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20111207Associated Press (http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_357462)
真珠湾攻撃に関して最も驚嘆すべき側面とは、米国が日本の暗号をすでに解読し、日本の通信を傍受していたことだった。アメリカは、海軍を中心に、暗号解読・言語専門家を数百人擁し、日本の無線通信を傍受していた。しかし、それだけでは不十分だった。
「我々はわかっていた。12月7日の日曜日、ワシントン時間の正午頃に何かが起こるということを」――2年前、私が出席したニューヨーク市での講演で、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官はこう述べた。「問題は、ワシントンの正午がハワイの午前7時頃だということを誰も認識していなかったことだ」
つまり、当時の米国は、日本との戦時体制下にあり、日本が両国関係に影響を及ぼす大規模な事件を7日に計画しているとの情報を通信傍受から知ったにもかかわらず、太平洋最大の海軍施設、真珠湾への攻撃を予想すらせず、防衛策も取らなかった。
これは、既成概念に捉われたことによる失敗だった。アメリカは、日本が劣った国で、そのような攻撃に出ることは不可能だと強く確信していた。真珠湾攻撃では、米戦艦8隻、巡洋艦3隻、駆逐艦3隻が損傷を受けたか沈没。188の戦闘機が(ほとんど応戦する間もなく)破壊され、2402名の米国人が犠牲となった。これらはすべて、わずか90分で353機の日本の小型機が成し遂げた。
当時から遡ること20年、ビリー・ミッチェル少将は、海軍艦隊の空からの攻撃に対するぜい弱性をバージニア沖で証明した。1921年7月、ミッチェル率いる飛行隊は、ドイツから接収された余剰駆逐艦1隻、軽巡洋艦1隻および戦艦「オストフリースラント」を招待者数百人の眼前で撃沈した。
招待者のなかには、大日本帝国海軍の軍人で日本の外交団随員、永野修身氏が含まれていた。この演習の意味を永野氏は明白に理解した。しかし、第一次世界大戦後の米国は軍拡ムードには包まれておらず、孤立主義が国全体を覆い尽くしていた。
今日の米軍がベトナム戦争の経験を糧としたように、真珠湾の教訓は1960年代まで米軍に生かされた。真珠湾攻撃から数カ月が経った1942年、カーチス・ルメイ大佐(当時)は、訓練不足の軍隊の実戦配備を余儀なくされ、数百人が犠牲となった。彼は米国が同じ過ちを繰り返すことは避けたいと考え、冷戦の初期段階に、米核戦力の柱となる戦略空軍(SAC)の構築に尽力した。
第二次大戦当時の米国は1941年12月時点で不足していた陸海空の戦力を2年の歳月をかけて再構築したが、ルメイ大佐は、核戦争の時代にそのような時間的余裕がないことを理解していた。彼は、最初の任務を唯一の任務と考える必要性を兵士にたたき込み、常に臨戦態勢を取るよう教育した。その効果もあったせいか、米ソ間の核の応酬は一度もなかった。
真珠湾から70年を経た今、米国は、第二次大戦前とかなり似た状況にある。
軍事費の削減をはじめ、海外からの部隊引き揚げ、米軍の海外駐留の縮小に向けてかなりの努力が行われている。それは、この国の危機的な財政状況が一因だ。しかし、核にこだわるイラン、新興勢力の中国とロシア、その他の「ならず者」の小国など、警戒とこれまで以上の積極防衛を正当化する脅威としては、もう十分だ。これに加え、アフガニスタンとイラクでの2つの長引く戦争による疲労もある。
2週間前、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)の番組「All Things Considered」で、米大統領選の共和党候補の指名を争う1人、ニュート・ギングリッチ氏が、米国に対する「EMP(electro-magnetic-pulse=電磁パルス)」攻撃について懸念を示したことが取り上げられていた。EMPとは、米国上空の大気圏で核兵器を爆発させることにより出るとみられる強力な電気の衝撃波のことだ。そのような衝撃波は、米国の各都市で電力網を破壊し、交通をまひさせ、下水の氾濫を招き、食料と水の供給を遮断する可能性がある――つまり我々の生活は250年前に逆戻りする。
同番組のゲスト、ワイヤード誌記者のノア・シャクトマン氏は、ギングリッチ氏の見方に対して懐疑的だった。シャクトマン氏は、ギングリッチ氏を「不安をあおるプロフェッショナルなEMP集団の創立メンバー」と呼び、イランや北朝鮮などの国が米国に対する激怒のあまりそのような行為に実際に及ぶことは考えにくいと述べた。
懐疑派は正しいかもしれない。しかし、これと同じように、懐疑派は70年前、日本が米国に挑むような愚行に出るだろうかと考えていた――それはもちろん、真珠湾攻撃によって否定されたのだ。
米国は、真珠湾やイラン、北朝鮮など、予想外の事態に備えるべきだ!!
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