府は涙を流して感謝するだろう。かくして、日本が40年かけて積み重ねた対米黒字を、アメリカはたった十年で取り戻してしまうのだ。
アメリカは今、盛んにイランを挑発している。「イランが国際社会を挑発している」のではない。インドもパキスタンも北朝鮮も仮想敵国に対抗するために核兵器を開発したし、それは正確には国連安保理常任理事五カ国の過去をなぞったに過ぎない。なんでイランばかりがここまで制裁を受けねばならないのか。アメリカは、戦前に日本をなぶったようなやり口で、イランのほうから先に手出しするように仕向けている。あるいは、イラン人が忍耐強かったら、またぞろアメリカ人が「リメンバー××!」と叫びたくなるような事件がでっち上げられるかもしれない。だが、その結果として、戦場にさせられる中東諸国以外では、日本の独り負け、いや、韓国や中国も含めた「東アジア負け」に繋がっていくのだ。われわれは戦後、営々と溜め込んだ富を合法的に奪われるのである。これを防ぐためには、欧米も道連れにする方法を考える必要がある。
(私のコメント)
イラン情勢が大変緊迫していますが、日本に輸入されてくる石油の9割がホルムズ海峡を通ってくる。つまりホルムズ海峡が封鎖された場合10%しか石油が入ってこなくなる。そうなったら日本はどうなるのか? 想像するだけでも寒気がしますが、去年の東日本大震災の比ではないほどの大被害が生じるだろう。
日本中の自動車が動かなくなり物流が止まってしまう。LNGガスも大きな影響を受けるから発電もままならなくなるだろう。おまけに日本では脱原発の動きが出ていますが、冷静になるべきではないだろうか? 動かせる原発は全部動かすぐらいの準備をしておかなければ日本中が計画停電をしなければならなくなる。
現在はイランとアメリカのブラフ合戦が行なわれていますが、これほどの危機的な状況も関わらず日本国中は太平楽であり、テレビでもニュースで少し報道される程度だ。このような状況は今に始まったことではないのですが、日本の原発の推進も中東の石油に頼ることに対する対抗策であった。鳩山内閣では原発で50%以上の電気を賄う計画を立てていましたが、福島第一原発の事故で脱原発に動き始めた。
日本は全力で石油や原子力発電に代わるエネルギー資源を開発しなければなりませんが、その動きは一部に過ぎない。ホルムズ海峡が封鎖されるかどうかは分かりませんが、石油の値段は確実に上がっていくのであり、外貨があり円が強いうちに新エネルギー資源開発に手を打たなければなりません。しかし日本政府の方針は混迷するばかりであり、原子力発電も安全な新型炉を開発する必要がある。
「株式日記」では藻による石油生産について書いた事がありますが、そのようなプロジェクトが日本中に出来れば日本が石油生産国となり輸出も可能かもしれない。まだ実験室レベルですが、石油が一バレル100ドルとか200ドルにまで上がれば十分採算が取れる計算になるらしい。石油だから自動車も動けば航空機燃料にもなります。
昨日も書いたように日本はボトムアップ型の社会であり、意見がまとまるには時間がかかりますが、いったん纏まれば一致団結して動く。一部に企業化の動きもありますが、儲かると分かれば日本中が藻による石油生産の企業化が進むだろう。計算によれば生産施設は二万ヘクタールもあれば日本の石油前輸入量が賄えるそうです。
東日本大震災が日本の原発推進を変えたように、ホルムズ海峡封鎖による石油の断絶は、石油は掘るものではなく生産するものという常識に変わるかも知れない。太陽光発電や風力発電も実用化されていますが、発電コストが高くつきますが、藻による石油の生産は石油価格が上がればそれだけ儲かる事になり世界の石油事情も変わるだろう。
アメリカがイラクから撤兵しますが、イラン情勢を考えれば180度の方向転換ですが、中東の石油を押さえなくとも、シェールガスの大量の埋蔵が確認されたり、石油が農産物として生産出来るとなれば中東の石油に拘る必要がなくなります。むしろショック療法としてホルムズ海峡を封鎖するような事件が起きて、藻によるバイオ燃料の生産が注目されるようになればいいのではないかと思う。
このように中東の石油に頼らなくても石油が生産出来るとなれば、石油危機は幻想で終わり採算に合わない油田は放置されていくだろう。これに一番危機感を感じているのはイスラエルであり、イスラエルの存在価値も意味がなくなってくる。アメリカとイスラエルの関係も中東の産油国への睨みの意味がありましたが、核兵器の開発も止める事は不可能だろう。
山田氏の超悲観的な石油危機論は以前は常識でしたが、石油が農産物として生産できるようになれば状況は一変する。確かに明日にでもホルムズ海峡が封鎖されて石油の輸入がストップすれば日本は大変なことになる。しかし石油が1バレル=500ドルとか1000ドルにまで値上がりすれば、藻による石油生産の投資的な価値が上がって日本中の水田が油田に変わるかも知れない。
◆ついに日本が本気を出した・・・ 藻からバイオ燃料 本格始動!
http://white0wine.blog10.fc2.com/blog-entry-3100.html
池などに生息する特殊な藻からジェット機などに使われる燃料を生産しようというバイオ燃料の事業に、大手機械メーカーの「IHI」が参入すると発表しました。
「IHI」はバイオ関連のベンチャー企業と研究開発の会社をことし8月に設立し、
池などに生息する油を作ることができる特殊な藻を使ってバイオ燃料を作る事業を始めるとしています。
IHIなどはこの藻を品種改良して1000倍の速さで増殖させられる技術の開発に成功したということです。
現在の生産技術では燃料1リットル当たり1000円程度のコストがかかるということですが、
技術開発を進めることで3年後に生産に乗り出し、2020年までにはコストを10分の1以下に下げ、
ジェット機向けの燃料などとして販売したいとしています。サトウキビやトウモロコシを原料とする
バイオ燃料は地球温暖化対策として有効だとされながらも食糧価格の高騰を招くなどといった影響が懸念されていますが、
藻の場合、食用にはならずバイオ燃料としての研究が盛んになっています。
「IHI」の出川定男技術開発本部長は「今は生産コストが高いが中長期的には高騰が続く原油とも十分、競争できる。
原油価格高騰と地球温暖化の両方の解決策になるのではないか」と話していました。
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