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●「予算書も勉強していない財務大臣」(EJ第3203号)
2011年12月16日 :{Electronic Journal}
100年に一度の大震災です。本来であれば「100年国債」を出せばよいのです。しかるに財務省は野田政権を裏から操って日本の財政が明日にも崩壊するようなウソを執拗に宣伝して、こともあろうに増税で財源を捻出させることにしたのです。そこで今回も財政法第5条のただし書きで認められている「日銀直接引き受け」についてさらに検討していくことにします。
これに関しては、2011年3月25日の衆議院財務金融委員会における自民党山本幸三議員と当時の野田財務相、五十嵐財務副大臣、日銀の白川総裁とのやりとりを映像でご覧いただきたいと思います。該当部分は映像スタートから22分10秒までの部分です。野田財務相の答弁の頼りなさ、白川日銀総裁の抜け目のない答弁が見てとれます。
衆議院財務金融委員会/2011年3月25日
詳しくは映像を見ていただくとして、簡単にそのやり取りを以下にまとめます。
山本議員は、当時の野田財務相に国債の日銀直接引き受けが毎年行われていることを知っているかと聞き、野田財務相から「知りません」という答弁を引き出しています。まず、山本議員は野田財務相の無知を明らかにしたのです。しかし、五十嵐財務副大臣はさすがに知っていて山本議員は称賛しています。野田財務相はこれで一層みじめな気持ちになったことと思います。
その上で、財政法第5条で国債の日銀直接引き受けが認められていることを白川日銀総裁に確認しています。総裁がそれを認めると、山本議員は国債の日銀直接引き受けは毎年行われていることを強調し、その上限は特別会計の予算総則第5条に「国債整理基金特別会計において、財政法第5条ただし書きの規定により、政府が平成23年度(2011年)において発行する公債を日本銀行において引き受けさせることができる金額は、同行の保有する公債の借り換えのために必要な金額とする」と定められていると説明。その上で山本議員は日銀総裁に対し、「それで通貨の信認は失われたか」と聞いています。
しかし、白川総裁はなかなか素直に認めず、のらりくらりの答弁を重ねて最後にやっと認めています。それを受けて山本議員は「直接引き受けは普通のことである」と強調し、今度は五十嵐副大臣に対して「それでインフレになったか」と聞いています。それが五十嵐副大臣の主張だからです。
これに対し五十嵐副大臣は、「インフレにならないとの確認を取ってやっているので、なっていない」と答弁しています。このあと、山本議員は白川総裁に「通貨の信認とは何か」と問い、その上で、日銀の国債の直接引き受けが円高にならない一番よい方法であり、なぜこれをこの非常時に使わないのかと迫っているのです。これに対して白川総裁は日本の国債発行額は巨大化して限界という例の国債危機論を展開してなかなか認めない──そういうやり取りが約20分続いたのです。
2011年度に満期償還される国債は約30兆円であり、その額が日銀が直接引き受けられる借り換え国債の上限になります。
これは2011年度の予算総則に載っているのです。ことは2011年度の予算書の問題であり、トップである財務相がそれを知らないのは財務相失格といわれても仕方がないでしょう。
しかし、日銀はこのうちの12兆円しか借り換えをせず、残りの18兆円分の国債は償還されて日銀の金庫に戻ってしまうことになります。
18兆円ものお金が市場から日銀の金庫に入ってしまうということは、市場からそれだけのお金の量が減って、デフレの要因になります。デフレを放置して多くの国民が苦しんでいるのに、この18兆円を復旧・復興財源として提供しようとする気は日銀にはまるでないことは確かです。これは、白川日銀総裁の答弁を聞けば、よくわかると思います。
この18兆円の枠を使って、復旧・復興国債を出し、それを日銀に直接引き受けさせるのです。この場合、国会の議決が必要になりますが、これによって18兆円の資金が確保できるのです。
もちろん増税など必要はないのです。
これについて、高橋洋一氏は国債整理基金にある12兆円も使えるので、30兆円資金が誰にも迷惑をかけることなく、すぐ確保できるとして次のように述べています。
この程度の日銀引受なら、市中消化の原則は守られて通貨の信認を失うはずがない。これに日銀総裁が反対だというが、既に国会で認められていること。これに反対するのは国会議決を無視することで、公的立場にある日銀総裁としては許されざることだ。日銀直接引受は、日銀がマネーを出すことになり、その分日本円が相対的にドルより多くなり、相対的に多いモノの価値は下がるので、円安要因になる。
──高橋洋一著
『財務省の隠す650兆円の国民資産』/講談社刊
財務省は、東日本大震災を増税の好機としてとらへ、長期にわたってデフレを放置し、日銀は日銀で特別会計の予算総則第5条で認められている日銀の国債引き受けを拒否して、復旧・復興財源を増税で調達することを決めているのです。
さらに野田政権は、それに加えて消費税の増税までやろうとしているのです。しかも、公務員自らの身を切る努力をいっさいしないでやろうとしているのですから、滅茶苦茶な話です。
このように増税などしなくても、財源を確保できる方法があるのです。とくに日銀の罪は重い。これほどの大震災に遭遇しているのに、デフレ脱却に熱心でなく、出せる金を出さないのは犯罪的ですらあります。
── [財務省の正体/29]
≪画像および関連情報≫
●山本幸三議員のホームページ/アピール3
日銀の国債直接引き受けは毎年行われている
私が提言している「20兆円規模の日銀国債引き受けによる救助・復興支援を」という案は、未だ採用されていない。これについて与謝野経済財政相は「法的にできない」、白川日銀総裁は「通貨の信認を失う」、五十嵐財務副大臣は「インフレになる」とそれぞれ発言し、否定的だ。私から見ると、これらの批判はいずれも俗論、妄説の類に過ぎず、そのことを証明するために3月25日、衆議院・財務金融委員会で質問に立った。
以下は、その質疑を通じて得た結論を踏まえ、改めて訴えたいことである。まず上記のような誤解を解くためには実例を示すのが一番なので「日銀の国債直接引き受けは毎年行われている」という事実を紹介した。このことは国会議員を含めほとんどの国民が知らないことだと思うので、是非よく聞いて頂き認識を改めてもらいたいと願うものである。
衆院財務金融委員会での白川日銀総裁
元記事リンク:http://electronic-journal.seesaa.net/article/240702500.html
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