http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/545.html
Tweet |
【カイロ=今村実】シリアに入ったアラブ連盟(本部・カイロ)の監視団は活動を本格化させているが、アサド政権には反体制運動への武力弾圧を停止する気配はない。「政権はすぐに治安部隊を撤収させ、監視団が状況を確認する」という連盟の和平プランは早くも崩壊寸前。反体制派は監視団への不満を強めており、「シリア危機」の不透明感が一層増している。
監視団が各都市に入った昨年十二月二十七〜三十日も政権側はアラブ連盟との合意を破り、西部ホムスや中部ハマなどでデモ隊に発砲し、死者は四日間で数十人に上った。監視団は、弾圧停止などの合意実行を確認するどころか、武力弾圧を抑止することすらできないのが実情だ。
政権側の“弾圧隠し”の疑いも各地で報告されている。シリア人権監視所(ロンドン)によると、北西部イドリブでは、監視団の目に触れないよう、軍は山間部に戦車を移動させたという。
監視団(約百五十人)は、一班十人で小規模すぎるとの指摘がある。ロイター通信によると、監視団にはシリアの治安当局が同行しており、ホムス在住の活動家は「われわれは(監視団と)直接、話すこともできない」と残念がる。
また監視団を率いるスーダン軍のダビ大将は二十七日、西部ホムスで治安部隊が約七万人のデモ隊を鎮圧、多数の死傷者が出たにもかかわらず「恐ろしい光景や衝突はなかった」と発言し、その活動に疑問符が付いた。
スーダンでは、黒人住民らが大量虐殺されたダルフール紛争をめぐり、国際刑事裁判所(ICC)は、バシル大統領に対し戦争犯罪容疑で逮捕状を出している。スーダン軍の幹部が、シリアに入って弾圧停止の監視団トップを務めること自体にも問題がある。
シリア人権監視所のラミ・アブドルラフマン所長は、本紙の取材に「国内の活動家に失望が広がっている。監視団が一都市を十人で担当するには無理があり、監視団員の数を増やして滞在を長期化させるべきだ」と指摘。その上で「シリア問題で今、国際社会を動かすには監視団がつくる報告書だけが頼り」と語り、わずかな望みを捨ててはいない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012010102000026.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。