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11月 25, 2011
(ジュネーブ)−クラスター爆弾の全面禁止を空洞化せんとする米国政府などの試みは失敗に終わった、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。クラスター爆弾を使用・保有している米国その他の国々が、1980年発効の特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の新議定書成立に向け尽力していたが、ジュネーブで11月25日、50カ国以上がその採択にコンセンサスがないとし、廃案となった。
2008年発効のクラスター爆弾禁止条約は、クラスター爆弾のあらゆる使用・製造・保有・取引を全面的に禁止。これに対する対抗策としての議定書案が起草され、過去4年にわたって議論、交渉されてきた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの武器局長で、クラスター兵器連合(CMC)議長のスティーブ・グースは、「議定書案は、クラスター爆弾の使用を増大させ、紛争下の一般市民に重大な脅威をもたらす可能性があった」と指摘。「これほど多くの国々が、他の利害よりも人道的配慮を優先させ、軍事大国の圧力に抵抗したことは、画期的で喜ばしい。」
ここ数十年間にわたりクラスター爆弾の大量使用・製造・保有国だった英国やドイツ、フランス、オランダなどを含む111カ国が、クラスター爆弾禁止条約に署名、または同条約を批准した。北大西洋条約機構(NATO)内では、28カ国のうち20カ国が締約国となっている。
米国、ロシア、中国、インド、イスラエルなどの数か国が、1980年以前製造のクラスター爆弾は禁止とするものの、それ以外の全クラスター爆弾使用に関して、一定程度合法化しようと試みた。これにより使用可能となるクラスター爆弾は数億発(あるいは数十億発)もの子弾を内包しており、貯蔵されている何百万発ものクラスター爆弾の大半を占める。こうした型のクラスター爆弾が、ここ10年間にアフガニスタン、イラク、レバノン、グルジアの紛争で一般市民にもたらしてきた重大な危害については、すでにヒューマン・ライツ・ウォッチや他の団体が十分に調査し、立証している。こうしてクラスター爆弾は2008年に、クラスター爆弾禁止条約で全面的に禁止されたのだ。
ノルウェー、オーストリア、メキシコ他およそ50カ国といくつかの国連機関(特に国連開発計画)、国際赤十字委員会、そして、ヒューマン・ライツ・ウォッチ率いるクラスター兵器連合(CMC)が力をあわせ、この新しいCCW議定書の成立阻止に向けて共闘した。新議定書がもたらすであろう人道的な危害を浮き彫りにすることに加えて、この連合体が強く指摘したのは、新議定書が国際人道法の後退を意味するということだった。同時に、発効済みの条約に対し、より弱体化した内容の条約を対抗させ、それに各国が合意するというようなことは前例がなく、悪しき先例ができるおそれがあった。
前出の武器局長グースは、「一般市民の保護を重視する人びとにとって最高の日となった」と述べる。「新議定書は、これまで多大な人的被害をもたらしてきた兵器を使い続けたい人びとに、政治的かつ法的な口実を与えてしまうところだったのだから。」
http://www.hrw.org/ja/news/2011/11/25
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