http://www.asyura2.com/11/test23/msg/870.html
Tweet |
●「財務省はなぜ消費税増税にこだわるのか」(EJ第3185号)
2011年11月21日 :{Electronic Journal}
野田首相はAPECや東アジア首脳会議(サミット)の閉幕後の記者会見で、まるで宣言するように次のようにいっています。
年内をメドに結論が出るように政府税制調査会を中心に議論を進める。法案を提出する時が閣議決定だ。その前から与野党で政策協議をしたい。 ──野田首相
菅前首相に野田首相──財務省からみると、これほど扱い易い首相はいない。経済──とくにマクロ経済や国家財政についての知識が決定的に欠けているので、簡単に騙されてしまうのです。
官僚機構(財務省)がなぜ増税──それも消費税増税に前のめりになるかというと、彼らは長い間にわたって、税金が入ってくると、本来の目的の出費に使う以外の相当の金額を密かに貯め込むシステムを巧妙に作り上げているからです。
何かに備えて準備するというと聞こえはよいですが、その「何か」は国家・国民のためというよりも、自分たちの天下りのための財源に流用するためにそうするのです。
「国債費」というものがあります。2011年度予算では、約22兆円が計上されています。「こんな巨額の予算を組まなければならないので、財政が硬直化する」──これが財務省のいい分ですが、これはとんでもないインチキな意見であると元財務官僚の高橋洋一氏はいうのです。
一般の国民は当然この22兆円全額が国債の利払いに充てられると考えますが、実は違うのです。利払いには半分程度しか使われていないのです。それでは残りはどうなるのでしょうか。
残りの金額は「債務償還費」──具体的には「国債整理基金特別会計」に積み立てられるのです。国債を償還できなくなると困るので、そのため基金として積み立てているというのです。これは「減債制度」といわれています。これについては詳しく検証する必要がありますが、高橋氏の所論を基にして以下に述べます。
高橋氏は次のようにいっています。
一般会計のかなりの部分が国債発行による国民からの借金で賄われている。国債償還金は、その借金で賄われている一般会計から支出される。つまり財務省は、将来、国債を償還するために、国民から二重に借金して基金を積み立てているのだ。普通莫大な借金があるのに、さらに借金して積立をする馬鹿はいない。積立できる余裕があるのなら、そのお力ネは借金返済に充てるのが、普通の人の感覚だ。そのほうが余計な金利を払わなくて済むので当然だ。国のレベルでも一緒で、だから普通の国には減債制度はない。
──高橋洋一著
『財務省の隠す650兆円の国民資産』/講談社刊
このような減債制度があるのは日本だけであり、外国にはないのです。なぜなら、借金を返すためのお金を借金して積み立てているというのはあまりにも馬鹿げていると高橋氏はいいます。
どうしてこのような制度が残っているのでしょうか。
それには、次の2つの理由があると高橋氏はいうのです。
1.官僚は前例踏襲主義に陥っている
2.国債残高をより大きく見せられる
第1は、「官僚は前例踏襲主義に陥っている」ことです。
高橋氏によると、先輩の作った制度を廃止したり、変更したりすることは、先輩を批判することにつながるのです。霞が関では先輩や上司のやった仕事の批判は御法度なのです。そのため、ほとんどの官僚は自己保身のため、前例踏襲主義を取り、どんなにバカバカしい制度でも変えようとはしないのです。
第2は、「国債残高をより大きく見せられる」ことです。
2011年度予算で考えてみます。新規国債発行は約44兆円──このうち、特別会計に積み立てる債務償還費は12兆円ですから、新規国債発行は32兆円で済むのです。しかし、実際には44兆円の国債を発行するので、実際には赤字国債は12兆円多くなっていることになります。国民へは借金が多くあるように見せる方が増税しやすいので、減債制度を廃止しないのです。
したがって、この12兆円を東日本大震災の復旧・復興に回すことは何ら問題ではなく、そうすれば復興増税など必要ではないのです。国会でも、みんなの党の江田幹事長をはじめ野党議員が「なぜ国債整理基金のカネを使わないのか。以前も使った実績があるではないか」と政府に迫ったのですが、菅政権時代の野田財務相は「国債償還を守るために必要である」として聞く耳を持たなかったのです。わかっていてトボケているのか、本当に知らないのか知りませんが、いずれにしても許せない対応です。
野田首相は、こんなときに消費税を上げるとどんな結果を招くのか──何もわかっていないのです。わかっていても知らん顔をしているのであれば国民への裏切りであり、民主党は次の衆院選で大敗確実です。50人程度になるという予測もあります。
しかし、官僚機構にとっては、経済がどうなろうと、民主党が選挙に負けようと、国民がそれによってどんなに困窮しようと一向に意に介さないのです。彼らは悪いことをしてもクビにはならないし、給与も年金も国民とは別建てできわめて高く、安定しているからです。つまり、彼らに国民の痛みはわからないし、わかろうともしないのです。
野田官邸を牛耳っている財務省官僚、マスコミで増税の必要性を説くキャスター、学者、政治評論家、そして最大野党の自民党への硬軟織り交ぜての働きかけ、財務省はあらゆるところに手を回し、消費税増税を実行しようとしています。その執念たるや尋常ではないのです。しかし、元代表の小沢一郎氏は、11月19日に増税反対を表明しています。
── [財務省の正体/11]
≪関連情報≫
●「中西の目チ゛カラ」/みんなの党・中西けんじ氏の主張
国の債券発行・償還の一連の流れの中に国債整理基金と決算剰余金が存在していることは前回説明させて頂きました。今回は、これらを復興財源として如何に活用するかについて私の考えをまとめたいと思います。
これまで国会の場で私たちが主張してきているのは、国債整理基金に積み上がっている資金の活用と、一般会計から基金への定率組み入れの一時停止です。
それに対して政府が提案し国会で議決されたのは、昨年度一般会計決算剰余金の国債整理基金への繰り入れ停止です。
私たちの主張と政府の見解の違いを正しく理解していただく上でまずおさえておきたいのは、国債整理基金内の償還財源の復興財源としての利用や、定率組み入れの停止、決算剰余金繰り入れの停止のどれもが、国の純債務を増加させると言うことです。
これらはどこかに眠っている不要の資金つまり埋蔵金などではなく、国が既に民間から借り入れているが返済のために取り置きしてある資金なのです。この三つはすべて国債償還のために使うことを法律で定められている資金です。ところが政府は、決算剰余金の国債整理基金への繰り入れ停止を決める法律の説明の中で、「新たな国債発行に依存しない」ことを今回の措置の理由としています。
ネットで考えれば国の債務が増えるにもかかわらず、あたかも債務が増加しないかのような説明を行うのはめくらましとしか言い様がありません。
http://nakanishikenji.jp/blog/seisaku/4176
元記事リンク:http://electronic-journal.seesaa.net/article/236152543.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。