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原点―91(日本一新の会・代表 平野 貞夫)
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2012年01月17日
1月12日(木)に、東京地方裁判所の登石裁判官に対する「訴追請求状」を裁判官訴追委員会に郵送した後、自宅でサンデー毎日のインタビューを受けている最中に小沢さんから電話があった。「登石裁判官を告発したんだって!」と驚いていた。丁度同じ日に「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(代表・八木啓代氏)が、石川議員の調書を捏造した田代検事・他を「検察庁の一連の組織的犯行」として、最高検に告発し、それを誰かが誤って報告したのが原因らしい。
取材で、サンデー毎日の記者が私をしきりに攻めたてたのは、4月に予定されている小沢さんの判決が「有罪か、無罪か、その割合はどうか」という質問であった。「そんな質問に答える立場にない」と断って次のように話したが、その部分は記事にならなかった。しかし、大事なことなので「メルマガ・日本一新」ではしっかり説明しておきたい。
まず第1点は、「小沢問題」は麻生政権の「政治捜査」で始まった事件であることだ。従って、東京地裁の判決は「政治判決」となる可能性を排除できない。何故なら、憲法に基づいて「法と証拠」による判決を行えば、「政治捜査」であることが国民の前に明らかとなるからだ。
第2点は、現在の法務省・検察・裁判所の劣化は驚くべき実態である。「小沢裁判」でそれが露呈し始めた。裁判所の裏金づくりなどの話は、元高裁判事の生目暉雄氏の『裁判が日本を変える』(日本評論社)で、国民が知るようになった。これから司法府の腐敗がさまざまな形で吹き出る可能性がある。従って「小沢裁判」で少し正常化させ、被害を最小限としておこういう心理が働く可能性もある、というのが私の見方だ。
登石裁判官の訴追請求を行った理由は、私自身の反省が第一である。私は「検察審査会法の改悪」には関係していなかったが、裁判員制度・法科大学院制度、一連の米国化した商法改正、そして悪名高い「盗聴法」等々の成立に協力してきた自分自身の『非行』を猛省してのことである。西松建設事件から始まる一連の「小沢排除の捜査と裁判」は、自民党の麻生政権から始まって、民主党・菅政権に司法官僚によって引き継がれたものといえる。ここに問題の本質がある。さらに巨大メディアがそれを煽動しているという実態が、野田政権でも営々と続いていると私は見ている。この底知れぬ流れの中に、現在わが国のあらゆる部分を劣化させた「悪性の癌」が潜んでいると思う。
私が叫びたいのは、日本を支配しているのは、必ずしも財務官僚だけではない。実は財務官僚も恐れる集団があるのだ。それは司法試験という最も難解な試験に合格した人たちでつくられたものである。勿論、その人たちの中には、人々のために自分を犠牲として生きている人たちが多くいることも承知している。しかし、財務官僚をも支配するというか、コラボレーションして、わが国を統治支配しようとする「検察官僚」の存在である。法務省に100人を超える検事をいれ、最高裁事務総局に約30%の迂回検事がいて、内閣法制局を通じて、司法と行政を支配している実態を、国会議員はなんと考えるか。
それに加えて、最近各党の弁護士国会議員が増加している。それは決して悪いことではない。立派に職責を果たしている弁護士・政治家を何人か私は知っている。しかし、民主党政権となって、弁護士・政治家が高い権力の地位に就くようになってこの方、国政に多くの障害が出ていることも事実である。
私が参議院議員として約11年間、法務委員会に所属していたのは、国家社会の正義を担保するのは、司法界にあるという強い思いであった。そのため、司法に関わる人材の養成、人間としての常識と誠実を持つための改革を志したのだ。この部分の腐敗と劣化が、今日の悲劇であるという憤りが、訴追請求の真意である。
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訴 追 請 求 状(写)
平成24年1月12日 裁判官訴追委員会御中 郵便番号 ***―*** 電話番号***―**** 下記の裁判官について弾劾による罷免の事由があると思われるので、罷免の訴追を求める。 記 1 罷免の訴追を求める裁判官 所属裁判所 東京地方裁判所 裁判官の氏名 登石郁朗裁判官 2 訴追請求の事由 (総論) 上記登石裁判官は、平成23年9月26日、自分が裁判長として担当した事件、『平成21年(特わ)第517及び平成22年(特わ)第195号、政治資金規正法違反被告事件』の判決において、法治国家たるわが国の憲法、刑事法規等の基本理念を否定するだけでなく、人類が営々として築き上げた基本的人権という条理を冒涜する、異常な心理状態で判示したものである。 多くの常識を持つ国民から、登石裁判官の精神状態は異常と危惧した意見が噴出し、これでは民主社会の正義も国民の安穏も維持できないと、「裁判官の暴走」に厳しい批判が続出した。 裁判官にとっての職務上の最大の義務は「憲法の遵守」である。登石裁判官は憲法に対する職務を著しく怠っただけでなく、憲法原理さえも冒涜したものである。このことは、裁判官としての威信を著しく失わせただけでなく、司法の権威と信頼を失脚させた。これは裁判官としての非行に止まらず、、人間としての非行に値する。これを非行といわずに何を非行というのか。 登石裁判官は、この「裁判官の暴走」といわれる異常判決を代表する裁判長たる司法官である。その適格性や資質に重大な欠陥があり、弾劾裁判によって罷免すべきである。 (代表的問題点の指摘) @前記政治資金規正法違反被告事件は、平成21年3月3日の大久保秘書逮捕の西松建設事件から始まる。 A平成23年12月16日、小沢一郎氏の強制起訴に係る陸山会事件の東京地裁公判に証人として出廷した元検事 B判決の代表的問題点は二つある。第一は、西松建設事件の背景事情として、東北地方の公共事業での (結び) 個人的なことだが、私は平成4年7月から同16年7月まで参議院議員であった。 平成4年から約11年間、長期にわたって法務委員会に所属し、その間集中して行われた司法改革に全力を尽くしてきた。今日の検察と裁判所の暴走と劣化を見るに、慚愧に堪えない。司法制度の改革に関わった私が裁判官の訴追請求を行うことは、自己の反省を含め身を切る思いの決断であった。 本訴追請求が訴追委員会において、仮に不問に付されるとすれば、登石裁判官は憲法上の的確な資質を公認されることになる。となると、重大な問題が起きることについて是非とも触れておかねばならない。まず、「裁判官の暴走」といわれる異常な判決が特定の目的をもって行われたという疑惑である。すなわち、平成23年10月6日から東京地方裁判所で始まった小沢一郎氏が検察審査会の強制起訴による裁判を、有罪に誘導するための政治判決となる。 そもそも、小沢一郎氏に関わる「西松建設事件および陸山会事件」を強制捜査したこと自体が、前述したとおり、議会民主政治を破壊する政治捜査であった。検察が総力を挙げて約1年半の時間と巨額な税金を使って起訴できなかった事件を、政治権力と司法権力が癒着して、検察審査会を利用しながら強制起訴とした疑惑が生じている。 「強制起訴」された小沢一郎氏の東京地方裁判所での公判で、証人として出頭した田代検事(石川知裕被告の取調担当)が、虚偽の捜査報告書を提出していたことである。それが強制起訴に対し、大きな影響を与えたことが判明し、これが組織的に行われた可能性がある。私は「小沢問題」は国家権力が複合して捏造した「権力犯罪」だと推認している。 しかし、現在の衆参両院議員の多くは、与野党に渡ってそのような認識をしていない。もし、登石裁判官の判決が判例として定着するとなると、検察が起訴しなくても、裁判官が証拠もなく、推認で判断すれば、政治家を犯罪人に仕立てたり、政治生命を失わせることが可能となる。いわゆる「小沢問題」は、国民主権に基づく議会民主政治が、わが国で維持できるか否かの瀬戸際といえる。 さらに、登石判決を正当として支持する法曹界の一部の人たちの主張によると、近年に世界の主流となった「法廷中心主義」の影響とのこと。裁判ですべてを決めていくという米国流の司法手続きがわが国でも主流になったとの論である。確かに裁判員制度など、米国の司法制度を導入した部分もあるが、憲法や刑事法規が規定する「推定無罪・罪罰法定主義・証拠中心主義」などは遵守されなければならない。それが司法手続きの基本である。 若し、米国流の法定中心主義に改めるとするなら、それは国会における立法によって改めことが議会民主政治であり、検察や裁判所の恣意で変更できることでは断じてない。 要するに、国会が本来の役割を果たしていないからこのような事態となったのである。国会議員の多くが、議会民主政治の本旨について無知、無感覚であることが原因である。現在のわが国の統治機構、特に司法府はきわめて危機状況である。難しい司法試験に合格した代わりに、人間性や常識を失ってロボット化した人間たちが、立身出世で拝金という価値観にとりつかれ、精神や心理状況を著しく異常化させて、司法界という特殊な世界で人間性や常識を捨て蠢いているのである。私が参議院議員として担った司法改革は、司法界で活躍する人材に、人間性を回復させることであった。 登石裁判官の判決は司法改革に逆流した典型といえる。 記 裁判所名:東京地方裁判所刑事第17部 事件番号:平成21年(特わ)第517及び平成22年(特わ)第195号 当事者名:被告 石川知裕衆議院議員、池田光智及び大久保隆規元秘書 代理人名:木下貴司、高橋司、吉田美穂子弁護士他
住 所 千葉県柏市 **
氏 名 平野 貞夫
これは民主党への政権交代を阻止するため当時の麻生政権が政治謀略として、小沢民主党代表を政界から
排除しようとして仕組んだ事件である。私自身、その傍証をもっている。大久保秘書逮捕の2日前の3月1日、
当時の森英介法務大臣から直接、「小沢代表は、平成時代になってから日本の政治を崩壊させた悪い政治家
である」等の暴言を聞かされ、何か事件的なものが起こりそうな予感があった。その後、森法務大臣と親しく、
私の友人でもある財界人から「森法務大臣が、大久保秘書逮捕は私が指示したと内輪の会合で聞いた」との
情報を知らされた。また、政府高官が同じ政治資金規正法問題を抱えた数人の国会議員について「自民党に
は波及しない」と発言して問題となった。故に、これらの事件は捏造された政治捜査である。これらの点を
私はテレビや著書などで問題の提起を行ったが、裁判では一切採り上げなかった。これらは、議会民主政治の
根幹を問う問題であり、登石裁判官は著しく職務を怠ったといえる。
・前田恒彦氏は、東京地検特捜部に応援入りしたときの状況について、次の趣旨の証言を行った。「陸山会
事件の捜査で検察のやり方は問題があった。・・・主任検事から『この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。
小沢をあげられなければ特捜の負けだ・・・』といわれた。当時問題となっていた4億円について、
(検察内部では)5千万円は水谷建設、1億円は○○建設などと筋を描いていた。現場を追いかけている
担当検事らは、裏金の話を聞き出せないと感じた。・・・4億円が企業からと妄想する人もいたが、正直
ついて行けなかった。○○検事も『石川さんの5千万円の裏金の事実はないんじゃないか』と言っていた。
副部長検事も『おそらくない』という認識だった。・・・この事件で、捜査体勢が、途中でものすごく
拡充された。『業者班』の捜査員を増やした。でも調書がないでしょう。裏金を渡しているという、
検察の想定と違う取り調べ内容は証拠化せず、メモにしていた。」
この前田元検事の証言は、@で述べた私の主張を証明するものである。
これらの捜査段階の空恐ろしい実態は、裁判の審理で究明されるべき問題であった。それがなされなかった
ことは、裁判の公正さを著しく毀損した。昭和9年のいわゆる「帝国人絹事件」は、当時の東京地方裁判所が
公正な審理を行い、軍部と司法省首脳が内閣の倒壊を図るために仕組んだ検察ファッショであることを
明らかにし、被告全員を無罪とする歴史に残る判決を行った。ところが、今回の登石裁判官による判決は、
前田元検事の証言が示唆するように、政治捜査であり、検察側の議会民主政治を抹殺する狂気の捜査を
糾弾すべき立場にありながら、その問題の検察調書をも逸脱して、裁判官が憶測、さらには妄想と思われる
ものまで推認で断定した。これらのことは、裁判官の暴走として多くの国民を不安のどん底に陥れた。
司法の権威を陥れた責任は重大である。
受注決定の際、大久保秘書が業者を決める『天の声』を出す役割を担い、ゼネコンから多額の献金を
受け入れる窓口だった、との部分である。第二は、陸山会事件の背景事情として、小沢氏の地元の
「胆沢ダム建設工事」受注に絡み、水谷建設から04年10月に石川知裕被告に、翌05年4月には大久保被告に、
それぞれ5千万円が渡ったと推論した上で、陸山会の土地購入の原資となった小沢氏からの借入金「4億円」
について、原資が証拠上明らかであるにも拘わらず、原資不明と妄想し、4億円での土地取得が発覚すれば、
裏献金や企業と癒着した資金集めの実態が明るみに出る可能性があるために隠蔽した、と推認した部分である。
両件とも証拠はなく、中には検察調書によらず、憶測、推論、妄想ともいえる心理状態で判決したものもある。
これが裁判所の判決として通用するなら刑事裁判を行う意味はない。憲法で保障される裁判を受ける権利とは何か。
憲法に保障されている「推定無罪、罪罰法定主義、証拠中心主義」のすべてを冒涜して、裁判官の恣意的価値観
によって、特定のストーリーを予め描いた上の判決といえる。従って、登石裁判長の憲法に対する理解度が
正気でないことは明らかであり、裁判官としても資質に著しく欠けるといえる。裁判官の「自由心証主義」
とは絶対的なものではない。憲法の原理や規定の範囲で存在するものである。登石裁判官が、何故「裁判官の暴走」
と言われることを行ったのか、この点の究明も必要である。精神状況の異常さによるものか否かの判定は、
裁判官訴追委員会の責任において究明すべき問題である。そのための訴追請求でもある。
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