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【11月1日 AFP】リビアの最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)氏は、不安と悲観の中で、国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)で裁かれるよりもリビアで死にたいと話していたと、カダフィ氏の元側近の1人が語った。
■ICC逮捕状発行で「国内での死」決意
ICCは6月、人道に対する罪の容疑でカダフィ氏と次男セイフイスラム(Seif al-Islam Kadhafi)氏、義理の弟で情報機関トップのアブドラ・サヌーシ(Abdullah al-Senussi)氏の逮捕状を発行した。
リビアの内務治安当局局長だったマンスール・ダオ(Mansur Daou)氏によれば、ICCが逮捕状を発行したことで、カダフィ氏は国際裁判に全面抵抗する決意を固めたという。ダオ氏は現在、ミスラタ(Misrata)の拘束施設で拘束されている。ダオ氏はAFPのインタビューに応じた。
「カダフィ氏と息子は逮捕状発行後、リビアに残ることを決めた。カダフィ氏は『裁判になって(ICC主任検察官の)モレノオカンポ(Luis Moreno-Ocampo)に裁かれるくらいならリビアで死ぬことを選ぶ』と話していた」(マンスール・ダオ氏)
「セイフイスラム氏と弟のムタシム(Mutassim Kadhafi)氏は、カダフィ氏にリビアに残って欲しいと考えていた。特にセイフイスラム氏がね。だが、サヌーシ氏は、カダフィ氏に国を出るように勧めていた」
■ミスラタ陥落、西側の友人の離反
8月19日、リビアの反カダフィ勢力の連合体「国民評議会(National Transitional Council、NTC)」の戦闘員らが首都トリポリ(Tripoli)郊外に到達した。カダフィ氏は支援者が多い故郷シルト(Sirte)へ逃れた。首都トリポリはその2日後に陥落した。
「カダフィ氏は、(4月25日に)ミスラタから自分の軍が撤退させられたときに、終わりを察した」と、ダオ氏は語る。「それからどんどん気弱になっていった」
さらにカダフィ氏は、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領やイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相、英国のトニー・ブレア(Tony Blair)元首相といった「友人たちに見捨てられたために、さらに追い詰められた」という。
「カダフィ氏は彼らのことを親しい友人だと考えていた。だから相当こたえたようだ」
■狭まる包囲網に高まる不安、潜伏中は読書
地中海沿岸のシルトに逃れたカダフィ氏は、当初ホテル暮らしをしていた。だがNTC部隊がシルト郊外を包囲した9月中ごろからはホテルを出て、安全のために毎晩寝床を変えた。爆撃が市に降りかかる中、カダフィ氏の食料は底を尽き始めた。電力と水道が止まる中、戦闘が激化した。
「カダフィ氏は落ち込み、とても不安そうだった。彼のそのような姿は、とてもめずらしかった」
後に死亡した息子のムタシム氏が戦闘を指揮した。今も逃亡を続けるセイフイスラム氏はシルトに足を踏み入れず、8月27日以降、もう一方のカダフィ派拠点だったバニワリド(Bani Walid)に潜伏した。
バニワリドはシルト陥落の直前に陥落したが、「それ以降、セイフイスラム氏を見ていない」と、ダオ氏は語った。
潜伏中、カダフィ氏はよく読書をしていたという。戦闘行為はしなかった、とダオ氏は振り返る。
「カダフィ氏は読書してメモをとり、眠っていた。一方、ムタシム氏は戦闘員たちを指揮していた。カダフィ氏は戦わなかった。年をとりすぎていたのだ」
■遅れた逃走計画
10月19日、状況は絶望的だった。シルトの第2地区にある最後の広場が、NTCと北大西洋条約機構(NATO)の猛攻撃を受けたのだ。カダフィ氏と残った部下たちは、南のワディジャレフ(Wadi Jaref)に向かって逃げることを決めた。
「あれは、大変な間違いだった。ムタシム氏の発案だった。およそ160〜180人の部下と車両45台が残っており、部下の一部は負傷していた。午前3時ごろに出発する計画だったが、ムタシム氏の集めた志願兵たちがちゃんと組織化されていなかったせいで、3〜4時間出発が遅れた」
車列へのNATOの空爆を受けて排水溝に隠れたカダフィ氏は、NTCの戦闘員に引きずり出され、後に死亡した。
携帯電話で撮影された動画ではカダフィ氏が引きずりだされたときにまだ生きていたことから、カダフィ氏がいつ、どのようにして死んだのかをめぐって国際社会に動揺が広がった。NTC指導部は、NTC側とカダフィ派との「交戦」に巻き込まれてカダフィ氏が頭部に銃弾を受けて死亡したと発表している。(c)AFP/Marc Bastian
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