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唯一の正論示す被災地訪問の小沢一郎元代表 (植草一秀の『知られざる真実』)
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投稿者 祈り 日時 2012 年 1 月 04 日 12:13:02: HSKePa2Cm.aPs
 

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2012年1月 4日 (水)
唯一の正論示す被災地訪問の小沢一郎元代表


 小沢一郎民主党元代表が、1月3日、沿岸被災地を訪問した。陸前高田市で仮設住宅を訪れて被災者を激励したほか、陸前高田市、久慈、宮古、釜石、大船渡各市で開かれた党県連役員会に出席。首長らから復興に関する要望書を受け取った。
 
「皆さんの生活を一日も早く取り戻さないといけない。被災地の要望に応えられるよう努力したい」
 
とあいさつしたうえで、

「東日本大震災が発生した非常事態の中でも旧態依然の中央集権支配が続き、地方への予算配分も十分でない」
 
と政府の震災対応を批判した。
 
 また、
 
「官僚の壁に阻まれトップに座っている人たちがたじろいでいる。これでは政権交代した意味がない」
 
と述べて、野田内閣が民主党の政権公約に反して、官僚主導の政治を実行していることを強く批判した。
 
 さらに、野田佳彦首相が民意を踏みにじって強引に推進している消費税巨大増税については、
 
「私の旧来の主張は変わっていない」
 
と述べて、反対する考えを重ねて示した。同時に
 
「これからは地域の活性化を図り、内需主導の日本経済をつくり上げなければならない」
 
と強調した。

 メディアは早速小沢氏批判に懸命だ。しかし、民主主義のプロセスを無視し、自分が国会で大声を張り上げて演説した天下りの根絶が優先課題だとの主張と真逆の、主権者である国民の意思を踏みにじる
 
「天下り根絶無き消費税大増税」
 
を、財務省に操られて強引に推進する野田佳彦氏と、2009年8月総選挙の原点回帰を主張する小沢一郎氏のどちらに正義と大義が存するか。
 
 この点が何よりも重要である。
 
 小沢氏は1月3日、野田佳彦氏の政権運営について、
 
「われわれが掲げた、国民に対して言った初心を思い起こして頑張ってもらいたい」
 
とも述べた。
 
 これが、国民主権・議会制民主主義の大原則を重んじる正統な姿勢ではないか。

 野田佳彦氏は昨年9月13日の所信表明演説で、「正心誠意」の言葉を用いた。
 
 この言葉は、中国の四書のひとつ「大学」に見える言葉である。
 
 勝海舟の「氷川清話」から引いた言葉との説明があったが、本をたどれば「大学」の教えである。

 古えの明徳を天下に明らかにせんと欲する者は先ずその国を治む。その国を治めんと欲する者は先ずその家を斉(ととの)う。その家を斉えんと欲する者は先ずその身を脩(修)む。その身を脩めんと欲する者は先ずその心を正す。その心を正さんと欲する者は先ずその意を誠にす。その意を誠にせんと欲する者は先ずその知を致(きわ)む。知を致むるは物に格(至)るに在り。
 
 物格りて后(のち)知至(きわ)まる。知至まりて后意誠なり。意誠にして后心正し。心正しくして后身脩まる。身脩まりて后家斉う。家斉いて后国治まる。国治まりて后天下平らかなり。

 金谷治訳注(岩波書店)による現代語訳を以下に示す。
 
 古きよき時代に、輝かしい聖人の徳を世界じゅうに発揮し(て世界を平安にし)ようとした人は、それに先立ってまず(世界の本である)その国をよく治めた。その国をよく治めようとした人は、それに先立ってまず(国の本である)その家を和合させた。その家を和合させようとした人は、それに先立ってまず(家の本である)わが身をよく修めた。わが身をよく修めようとした人は、それに先立ってまず(一身の中心である)自分の心を正した。自分の心を正そうとした人は、それに先立ってまず(心の中心である)自分の意念(おもい)を誠実にした。自分の意念を誠実にしようとした人は、それに先立ってまず(意念の本である)自分の知能(道徳的判断)を十分におしきわめた。知能をおしきわめ(て明晰にす)るには、ものごとについて(善悪を)確かめることだ。
 
 ものごと(の善悪)が確かめられてこそ、はじめて知能(道徳的判断)がおしきわめられ(て明晰にな)る。知能がおしきわめられて(明晰になって)こそ、はじめて意念(おもい)が誠実になる。意念が誠実になってこそ、はじめて心が正しくなる。心が正しくなってこそ、はじめて一身がよく修まる。一身がよく修まってこそ、はじめて家が和合する。家が和合してこそ、はじめて国がよく治まる。国がよく治まってこそ、はじめて世界じゅうが平安になる。

 野田佳彦氏がこの文脈を正しく理解しているようには見えない。
 
 言葉のきれはしを、調子よく、都合よく使っただけだろう。
 
 そこに、誠の心、誠意は感じられない。
 
 言葉だけが上滑りをして、心がこもっていないことを「巧言」という。
 
「巧言令色 鮮(すくな)し仁」
 
である。

・・・・・  

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