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ロシア軍が極東を舞台に大規模演習を始め、日本周辺でかつてない活発な動きを見せている。玄葉光一郎外相は「刺激的行動」としてロシアに自制を求めた。
ロシア側は「国際法上問題ない」としているが、いたずらに隣国に軍事的緊張を強いる行動は慎むべきだ。北方領土問題を抱える日ロ関係をさらに複雑化させる恐れもある。
さまざまな機会を捉え、日本側の懸念をロシア側に伝えてゆきたい。
ただ過度な反発を示して両国関係をこじらせるのは得策ではない。冷静な姿勢を保つことが必要だ。
ロシアは先週、北海道北東沖のオホーツク海上空に訓練空域を設定した。近いところは北海道から数十キロしかなく、藤村修官房長官は記者会見で「これだけ近くというのは異例」との見方を示した。
この同じ日、ロシアの爆撃機2機が日本周辺空域を1周したのが確認され、領空を侵犯する恐れがあるとして航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)する場面もあった。
領空侵犯はなかったものの、日本列島に沿うように周回した飛行は、日本への挑発ととられてもおかしくない行動だったと言えよう。
この後には多数のロシアの海軍艦艇がサハリンと北海道との間の宗谷海峡を通過した。戦略核を搭載できる最新鋭の原子力潜水艦を極東に配備する計画も伝えられ、ロシア軍の動きは今後も続きそうだ。
ロシア側の狙いについて、専門家や政府関係者は▽日本の警戒監視体制のチェック▽軍事力増強を進める中国や、日本を意識した存在感の誇示▽来春のロシア大統領選などに向け国内保守票を獲得するための軍事力強化−などを指摘している。
最近、ロシアと中国の軍用機に対する自衛隊機のスクランブルが急増しており、中ロ両国がけん制しあっている側面もあるようだ。
冷戦終結、そして旧ソ連崩壊の後、四島駐留ロシア軍の削減などが進み、日本周辺での軍事的緊張は低減する傾向も出ていたが、それが逆戻りしかねない状況である。そうした事態は避けなければならない。
また民主党政権の混乱などから日本の「外交不在」が指摘されている。そのために日本周辺空域が中ロ両国の軍事力誇示の場となっているとしたら問題だ。政府は外交の立て直しを急ぐ必要がある。
東日本大震災を機にロシアが日本に提案していたエネルギー支援についての日ロの本格協議がこの夏、始まり、冷却化していた両国関係を改善する糸口が見えかけていた。
懸案の領土問題の解決のためにも、日ロ両国が静かに対話を続ける雰囲気づくりが重要である。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/318863.html
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