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国家組織や関連企業のコンピューターやネットワークを狙ったサイバー攻撃は、いまや「犯罪」でなく、国の「安全保障」を脅かす“新たな脅威”となった。
だが、日本政府内では、国を守る自衛権に対するサイバー攻撃をどう位置づけ、関連法をどう運用するのかなど、法制対応を含む検討は遅れている。政府は今後、米国とも連携し、国内対策の整備を急ぐ。
国家の重要機関や施設の機能を破壊したり 麻痺させたりするサイバー攻撃は、国際的に「サイバーテロ」とも呼ばれ、新たな“戦争”の形態と位置づけられつつある。外務、防衛両省は2011年後半、日本でも自衛権を発動する「武力攻撃事態」と認定できるかどうか、法制面の検討にようやく着手した。
最大の課題は、自衛権の発動をめぐる憲法9条との論点整理だ。
政府は現在、武力攻撃事態について、〈1〉着上陸侵攻〈2〉ゲリラ・特殊部隊による攻撃〈3〉弾道ミサイル攻撃〈4〉航空機による攻撃――の4類型を想定している。これにサイバー攻撃をどう加え、どの時点で認定するのか、新たな考え方をまとめなければならない。
現代戦争では、通常兵器による攻撃の前に、サイバー攻撃を仕掛けて軍事施設などの情報通信ネットワークを麻痺させることが効果的とされる。だが、通常兵器による攻撃ではないため、武力攻撃かどうかの認定は難しい。
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