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「今、話題になっているTPPと同じ」ではない。これこそ、TPP参加後に日本企業・日本人が服従を余儀なくされる、取引の標準フォーマットとなる。
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2011.10.30 Sun :(Ninja Medakafish)
<「こんなの論外だ!」アマゾンの契約書に激怒する出版社員 国内130社に電子書籍化を迫る>と題する記事がBLOGOS編集部よりネットにUPされました。
http://news.livedoor.com/article/detail/5977004/?p=1 2011年10月29日11時51分
この記事の冒頭は、中堅出版社のベテラン編集者の声から始まる。
「今、話題になっているTPPと同じですよ。期限を区切って、回答を要求する。アメリカ人の大好きな手口です」。
10月中旬、ネット通販大手の米国のアマゾン・ドット・コム社(以下、アマゾン)から送られてきた契約書案(「KINDLE電子書籍配信契約」)に以下の事項が書かれていた、という。
・アマゾンは年内にも日本で電子書籍事業に参入する予定。
・国内の出版社130社に対して共通の書面で契約を迫っている。
・契約条件:「アマゾンは出版社の同意なく全書籍を電子化できる」/「希望売上価格の55%以上をアマゾンに渡すこと」(つまり、売上の半分以上がアマゾンに渡ることになる)/「電子書籍の価格は紙の書籍版より必ず低くせよ」/「10月31日までに返答せよ」/「新刊本はAZWフォーマットで電子化して提供すること。それ以外のフォーマットでの提供については高いロイヤルティーが課される」/「既刊本も提供するように努力せよ。仮に、出版社がフォーマット化しない書籍があった場合でも、事実上、アマゾンが任意に独自電子書籍化できる。」/「出版社は著作権の保有者である作家から著作権を買い取り、管理すること」
ここに、「黒船」来襲で動揺している哀れな日本の出版業界の姿がある。もちろん、「キンドル向けに提供されるコンテンツは、他社のスマートフォンやタブレット端末で読むことができる。」という利便性を読者に付与するものだが、希望小売価格の半分以上をアメリカに吸い取られることで、中小の出版社はもちろん、大手も収益性がガタ落ちとなること必定だ。それどころか、「本来、本を売る書店であるはずのアマゾンという業者が、本の価格決定およびリアル出版に影響を与え」、日本の出版業界を支配する可能性すら出てきたことになる。しかも、このロイヤルティーは、日本のGDPには全く寄与しない。つまり、日本国の所得とはならない。しかも、2004年に批准された日米租税条約により、このロイヤルティーには源泉税が課されないことになったため、100%アメリカに移転することになる。
なお、著作権に関して、これまでの業界慣行では、「日本の出版社が持っているのは単行本の出版権だけで、著作権は著者個人に帰属」する。しかし、アマゾンと契約する以上、「全書籍の著作権を出版社が一括して管理せよ」と要求されている。すなわち、「欧米で本や雑誌を出版する場合は、出版社は作家から本・雑誌記事の著作権を買い取る契約をするのが通常」であるため、今回、アマゾンと契約書を締結するためには、その欧米流に合わせて、「今まで本を出した全て著者に『アマゾンで電子書籍化するので、著作権を全て我々に管理させてください』と了解を取ってライセンス料も払わないといけない。」ということになるのだ。しかも、「これを一ヶ月以内にやれ」と無理難題をふっかけられているのだ。
さて、本件に関して、10月20日の日経新聞朝刊の一面トップに、「アマゾン、日本で電子書籍」という記事が掲載された。
以下抜粋:
「インターネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは日本で電子書籍事業に参入する。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、年内にも日本語の電子書籍を購入できるサイトを開設。・・・・・
スマートフォン(高機能携帯電話)などに配信し、自社の電子書籍端末「キンドル」も投入する構え。日本勢も紀伊国屋書店や楽天がソニー製端末への書籍提供を始める。日本でも電子書籍の普及が本格化しそうだ。・・・・・・・・・・・
アマゾンは講談社、新潮社などとも交渉しており、1〜2カ月以内に数社との契約を目指している。中堅出版のPHP研究所(京都市)とは合意した。PHPは約1000点の書籍を電子化して提供する方針。・・・・
国内ではアマゾンの安売りを警戒する出版社側がアマゾンへの電子書籍提供に難色を示していた。アマゾンは出版社側に対し、電子書籍の発売時の価格設定や値下げのタイミングについて両者が事前に協議する仕組みを提案したもようで、交渉が進展した。」(抜粋終)
「この記事を読む限りでは、各出版社との交渉が進展しているように見える。」しかし、BLOGOS編集部の取材によると、「講談社と小学館とは破談。新潮社との交渉も一ヶ月近く止まっているよう」だという。それにもかかわらず、日経がこのようなスクープめいた記事を載せたということは、アマゾンが日経と組んで、「10月31日の期限を前に、130社に対する脅し」をかけたのではないかと憶測される。すなわち、「『他社は契約するよ。この流れに乗らないとやばいよ』と危機感を煽らせ」た、というのだ。
これは、まさにTPP交渉参加と同じ構図である。日経以下マスコミがアメリカの代弁者となって、農業従事者など国内関係者を絶望の淵に貶める。ただし、今回の件は、TPP参加後に日本人に降りかかるアメリカ標準の強制という意味で、わかりやすいサンプルとなっている。まさに、TPPとは、農業を含む第一次産業だけが直面する問題ではないのだ。日本の制度が根本的に破壊されるということだ。出版業界も、金融・保険、建設・土木業もすべてにわたって、いいも悪いも日本流が強制的に改変させられるのだ。そして、その結果、日本社会からアメリカにカネが吸い取られ、多くの日本企業が倒産し、失業者が数多出てくることになる。たとえ、そうなっても、日本政府に手立てはない。治外法権でTPPという国際ルールが適用されるからだ。せいぜい日本政府ができることは、増税して、出版業界から次々に生み出される失業者に雀の涙ほどの雇用保険を支給するだけとなる。
構造不況業種となっている出版業界に「誰も幸せにならない電子書籍」が導入され、売上の半分以上がアメリカに送金される。その分の雇用が失われる。虚偽の合併報道といい、日経という会社は、アメリカの策謀に加担して日本を破滅に導く裏切り者というほかはない。(個人的に日経の購読はとうの昔に止めている。)
日本の出版業界は、アマゾンに対抗するシステムを早急に構築しなければ、高い印税に惹かれる作家が囲い込まれ、日本の出版文化が崩壊する危険性が高い。何よりも先ず、出版業界もTPP交渉参加反対の狼煙を高く上げ、時間稼ぎをしなければならないだろう。あなたの業界も例外ではない。他山の石とすべきだろう。(アメリカの策謀に加担しているマスメディアも、存続できる保証は全くないのだが、想像力がないのだろうか。わかっていないようだ。)
民主党TPP反対派は他党と連携して今国会に「内閣不信任案」を提出して、アメリカ隷属内閣の暴走を止めるべきだ。
TPPの内容が世間に知れ渡れば、知れ渡るほど、TPPのデメリットが明らかになる。選挙期間を通じて、TPP反対派であることが有利になることは間違いがない。その分、再選のチャンスは高くなる。
このまま沈むしかない泥船の民主党に見切りをつけるいいチャンスだ。
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