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Re: test欧州危機文字位置訂正(再訂正)
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投稿者 さそり座 日時 2011 年 11 月 22 日 23:06:30: skGvs8zjwBMFM
 

(回答先: Re: test欧州危機文字位置訂正 投稿者 さそり座 日時 2011 年 11 月 22 日 22:19:15)


イタリア国債・ギリシャ国債は紙クズに日本国内のイタリア国債保有額は5兆7000億円三菱UFJFGと日本生命が大量に保有これがその詳細リストだ


 本誌は日本を代表する金融機関が、今後問題化するとされるイタリアをはじめとする欧州5ヵ国向けに、どれだけの投融資残高があるのか、聞き取り調査をした。欧州危機は他人事でないことが分かる。

イタリア・ショック

「危ない5ヵ国」の国債を持っている欧州金融機関リスト
拡大画像表示 湖面に落とした小石が波紋を広げ、湖岸に大波が押し寄せる。ギリシャというヨーロッパの一隅にある国の危機が一石となり、次々に大きな波紋を広げている。遠く日本の金融機関も例外ではない。

 まずは下の表を見て欲しい。これが欧州の金融機関の、偽らざる実態だ。


 欧州の主要な金融機関がどれくらいPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)の国債(地方債など含む)を持っているかを克明に示している(資本に対しての割合で表示)。

この数字が高ければ高いほど、「爆弾」を抱えているということになる。10月に破綻したフランス・ベルギー系銀行のデクシアが211%。早々と破綻した理由がよくわかる。それ以外にも、100%オーバー、つまり資本を上回る額のPIIGS国債を保有する金融機関がゴロゴロある。名の知れた大手金融も20%以上保有しており、欧州の「国債ショック」が起きれば、丸呑みされるシナリオが透けて見える。

さらに、いま金融関係者の間で欧州金融機関が作成した「恐怖の試算レポート」が出回り、注目を集めている。PIIGSの国債が市場の実態に合わせて棒引き≠ウれた場合、欧州の主要金融機関がどれほどの資本不足に陥るかを計算したものだ(下表)。


先ごろのG20で「国際金融システム上重要な金融機関(G-SIFIs)」として指定されたBNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、コメルツ銀行、ドイツ銀行、クレディ・アグリコル、ウニクレディト、INGなど、そうそうたるメンバーが軒並み2000億円超の資本不足に陥ることがわかる。インテサ・サンパオロなども日本では馴染みのない名前かもしれないが、世界のトップ30金融機関(総資産規模ベース)に入る超大手である。

 次に日本の金融機関の実態も明らかにしよう。

市場の圧力が伊首相を辞任表明へ追い込んだ〔PHOTO〕gettyimages テレビや新聞は「日本の銀行はギリシャ国債をほとんど持っていないから安全」と嘯くが、本誌が主要金融機関12社に対して行った調査(次ページ表)で、大量のイタリア国債を保有、イタリア企業向け融資も行っていることがわかった。

 突出しているのは三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)。イタリア国債を約2700億円保有、インフラ企業向けの融資などを行っており、イタリア向け投融資の総額は5520億円もあった。これは同社の直近の当期利益に匹敵する額だ。

 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)も大企業向け、プロジェクトファイナンスにカネを出しており、同投融資総額が約2320億円。メガバンク3行はいずれも1000億円オーバーのカネをイタリアにつぎ込んでいた。

 日本の金融機関がすでに出血し始めているという事実も見逃せない。ギリシャ・ショックを受けて世界中が超株安に落ち込んでいることで、日本の大手銀行は保有する株式の評価損が出る見通しなのだ。

 大手シンクタンクのエコノミストが言う。

「大和証券キャピタル・マーケッツのレポートで、9月期末までの半年で大手銀行の保有株式評価損益が1兆円弱の幅で悪化したと試算されている。評価損が大きいと推定されているのが、みずほ銀行の750億円、三菱東京UFJ銀行の1300億円、三井住友トラスト・ホールディングスの600億円。レポートに『財務体力が悪化したことは否定出来ない』とあるように、やり過ごせるような額ではない」

 すでに株価下落で決算をやられた金融機関もある。

 第一生命は株式相場の下落を受けて約850億円の有価証券評価損を計上、2011年9月中間連結決算を下方修正したのだ。さらに大手損保グループのNKSJ(損保ジャパンと日本興亜損保の持株会社)も650億円ほど、MS&ADインシュアランスグループHD(傘下に三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保など)も約530億円の有価証券評価損を計上し、ともに決算を下方修正。NKSJにいたっては最終損益が300億円規模の赤字予想に転落した。

 大手損保OBの話。

「多くの人は忘れていると思うが、リーマン・ショック後の株安を受けて中堅生保の大和生命が破綻している。当時の住友信託銀行もリーマン破綻から1ヵ月も経たないうちに、中間決算で純利益が約30%も激減するとの見通しを発表していた。その主因も100億円近くの株式の減損処理だった。株価下落は経営を直撃する、なめてはいけない」

日本の金融機関もやられる
 そこへきてさらなる爆弾が噴火寸前だ。ギリシャの債務危機がついに波及、イタリア国債が危険水域まで売り込まれている。前述の通り、日本のメガバンクはイタリアに多く投資しているから、影響は免れ得ない。

 経済誌記者が指摘する。

「実は日本生命も5000億円近くのイタリア国債などを保有していると言われています。日生が筆頭株主(全体の8%強)になっているオリンパス株がスキャンダルによる株価低迷で打撃を受けているように、生命保険会社は一般的に多くの事業会社株を持っているので、株安の影響も受けやすい。イタリアがいよいよヤバイとなったときには、往復ビンタをくらうだろう」(日本生命は「イタリア国債は保有しているが、保有金額については回答を差し控える」とコメント)

 みずほ総研シニアエコノミストの山本康雄氏も続けてこう言う。

「日本国内全体のイタリア国債保有額は合計で約5兆7000億円(昨年12月末時点)です。これほどの額のものが暴落すると、破綻する中小金融機関も出てくるでしょう。同じくスペイン国債も国内に2兆円ほどあり、2年ほど前には、スペイン政府の関係者が国債売り込みのために日本の大手証券を訪れていたという話もある。証券会社が中小金融機関や地方公共団体などへ販売している可能性があり、規模の小さいところが大量に保有していた場合に破綻の恐れが出てくる」

 ギリシャ、イタリア危機の影響はすでに欧州では顕在化しており、前述のデクシアが破綻、海を渡って米国にも飛び火し、米国金融大手のMFグローバルの破綻も起きている。イタリア国債の信用力が大きく低下すれば、「第2のデクシア」が現れるというのがマーケットの共通見解だ。

 富士通総研上席主任研究員の米山秀隆氏が言う。

「一部では仏大手金融のBNPパリバやソシエテ・ジェネラルなどの名前もあがっています。こんな金融大手が突然破綻するような事態になれば、リーマン・ショック並みのインパクトになる危険性は高い。貸し渋りが大量発生して、ユーロ圏の経済が大きくシュリンク(収縮)する。続けて欧州企業の株価暴落、極端な円高ユーロ安を引き起こし、日本の金融機関も投資している株の下落による含み損や為替差損という影響を被るでしょう」

 二重、三重に日本を呑み込む「金融クラッシュ」も頭に入れておかなければいけないということだ。

ここで話を欧州大手に戻そう。

 欧州の金融機関のトップたちはいま、「うちは安全」「公的資金注入の必要はない」などと火消しに走っている。主要機関の欧州本社に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「我々はPIIGSの国債はたくさん所有していない。合計で144億ユーロだが、当銀行の大きさからみると管理できる額だ。ギリシャは特殊なケースであり、ほかのヨーロッパの国でデフォルトが起こる兆候はない」(BNPパリバ広報)

「2009年以来、当行は絶えずリスク資産を減らしてきたが、このプロセスをさらに加速させることを決定した。ただドイツ経済に負担をかけて(犠牲にして)は、やらない。公的資金を使うつもりもない」(コメルツ銀行広報)

 マーケットに少しでも弱み≠見せればターゲットにされる。欧州金融大手は軒並み「当行は安全」と言い続けながら、裏では必死の防衛策に走っているのが現実だ。

 全国紙経済部記者が指摘する。

「欧州の金融機関は公的資金注入を回避するため、なりふり構わず資産(融資債権等)圧縮を断行中です。コメルツ銀行は3兆円の資産売却を計画しており、ほかも推して知るべし。財務の健全性で勝る日本のメガバンクに売り込みが殺到し、合計すると1行当たり10兆円に迫る規模の案件が持ち込まれているようです」

 銀行担当の欧州在住アナリストもこう指摘する。

「(先に紹介した)『恐怖レポート』には全部で90行のデータが載っていて、棒引きラッシュが起きた場合、61行が資本不足に陥り、不足額は合計で2100億ユーロ超になると弾き出されている。この数字が持つ意味は大きい。EU首脳会議で10時間にも及ぶ会議の末に出された欧州銀への資本増強必要額が1064億ユーロ。要は当局の見積もりが甘いことが露呈した。レポートもこの点を指摘し、『各国財政とEFSF(欧州金融安定基金)は特に果実もなく資金を枯渇させることが考えられる』と結んでいる」

 いま、世界中の金融機関が固唾を呑んで見守っているのがイタリアの行方。G7の一角にして、ユーロ圏で3番目の経済規模を誇る大国がデフォルトすれば、その国債を大量に保有する大手金融機関を直撃、バタバタと倒れるドミノ倒産が起こる。もちろん杞憂に終わればいい。だがイタリアの問題は根深い。

 イタリア駐在の日本人女性が語る。

「財政再建策が示されると全国でストやデモが起こるんです。私の住むミラノでもサンジョバンニ教会の前の広場にデモ隊が集まっている。ストの多くはバスや地下鉄など公共交通機関の職員たちによるもの。ガソリンスタンド職員がゼネストして、ガソリンが手に入らないこともあります。いずれも賃金カットに対するストだと思う」

 ギリシャではパパンドレウ首相が財政再建案を表明するたびに、市民がデモで応戦。ズルズルと問題を先送りにした結果、ギリシャ国債はデフォルトという事態に追い込まれつつある。「見てきた光景」がイタリアで繰り返されているということだ。

 クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏もこう言う。

「イタリアの今年の財政赤字3.7%(対GDP比)という数値だけを見れば、IMFの監視下に入るほど財政状況が深刻ではない。しかし実は、イタリアもギリシャと同じように、正確な財政状況が反映されておらず隠された数値があるのではと疑いをもたれているのです。財政再建するにはフィアットなど自動車業界の活性化が必須だが、それには1ユーロ=1ドルの水準にならないと厳しい。しかもそこまでユーロ安になれば結局ドイツ車ばかりが売れるから、『イタリア車購入者には100万円をプレゼント』というキャンペーンでもするほかない・・・・・・」

 要は増税と財政支出カットだけでは財政再建は到底ムリ。それなのにイタリア政府は「2013年に基礎的財政収支の赤字をゼロにする」「年金支給開始年齢を引き上げる」など、どこぞの国と同じような空手形を切るばかりで、気づけば国債金利が急上昇、アイルランドやポルトガルがEUやIMFの資金支援を仰いだ際の水準(7%)を突破してしまった。

市場に狙われたら即アウト
 イタリアはギリシャが辿る「国債の紙クズ化」の道を、同じように歩み始めている。そしていま、「第2のイタリア」として日本に目が向けられている。

 ビジネス・ブレークスルー大学教授の田代秀敏氏が指摘する。

「世界中のマネーが日本国債に集まってきており、『安全資産への逃避』といわれているが、これは実は恐ろしい事態です。イタリアは統計上遡れる最も古い時点である1997年1月に政府総債務の外国人保有比率が18.3%だったが、ここへきて短期間で急上昇し、今年6月には43.5%になった。そしてヘッジファンドなど投機筋に狙われ、売り浴びせられている。直近で日本の短期国債の外国人保有比率が17%だから、イタリア化のスタート地点に立ったと見ることができる。事態は急を告げています」

 日本国債が暴落すれば、これを大量に持つ日本の金融機関はひとたまりもない。ついにマーケットでは「不穏なメッセージ」が発信され始めた。ヘッジファンドマネージャーが言う。

「企業の危険度が高いほどその数値が上がるCDS指数≠ェ急上昇しています。ターゲットになっているのは野村ホールディングスと大和証券グループ本社。7月まで100台後半~200台前半だったのが、いまでは300近い。これはドイツ銀行、コメルツ銀行などよりも高い数値。欧州事業の不振に加え、『日本国債暴落』という連想でやられているのではないか」

 同じくおかしな動きを始めたのは米国の金融機関。たとえば、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーなどの米金融大手のCDS指数は8月初旬には100台だったのが、9~10月に400、500と急上昇、いまでも300台半ばから400台前半に張りついている。かつての「勝ち組」ゴールドマン・サックスも200台後半から300台前半の間で乱高下を繰り返しているのだ。

 BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏が語る。

「米金融機関の決算発表で赤字だったのはゴールドマン・サックスだけで、ほかは軒並み黒字。黒字なのにCDS指数が上がっているおかしな現象です。会計上のまやかしでプラスが出ていることを見抜かれた上、欧州向けの与信額が多い、クロスオーバーの取引残高が多いなどの複合的な要因が絡み合い、なんでもかんでも売られている」

 金融は信用の世界だ。疑心暗鬼が恐ろしい影響力を持つところに、怖さがある。生保系シンクタンクのエコノミストは「信用不安は金融機関を突然死させる」と言う。

「噂に殺されると言いますか・・・・・・。金融機関は経営の中身が大丈夫でも、『あそこは大丈夫か』という不安が広がれば簡単に潰れる。デクシアもMFグローバルも、危ないという話が出た途端にマーケットから完全に孤立して破綻しました。金融機関はその日に必要な資金が調達できなければ瞬間風速的にやられるんです。'97~'98年頃の日本を思い出してください。都銀は『あと数秒で破綻』というところまでいった。ある都銀(当時)の幹部に聞いたら、『あと15分対策が遅れれば、という瞬間があった』と言っていました。いまはギリシャ、イタリアの国債を少しでも持っていれば不信の目で見られる。即死したくない金融機関は、危ない国債から手を引こうともがいているんです」

 経済学者のケインズが唱えた「美人投票」の喩えは、実際に美人であるか否かにかかわりなく、みなが一致して美人だと投票する人を見極めればゲームに勝てると喝破し、マネーゲームの本質を衝いた。その逆もまた然りで、世界はいま「不美人投票」に精を出し、ギリシャ、イタリアなど各国の国債、それらの国債を持つ金融機関を投げ売りしている。京(兆の次の単位)のカネが動くマーケットで狙われれば、ひとたまりもない。ひとたび「悪魔の手」に狙いを定められたら、そこから逃れられる金融機関などない。

「週刊現代」2011年11月26日号より



 

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