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●「財務省増税シナリオの前提のウソ」(EJ第3220号)
2012年01月18日 :{Electronic Journal}
野田内閣は、岡田克也氏を副総理・一体改革・行政改革担当に迎えて、消費増税推進体制を築いたつもりでいます。ところで、この時期に消費税を大幅に上げるという狂気のシナリオを書いたのは間違いなく財務省です。
実はこの岡田副総理・一体改革・行政改革担当の人事案を進言したのは、勝栄二郎財務事務次官であると思われます。つまり、財務省は、岡田氏をポスト野田と想定しているのです。もし、野田首相でうまくいかないときは、岡田総理で実現させることを考えているものと思われます。自分たち(官僚組織)の利益のみを考えて、国民を不幸にする「悪いやつら」です。この仲間には日銀も入っていることを強調しておきます。
しかし、この財務省のシナリオには、次の2つの前提条件があるのです。
1.日本の政府負債残高は対GDP比で2倍もあり、このままでは財政は破綻する
2.日本の名目GDPは成熟国家であるがゆえにもはや0%程度しか成長できない
財務省は、経済成長によって財政が安定する国家というものを目指しておらず、あくまで消費税を世界の先進国並みに引き上げて、国民が不幸に陥る重税国家を理想としているようなのです。
しかし、このシナリオの前提は2つとも間違っています。以下これについて考えていくことにします。
今回は第1の前提に絞って考えます。
確かに政府負債残高が対GDP比で2倍になっていることは事実です。しかし、政府負債に積み上げられている負債にはきちんとした対応資産のある建設国債をはじめ、負債から外してもよいものも入っています。どれを負債とするかについては、国の判断で決めており、日本の財務省は借金を大きく見せるため、あらゆる負債を全部負債残高として積み上げています。
これについては、本テーマの8回目と9回目で詳細に述べているので、ご一読願いたいと思います。
もうひとつあります。政府負債残高はグロス(粗債務)ではなく、グロスから資産を差し引くネット(純債務)で見るのがOECD各国の常識であるのに、日本ではグロスで比較しています。
これについて、既出の高橋洋一氏は、自著で次のように指摘しているのです。
債務をバランスシートで包括的に、かつネットで見ると、ネット債務額は、これまで政府がいってきた数字よりはるかに小さい。私のような見方は、政府のいうグロス(総額)の数字を鵜呑みにしてきた人にとって都合悪いのか、国が保有する資産はすぐには売れないので間違っているなどと、いろいろケチをつけられる。しかし、本当に国が破綻するとなったらどうだろうか。国の資産のうち大半は金融資産であり、しかも役人の天下り先である特殊法人等の、つまり国の子会社である。民間の場合、親会社が破綻となったら、子会社は売却するなり処分される。民間が国に変わっても、破綻となれば、特殊法人等が売却されるのは当然の話だ。実際に売却できなくても、国の国債とのスワップもあるだろう。と考えれば、ネット債務額が実質的な債務額と見るのが、やはりグローバル・スタンダードだ。日本でグロスの債務残高の数字が大きいのは、グロスの資産が大きいことの裏返しだ。具体的には資産の大半は特殊法人等への資金提供である。
──高橋洋一著
『財務省の隠す650兆円の国民資産』/講談社刊
このように、財務省が作ったシナリオはその前提条件自体が間違っているのです。したがって、政府負債残高は対GDP比で2倍あるというのは、グロスの数値であって、必ずしもそれは危機を意味していないのです。しかし、メディアは財務省の圧力に屈して財務省のシナリオ通りの報道しかしないのです。
現在、財務省から狙い撃ちされているのは、テレ朝の報道番組のキャスターになった古賀茂明氏と嘉悦大学教授の高橋洋一氏なのです。その言論封殺の指揮をとっているとされるのは、増税の総本山である財務省の香川俊介官房長です。
これについて『週刊ポスト』(1.27)は次のように書いています。
最初に標的にされたのが、政府の原発事故処理や公務員宿舎問題を厳しく批判し、「増税こそがギリシャヘの道」と消費増税に反対論を展開する元経産官僚の古賀茂明氏だった。古賀氏は最近になって、香川官房長が某テレビ局幹部に電話を入れ「古賀を出演させているような局にうちの(安住淳)大臣は出せない」と圧力をかけたことを明らかにした。財務省現職幹部による言論封殺行為という大スキャンダルが当事者の口から明らかになったのである。当然、言論機関は報道の自由を守るために真相究明に動き、事実が裏付けられた段階で政府に処分を求めるべきだが、新聞・テレビは古賀証言を黙殺し続けている。
──『週刊ポスト』1.27より
12月4日付の全国紙と地方紙71紙に政府は増税キャンペーンの全面広告を出していますが、これは、財務省の新聞各社に対する現金給付(3億円)なのです。
── [財務省の正体/46]
≪画像および関連情報≫
●メディアに露骨に圧力をかける財務省
昨年末、高橋洋一氏は、民放テレビの討論番組で、増税派の財務省OBらと「国家経済破綻」をテーマに議論を戦わせたが、オンエアを見て驚いた。「収録で私が増税派の人たちに『では何年後に財政破綻すると思うか』と尋ねると『3年』だという。しかし、実は、市場では日本国債のリスクをはかるCDS金利は1・3%と低い。世界の金融のプロは日本の財政状況は数10年に1回の低い確率でしか破綻しないと見ている。ギリシャのCDS金利は60%以上だから全く評価が違うわけです。もし、本当に日本が短期間で財政破綻するというなら、政府が自らCDSを買えば大儲けできる。そのことを指摘すると彼らは誰も反論できなかった。また、震災復興などの財源は増税ではなく、国債の日銀引き受けで十分できる。私が小泉・安倍政権で官邸にいた時は、実際にそうやったと指摘して増税論を論破したが、その議論はほとんどカットされていました」(高橋氏)その裏には何があるか。 別の民放テレビのディレクターが明かす。「高橋氏や古賀氏を番組に出すのは勇気がいる。財務省に睨まれて『あの発言の根拠は何か』と抗議が来るからだ。局の上層部はそれが怖いから、せっかく出演してもらっても収録後に発言やデータをチェックし、財務省の心証が悪くなりそうな部分はカットして自主規制する傾向にある」。言論機関の自殺である。
──『週刊ポスト』1.27より
財務省がマークする古賀 茂明氏
元記事リンク:http://electronic-journal.seesaa.net/article/246729300.html
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