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「新生リビアにイスラム法導入」、NTC議長発言に懸念も  AFP
http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/286.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 10 月 26 日 12:42:25: mY9T/8MdR98ug
 

リビア東部ベンガジ(Benghazi)で記者会見する「国民評議会(National Transitional Council、NTC)」のムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長(2011年10月24日撮影)。(c)AFP/ABDULLAH DOMA


【10月25日 AFP】リビアの最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の死亡をうけて全土の「解放」を宣言した反カダフィ派「国民評議会(National Transitional Council、NTC)」は、シャリア(イスラム法)を基本として新生リビアの法律を整備していく方針を示した。イスラム教主義者たちは穏健な姿勢をとると話しているが、女性を中心に懸念も広まっている。

 国民評議会のムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長は23日、東部ベンガジ(Benghazi)で行ったリビア解放を宣言した中で、シャリアが法律の基本になると言明した。「シャリアに反する法律は全て無効だ」と語った。また、違法となる法律の一例として、42年続いたカダフィ体制下でイスラム教では認められている一夫多妻を禁じる法律をあげた。

 アブドルジャリル氏が、安全保障や教育などの重要課題より先にシャリアの役割について語ったことは、歴史的な演説に耳を傾けていた多くのリビア人を驚かせた。

 同じ演説でアブドルジャリル氏は、シャリアと並行してリビアにイスラム金融を導入すると発表した。イスラム金融では、金利を得ることを反道徳的とみなして禁じている。

■国内外から懸念の声

 これに対し、前週発足したばかりの中道右派「国家連帯党(Party of National Solidarity)」創設者の1人は、NTCの指導部が新生国家の政策について語るのは時期尚早だと批判した。

 欧米もアブドルジャリル氏のコメントに直ちに反応した。欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表は24日、シャリアの導入に際しては人権と民主主義の原則を尊重せねばならないと述べた。

■リビア、穏健なイスラム教国に?

 しかし、カダフィ政権で司法書記(法相)を務めていたにもかかわらずカダフィ大佐と袂(たもと)を分かったアブドルジャリル氏は敬虔(けいけん)なイスラム神秘主義者(スーフィー、Sufi)で、過激主義とは相いれない人物だとみなされている。

 新生リビアが過激思想を取り入れることはないと述べていたアブドルジャリル氏は23日も、リビア人は穏健なイスラム教徒だと語り、国際社会の不安を拭い去ろうとした。

 それでも、リビア国内の政界でイスラム勢力が台頭し始めているのは確かだ。そのなかで重要な位置を占めるとみられる1人が、リビア・イスラム戦闘集団(Libyan Islamic Fighting Group、LIFG)の創設者、アブドルハキーム・ベルハジ(Abdelhakim Belhaj)氏だ。LIFGはすでに解体しているが、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との関連が取りざたされていた組織だ。

 カダフィ政権下で数十年にわたって迫害されてきたイスラム勢力は、寛容かつ民主主義的な価値観と政策の擁護者としてのイメージを売り込もうとしている。

 1980年代にトリポリ(Tripoli)の悪名高いアブサリム(Abu Salim)刑務所に8年間投獄されたことがあるベルハジ氏は、自由、公正、平等、人間の尊厳の尊重とならび、暴力によらない政権交代も新しい憲法で保障すべきだと述べ、「われわれは報道の自由や表現の自由も信じているし、われわれの宗教はこういった一連の権利に適合すると信じている」と付け加えた。(c)AFP/Simon Martelli


http://www.afpbb.com/article/politics/2837417/7985383
 

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コメント
 
01. 2011年10月26日 23:42:54: 8Ctl7qwhbE
敬虔だろうと穏健だろうと、イスラムというだけで
当該社会には悲劇的な影響しかもたらしません。

02. 2011年10月28日 12:56:31: l1NPjWZAfD
イスラム勢力という括りでイスラム(原理主義勢力)という見方は大間違い。穏健派から過激な路線に走る者まで多種多様にいる。
カダフィーが牢にぶち込んでいたのは後者である。というか過激なイスラム急進派はどこの国でも監視、取締りの対象である。
今回の反カダフィー勢力に過激なイスラム急進派がいて煽っていたことは当初から報告されていた。
ところで記事中にこのような文書があった。

「イスラム教主義者たちは穏健な姿勢をとると話しているが、女性を中心に懸念も広まっている。」

カダフィー体制下で女性の権利が大幅に認められていたことの証左だろう。
世俗主義政策を採ったイスラム流社会主義の国、フセイン政権下のイラクもそうだったし70年代のアフガニスタンの首都、カブールでもヘジャブを被らずスカート姿の女性が闊歩している映像があるように、近代主義とイスラムは対になって反目しあう。
双方をうまく繋げるためにはある程度の独裁はやむをえない。良い悪いの問題でなくイスラムの抱える近代主義との折り合いの悪さを克服するための施策。
記事中のアブドルジャリルはやや復古主義的なイスラム教徒のようだ。
ベルバジは要注意人物。イラクでもSCRIといわれたイランのコムでシーア派の薫陶を受けてきた連中もフセイン体制が崩壊した当初、ベルバジのような口ざわりのいいこことを言っていたが、政権に食い込むとバグダッドのスンニ派住民を次々とテロや拘束で狩りのように追い立てて殺し始める。
おかげでバグダッドのスンニ派とシーア派の対立が決定的になり、ますますスンニ派がシーア派住民を護るという名目でSCRIの虐殺の標的になった。
フセイン政権下ではスンニとシーアの宗派を超えた婚姻や縁戚は珍しくなく、とくにバグダッドや南部のバスラのようなシーア派が大多数を越える大都市でも普通に共存していたのであるが、フセイン体制が崩壊するとそれらのコミュニティーは宗派主義の波に呑みこまれ対立だけが浮かび上がった。
リビアでもこうした対立が懸念されるのは至極当然のことである。


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