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<銀の街から>サラの鍵 結びつく、ユダヤ少女と私の人生 沢木耕太郎(朝日新聞)
http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/543.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 1 月 01 日 14:57:52: KbIx4LOvH6Ccw
 


(*「シネリーブル神戸」の公開案内から)

映画「サラの鍵」公式サイト
http://www.sara.gaga.ne.jp/

<参照>

『サラの鍵』京都シネマで21日公開(京都民報)
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2011/12/30/21_15.php

ナチス占領下のパリで〜映画「サラの鍵」〜【醍醐聰のブログ】
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-a3cd.html

サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
http://www.shinchosha.co.jp/book/590083/

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<銀の街から>サラの鍵 結びつく、ユダヤ少女と私の人生 沢木耕太郎
朝日新聞 2011.12.07 朝刊 22頁 文化欄  

 少女が納戸を開け、幼い弟に言う。さあ、ここに入りなさい。ためらう弟に、少女は必死に説得する。

 「これは昨日のかくれんぼの続きなの」

 そして、不安げに納戸に入る弟に、鍵をかけながら言い聞かせる。

 「わたしが戻るまで出てきちゃだめよ」

 それは一九四二年、ユダヤ人の少女の家に警官が押しかけてきた直後のことだ。

 その納戸の鍵が少女の人生を決定し、さらには現代を生きるアメリカ人女性の人生も決定することになる。

     *

 この「サラの鍵」という映画では、二つの時代のパリが交互に描かれる。

 ひとつは一九四二年の夏。もうひとつは現代。そこに生きるのは二人の女性だ。一九四二年の夏を生きるのはユダヤ人として生まれた幼い少女のサラ。現代を生きるのはアメリカ人女性ジャーナリストのジュリア。

 一九四二年の夏、ドイツに占領されたフランスのヴィシー政府は、ドイツのユダヤ人狩りに主体的に協力することになる。ユダヤ人が多く住むパリで一斉摘発を行い、劣悪な環境の室内競技場に集め、さらに収容所へ送り込む。

 少女サラもまた、父母と狩(か)り立てられる。サラは家に帰りたいと願う。

 ――この鍵で納戸を開けなくては弟が死んでしまう!

 父母と引き離され、ひとりになっても、納戸の鍵を肌身離さず持ち歩き、監視する警官に必死に乞い、願う。家に帰して、と。そして、最後には、収容所からの脱走さえ謀ることになる。

 一方、現代のパリに住む女性ジャーナリストのジュリアは、雑誌でフランスにおけるユダヤ人迫害の記事を手掛けることになる。

 すると、それとちょうど同じ頃に、夫の家族が所有するマレ地区のアパルトマンの部屋の改築という出来事に遭遇する。マレ地区はパリの古い街であり、ユダヤ人が多く住んでいた地域でもある。そして、そのアパルトマンの部屋は、夫の家族が一九四二年の八月に手に入れたものだと知る。ジュリアは、そこに危険な匂いを嗅いでしまう。もしかしたら……。

 こうして、アパルトマンのひとつの部屋を介して、二人の女性の人生がゆっくりと結びつきはじめるのだ。

     *

 これもまた第二次大戦におけるホロコースト、ユダヤ人への迫害をテーマにした映画である。

 だが、ここにはもうひとつの、さらに大きなテーマが秘められている。

 それは、「真実」のために結果的に人を傷つけることになってもいいのだろうかという、ジャーナリストにとって根本的な、しかし半ば解決不能な問題である。

 ジャーナリストは、取材対象者から、なぜ、何の資格があってあなたは私たちの人生に介入してくるのかと、無言で、あるいは言葉にして問われる。

 それに対する答えは、よほど厚顔、傲岸(ごうがん)なジャーナリストでないかぎり、たぶん、ない。沈黙して引き下がるしかないが、にもかかわらず、やはり調べ、書いてしまう。

 しかし、それがまったく取材した側の人生に無関係に終わるとはかぎらない。たとえば、この映画の主人公のジュリアのように。彼女は、弟という小さな命を救うために自らの小さな命をかけて必死に走った少女の人生を知ることで、自分の人生をまったく違う角度から検証するきっかけを与えられるのだ。高齢で妊娠し、「いまさら赤ん坊に振り回される日々を送るのはいやだ」という夫に堕胎を勧められている自分の人生を。

 サラの「鍵」は、時空を超えて、納戸以外のものを開ける「鍵」となるのだ。

 クリスティン・スコット・トーマス演じるジャーナリストはアパルトマンに秘められた悲劇を知る=17日から東京ほか各地で順次公開

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コメント
 
01. リベンジ 2012年1月05日 06:06:29 : Qd30zXTdWrrwo : Nk9dapsFvk
そうか、フランスもユダヤ人迫害に、結局荷担していたんだ!知らなかった・・
ベルギーもオランダも、イタリアも・・荷担していたけれど、フランスも・・そして、全てはドイツが悪いと宣伝していたのか・・これで、私が見た、体験した。フランス警官達のアフリカ難民に対する、強圧的・横暴な態度が理解できる。それらは、人権国家のイメージとは、全く異なるものであった。

兎に角、欧米の白人優位主義に、ソロソロ、終わりにする為の刷り込み映画のように見える。東京裁判では日本人に対する、一方的な戦争犯罪裁判であった。これにより、日本人は世界に侵略をしたとイメージ付けられた。


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