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「革命」支援:エジプト民主化と米国/4 弾圧を黙認した米
http://mainichi.jp/select/world/news/20111205ddm007030140000c.html
「エジプトには改革を推進できる勢力がある。NGO(非政府組織)だ」。米国の援助機関「国際開発庁(USAID)」は02年、民主化の推進役としてエジプト国内のNGOに着目する方針を公文書に明記した。
USAIDの民主化支援は99年から存在したが、ブッシュ政権の中東民主化構想の下、エジプトのNGOに対する支援は増額され、04会計年度(03年10月〜04年9月)には前年度の2倍の2900万ドルが供与された。
さらに04年12月、米国で重要な法改正があった。それまでの法律はムバラク政権との関係に配慮し、米政府は「エジプト政府に認可されたNGOのみ支援できる」と定めていたが、改正法は、エジプト政府の認可を得ていないNGOへの支援も認めた。改正により米資金はムバラク政権の意向に関係なくNGOに行き渡り始めた。
NGOが勢いづく中、シェリフ・マンソール氏は05年3月、米シンクタンクの招待で1週間、初めて渡米した。「議会、司法、メディア、市民が権力を監視する社会に感銘し、エジプトにも定着させたいと思った」(マンソール氏)。エジプトでは05年9月に大統領選、11、12月に人民議会(国会)選挙が控えていた。長年、不正選挙が続いてきたのは国民の「常識」だ。
ムバラク政権が海外の選挙監視団の受け入れを拒否する中、「イブン・ハルドゥーン開発学センター」のイブラヒム所長は大統領選への立候補を取りやめ、NGOによる監視団を組織した。米国訪問で「権力を監視すること」の重要性を認識したマンソール氏は監視団の実務を担った。
ムバラク大統領は5選を果たしたが、人民議会選ではイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が改選前の約6倍の88議席を獲得し、独裁体制は揺らぎ始めたかに見えた。
だが、選挙の後、NGOは次々と閉鎖に追い込まれた。06年1月、エジプトと隣接するガザ地区を含むパレスチナ自治区の評議会(国会に相当)選挙でイスラム原理主義組織「ハマス」が圧勝すると、ムバラク政権の弾圧は激しさを増した。
マンソール氏は言う。「米国は弾圧を黙認した。中東の民主化を促進した結果、反米勢力が台頭したことに困惑していたのだ」。「米国の国益のための民主化」から脱却するためマンソール氏は行動を開始する。【ワシントン白戸圭一】=つづく
毎日新聞 2011年12月5日 東京朝刊
エジプト:人民議会選・第1回投票の開票結果発表
「革命」支援:エジプト民主化と米国/3 「9・11」後、関係に亀裂
ユネスコ:資金不足で募金キャンペーンも
米財務長官:欧州訪問へ 債務危機対応策で
「革命」支援:エジプト民主化と米国/2 独裁への二重基準
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