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本澤二郎の「日本の風景」(973)
2012年1月30日 :{「ジャーナリスト同盟」通信}
<政府の隠ぺい体質極まれり>
「民は依らしむべし知らしむべからず」とは論語の“名句”で知られる。官尊民卑は依然として国際社会でも通用しているようだ。特に日本政治では、これが特徴的である。民意に反するような政権の暴走の背景だ。彼らは、事をなすにあたって、嘘をついて隠すことに長けている。近代国家の体をなしていない。
透明性と公開という近代を理解できないのだろう。日本国憲法の魂が入っていない。まるで民主主義の真髄を排除しているかのようである。こうした正論を、したり顔で口にする知識人は多い。筆者を含めてだが、ほとんどが犬の遠吠えに終始している。民は声を上げる義務がある。
第五福竜丸の乗組員ではないが、この半世紀の間、日本は前進していないのである。だからであろう21世紀日本のお上は、都合の悪いことはなんでも平然と隠してしまう。あるいは歴史から真実を抹殺してしまう。
<史上最悪の震災議議事録なし?>
菅内閣は3・11の不適切すぎる不手際によって政権を投げ出した。彼の“市民派”の看板は本物ではなかったのだが、特に日本の歴史上最悪の東日本大震災において大失態が明らかになって、国民に衝撃を与えている。
閣内に設置された原子力災害対策本部など10の重要会議の議事録を作成していなかった。“公共放送”のNHKが公表した。本当だろうか。にわかにこの報道を信じられようか。
3・11後の日本の運命を左右したこれらの重要会議は、彼らの大好きな料亭での密会ではない。事務方の役人が録音・メモを取っている。首相以下の発言は記録されているはずだ。それでいて議事録がない?作成する義務が2009年6月の公文書管理法で決まっている。
3・11以後の重大決定の録音やメモは必ずある。しかし、それを公表したくない菅内閣だったという当事者の思いはわかる。表面化すれば政治問題になるし、場合によっては重大な責任問題に発展するだろう。目下の政府向けの原因調査にも影響が出る。いっそのこと「作成するな」と官邸の主が厳命した可能性もある。あるいは東電救済のために発足した現政権が蓋をかけた可能性も否定できない。当時の首相・官房長官と担当役人を証人喚問すれば、真相は明らかになろう。
あわてて事後作成を岡田副総理が指示したというが、ありきたりの報告書で片付けようというのであろう。重大な背信行為である。真相追及を与野党に求めたい。選挙制度云々よりもはるかに重要な事件なのである。断じて慣れ合いは許されない。ことは史上空前の原発事件の政府の対応である。21世紀日本と国際社会の、もっとも重要な歴史文書・遺産でもある。
録音・メモを詳細に記録しなければならない。断じて隠ぺい・嘘の記述は許されない。議会と政府の民主的レベルを問うものなのだ。それを明らかにするジャーナリズムでなければ、もはや日本は闇社会といえよう。
<靖国戦犯合祀は1953年から政府主導判明>
新聞を読んでいない筆者のために友人が1月23日付の朝日新聞のコピーを持ち込んできた。珍しく朝日新聞の特ダネである。隣国政府やアジアの人たちの怒りの対象となって久しい靖国神社へのA級戦犯の合祀の内幕を、当時の内部資料によって明らかとなった。
松下政経塾の野田のような一部極右の面々を除いてA級戦犯は、戦争犯罪人である。戦勝国による国際法廷で裁かれたものである。保守的な自民党議員にも「彼らは戦争犯罪人でない」という超国家主義的な声を聞いたことが無い。
その彼ら戦争犯罪人が、天皇のために亡くなった“英霊”として靖国神社に合祀されている。犯人は誰なのか。天皇でさえ靖国を参拝しなくなった。神社側が強引に合祀したもの、そのことに政府も議会も司法も関与できない、というような筋書きで、これまで押し通してきたようだ。
問題を宗教にすり替えることで隣国や国際社会からの批判をかわしてきたといっていい。その嘘と隠ぺいを旧厚生省の1953年作成の内部資料で判明した。
戦後の旧厚生省は戦前の内務官僚のたまり場となった役所で知られる。朝日新聞は「旧厚生省引揚援護庁に移った陸海軍出身幹部らが作成した戦争裁判参考資料・法務関係業務処理要綱54年度分に記されていた」と報じた。
「51年9月のサンフランシスコ平和条約締結直後に検討に入り、52年度分から54年度分まで毎年作っていた。国立公文書館が保管していた」のである。
彼ら旧軍の官僚たちは、手にした実権でまずは地方の護国神社に祀らせる。そして「最終的に靖国神社への合祀を目標」とした。世論の動向を見て無理なく完結させたのだ。巧妙に密かに合祀して、以来そっぽを向いて「神社が勝手にやったことだ」とうそぶいてきたのである。
これに議会も司法も正義を貫けなかった。官僚政治の恐ろしい一面なのだ。真実が判明した以上、隣国も沈黙出来なくなった。為政者の靖国参拝は憲法が禁じている。
国民を欺き、隣国と国際社会を嘘と隠ぺいで手玉に取る。これでは信頼する外交は生まれない。インターネット世界では真実を語り、国民と国際社会に謝罪し、憲法遵守を誓うしか方法はないだろう。
<野田は金集めに必死?>
A級戦犯は戦争犯罪人ではない、と豪語する野田の狸は、このところ夜の会合で忙しい。相手は名だたる1%富豪の面々ばかりだ。
正月明けの7日に牛尾治郎ウシオ電機会長、15日には御手洗富士夫キャノン会長、中村邦夫パナソニック会長である。18日には米倉弘昌経団連会長、21日に張富士夫トヨタ自動車会長といった具合である。
松下政経塾内閣は財界・財閥の傀儡政権である。それゆえに世論に配慮するものである。しかし、もはやその余裕が無くなってきている。選挙だ。先立つものは金である。
こうした手口は正に従来の自民党と変わらない。しかし、頻度がすごい。金で天下を取った政経塾は、金で総選挙を勝ち抜こうというのであろう。
アメリカでも1%富豪に市民・学生が決起している。オバマも富裕層への課税を公約した。東京は相変わらず1%富豪の金で勝負しようというのである。
「消費税とTPPを断行するので支援を」と金くれ作戦なのだ。
昨日の政府与党3役会議では、社会保障制度の全体像は隠すという予想外の決定をした。これの議事録はあるのか、と問い詰められた樽床幹事長代理はコメントできなかった。
政府与党の政策決定の最高機関も議事録作成に蓋をかけている。公約した情報公開を果たす考えはない。主権者を愚民扱いしている。
元記事リンク:http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51962408.html
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