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新ベンチャー革命2011年12月3日 No.489
タイトル:日本の若者就職難をもたらす元凶:経団連企業経営者が日本人を人件費とみているせいだ
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/27635786.html
1.日本人若者は人材として国際競争力を失っているのか
2011年12月3日の日経新聞の「ニッポンの企業力」に、グローバル日本大企業(経団連企業)が中国人学生を積極的に採用していると報じられています。
人口大国・中国も日本同様に非常に就職難であり、日本企業にとって優秀な人材獲得に事欠かないと書かれています。彼ら中国人学生は中国語、日本語、英語ができますし、学生によってはMBAを二つくらい持っています。さらにハングリー精神が日本人学生に比べて格段に高いと言えます。
最近、日本企業の新卒青田刈りが解禁されたと報じられていますが、これは大学3年生が対象です。来春卒業予定の4年生の就職内定率は全国平均59.9%だそうですが、この数字は第一希望の就職先の内定率ではないと思われますので、現実に本望の就職先内定をゲットできた学生の比率はこの数字より大幅に低いのではないでしょうか。
このような傾向はここ何年もずっと変わっていませんが、いっこうに改善されません。
2.日本の空洞化が進む
最近、東芝は国内半導体3工場を閉鎖すると発表していますが、このような傾向は今後も続くと思われます、非常に寂しい限りですが・・・。
今、大阪府・大阪市が財政赤字で苦しめられていますが、自民党政権時代、国内経済空洞化を回避するため、全国規模でハコモノを大量に建設し、雇用を維持してきたツケが今、回されている結果です。大阪で起きていることは全国に当てはまります。
日本の大問題は産業構造転換がスムーズに行っていないことです。特に、地方経済の停滞は空恐ろしいものがあります。最近、中国に抜かれたとはいえ、これまで日本は米国に次ぐ世界第二位の経済大国だったのですが、その原動力は経団連企業に代表されるグローバル日本大企業でしょう。そのようなグローバル日本大企業ほど、上記のように世界市場に進出するのに熱心であり、日本市場を見捨てる傾向があります。
こうして日本の空洞化が進んでいるわけですが、どうすれば、日本の若者の雇用を増やせるのでしょうか、われわれは真剣に考える必要があります。
3.日本に求められる産業とは
今の日本のグローバル大企業の多くは、大量生産や大量販売を得意としていますが、そのようなビジネスを行うには、コストを可能な限り下げなければならず、グローバル日本大企業から見て、日本人の国際競争力は下がる一方なのです。
そこで、われら日本人の雇用を活性化するには、これまでの日本グローバル企業の行なってきたビジネスとは異なるビジネスを日本国内で興す必要に迫られています。
日本政府は増税を考えるより、新産業振興を考えるべきなのです。野田政権に増税路線を取らせている財務省官僚はなんと発想が貧困なのでしょうか。
それに対し、経済産業省は『感性価値創造活動の推進』政策を打ち出しています(注1)。
要するに、成長するアジア市場で断トツに人件費コストの高い日本人が日本国内にて雇用を維持するには、周辺アジア人と比べて、コストに見合う高付加価値ビジネスを日本国内で振興するのが最善の道なのです。
4.先進国日本における感性価値創造振興の必要性
上記、高付加価値ビジネスに求められるのは感性価値の追求です。消費者は日用品を安く買おうとする習性がある一方で、価格が高くても買いたいモノやサービスを追い求める習性も持っています。とりわけそれは、経済大国である先進国の国民に多いわけです。もちろん、日本国民にも当てはまりますが、近年では周辺のアジア諸国の金持ちにも当てはまります。
上記、感性価値を研究する学問分野に感性工学というのがあって、日本感性工学会(注2)があります。
この学会では感性工学をKansei Engineeringと訳しています、すなわち、日本語の“感性”を的確に表す英語を見つけられなかったのでしょう。
5.高コスト日本人に見合うビジネス創造こそが日本人若者の雇用機会を好転させる
上記のように、日本の新卒若者が就職したがる日本のブランド大企業が日本語のできる中国人を求めるようになったのは、日本人が相対的に高コストだからです。その背景には円高環境があるのは事実です。しかしながら、今すぐ、円高を是正しようとしても、それは容易ではありません。
そこで1億数千万の日本人の幸せのために、日本国内で高コスト日本人の雇用を増やすのが今の日本の最優先課題です。その意味で上記、経産省の感性価値創造振興は国の目指す方向として決して間違っていません。
例えば、日本のアニメや漫画はフランスやアジアの若者に大人気です。また、日本のポルノは米国やアジアで密かな大人気です。この事実は、高コスト日本人の感性価値が国際ビジネスとして立派にペイすることを物語っています。
ところでNYのメトロポリタン美術館にて、筆者は江戸時代日本の伝統的な浮世絵(春画)の特別展示を観た経験がありますが、この事実は、NYの大金持ちRF家などは、日本人の感性価値を高く評価している証(あかし)です。
6.経団連に代表される日本人経営者のセンスは狂っている
戦後日本は、米国を後追いして高度工業化社会を形成、世界的な輸出大国に成長し、結局は高コスト先進国家になってしまいました。ところが、工業化時代のビジネス発想から抜けきれない日本大企業の経営者のセンスは灯台もと暗し、であり、高コスト日本人の才能を引き出す発想がゼロです。彼らは日本人を人件費としか見ていないのです。これでは、日本経済は空洞化する一方であり、現実に日本人若者の就職難は厳しくなる一方です。
そこで、われわれは、高コスト日本人の才能を活かす高付加価値ビジネスを日本国内で増やすようおのおの努力すべきです。
注1:経済産業省、感性価値創造活動の推進
注2:日本感性工学会
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