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手足が縛られた状態で殺害されたカダフィ派の兵士
シルト奪還でカダフィ派など大量処刑か―リビア和解に暗雲
2011年 10月 25日 12:33 JST
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_330939
【トリポリ(リビア)】20日死亡したリビアの元最高指導者カダフィ大佐の故郷であるシルト奪還の戦いで、兵士たちが無数の違法な処刑やその他の残虐行為に関わったことを示す新たな証拠が出てきた。これにより、リビア革命の最後の瞬間をめぐり新たな疑問が生じているほか、国民和解に難題が突きつけられた。
シルトの住民や医療関係者によると、彼らはカダフィ派と反体制派双方の兵士数十体の遺体の確認作業を行ったが、遺体は手を縛られており、後頭部を銃撃されて死亡したとみられるという。
住民や医療関係者によると、こういった遺体は、シルトの街中に放置されたり、病院の遺体安置所に置かれていた身元不明の遺体数百体の一部にすぎないという。
こうした残虐行為の報告は、20日のカダフィ大佐の死亡経緯で巻き起こっている論争に続くものだ。カダフィ大佐はシルトで生きたまま拘束されたが、ミスラタから来た兵士らに拘禁されている間に死亡した。これら兵士らはシルト陥落のための軍事作戦の先頭に立っていた。
反カダフィ派の国民評議会(NTC)のアブドルジャリル議長は24日、カダフィ大佐の死亡について徹底的な調査を命じたことを明らかにした。
カダフィ大佐の最期に関する司法上の問題を気にかけるリビア人はほとんどいない。しかしシルトでのその他の殺害や残虐行為の詳細が明らかになったのを受けて、同国の民主化移行に悪影響が及ぶ恐れがある。
NTC内では、拡大した暫定政権の樹立に向けた政治的な交渉が行われている。拡大暫定政権には全ての政治的な分派メンバーや、カダフィ派の最後の拠点だったシルトやバニワリドを含むリビアの全地域の代表が含まれる予定だ。アブドルジャリル議長によると、交渉は2週間から1カ月かかる可能性があるという。
シルトとバニワリドはカダフィ政権時代に特別の恩恵を受けた都市で、こうした2都市の代表も交渉に含めるとの見通しに困惑するリビア人も少なくない。他方で、2都市の住民の中には、新政権の下で自分たちが平等な扱いを受けられるか疑問視する向きもいる。
シルトの戦いの最終段階に関する新たな詳細は、まだ明らかになりつつある段階だ。人権擁護団体や住民によると、市内では大量殺害があったとみられる場所が少なくとも2カ所見つかっており、そこからは少なくとも63体の遺体が収容された。
シルトでは23日、第2地区と呼ばれる地域のホテルの外の芝生の上に53体の遺体が集められているのが発見された。そこでは10月20日に戦いの最終段階を迎えていた。
これらの遺体を見た3人の関係者によると、遺体の多くには、手を縛られた状態で処刑されたことを示す兆候があるという。
ニューヨークを本拠とする人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」によると、住民たちは、これらの遺体の多くはカダフィ派の人々だと指摘しており、中にはカダフィ政権の元閣僚やシルトの軍将校も含まれているという。HRWは残虐行為の疑いについて調査を行ったり、遺体を収容する医療関係者に事情聴取したりしている。HRWは遺体の損傷具合から判断して、早くて10月14日にも大量殺害が行われた可能性があるとしている。
記者: Margaret Coker
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