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Re: 「このままでは日本はカルタゴになる」(EJ第3149号){Electronic Journal}
http://www.asyura2.com/11/test23/msg/450.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 10 月 01 日 16:27:09: uZtzVkuUwtrYs
 

(回答先: 「このままでは日本はカルタゴになる」(EJ第3149号){Electronic Journal} 投稿者 メジナ 日時 2011 年 10 月 01 日 16:21:56)

「このままでは日本はカルタゴになる」(EJ第3149号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/227817735.html
 2011年09月28日:{Electronic Journal}

 首相になってからの野田氏を見ていて考えたことがあります。
国会での演説と国連総会での演説──いずれも代表選のさいに魅せたあの語り口が姿を消し、つまらなくなったことです。役人の作った原稿を棒読みしているからです。自ら失敗しないように安全運転を心掛けているように見えます。これを安定というか、小心というかは人によって違うでしょうが、私には彼はごく普通の平均的日本人であり、実直なサラリーマンのように見えます。
 日本は大国です。まして日本は未曽有の危機に瀕しているのです。そういう国の首相には豊富な経験があるか、何か人とは違う才能を持った人物でないと、務まらないと思うのです。ごく普通の人では少し荷が重いのではないでしょうか。
 9月24日付の朝日新聞の「記者有論」で、東北復興取材センターの蔵前勝久氏は小沢一郎氏は首相になるべきであると述べています。朝日新聞の記者としては珍しいことです。身近で取材していた記者だからわかるのでしょうが、小沢氏は普通の政治家にはない独特のパワーを感ずるのでしょう。

 8月まで民主党の小沢一郎元代表を担当し、東日本大震災の被災地・仙台に転勤してきて、私は率直に思う。小沢氏はやはり首相になるべきではないか。被災地・岩手県出身として東北復興の先頭に立つべきではないか
  ──。9月24日付の朝日新聞

 
 小沢氏はきちんとした国家観を持っています。かつて彼は「日本は普通の国になるべきである」と主張しています。小沢氏のいう普通の国とは何でしょうか。
 まず、小沢氏は「日本は真の国際国家になる必要がある」と主張して、次のように述べています。

 国家とは本来、利己的な存在である。経済がどんなにボーダーレスになろうと、この本質は変らない。(中略)国民の豊かで安定した生活の前提となるのは国家の安全である。国家の安全を確保するためには、国際環境の平和と安定がどうしても欠かせない。今日、経済的にも軍事的にも政治的にも、どの国も単独では自国の安全を保障し得ない以上、各国が協調してそれを実現するしかない。    ──小沢一郎著  『日本改造計画』/講談社刊

 続いて小沢氏は、真の国際国家になるには「普通の国」になればよいというのです。そして、普通の国には次の2つの要件があるというのです。

 @国際社会において当然とされていることを当然のこととして自らの責任で行うことである。当たり前のことを当たり前と考え、当たり前に行うこと
 A豊かで安定した国民生活を築こうとして努力している国々に対し、また地球環境保護のような人類共通の課題について自ら最大限の努力をすること
  ──小沢一郎著の前掲書より

 この2つの要件のうち、日本はAの要件に関しては、十分ではないものの、これまで行ってきていると小沢氏はいっています。
問題は@なのです。@は、安全保障の問題ですが、これについて小沢氏は次のように述べています。

 湾岸戦争時の国際貢献やPKO協力法案をめぐる論議を振り返るまでもなく、こと安全保障となると、にわかに憲法や法制度を口実にしたひとりよがりの理屈がまかり通り、何とか国際協調の責任と役割を回避しようとする。どの国よりも世界の平和と安定に貢献しなければならない立場の日本が、安全保障を国際貢献の対象分野から除外することなど許されるわけがない。
 そのことを冷静に考え、安全保障の面でも自らの責任において自らにふさわしい貢献ができるよう、体制を整えなければならない。これは、軍国主義化、軍事大国化などとはまったく別次元のことである。     
  ──小沢一郎著の前掲書より

 小沢氏がこのようにいうのは理由があるのです。あの湾岸戦争のさい、小沢氏は自民党の幹事長としてこの問題の対応に当ったのですが、その国際貢献をめぐって国が思うように動かなかった反省を踏まえての考え方です。
 その当時、日本は国内の経済発展と財の配分しか考えておらず安全保障の面では米国におんぶにだっこの状態だったのです。これでは日本は「片肺国家」であり、国際社会で通用する普通の国になる必要がある──小沢氏はこう主張するのです。
 ここで小沢氏は、北イタリアに栄えたヴェネツィア共和国のベニスと古代フェニキアの都市、重商国家カルタゴを日本をになぞらえて警告を発しています。
 ベニスは商売が上手だったわけではないのですが、全市民が政治にも安全保障にも積極的に参加し、地中海を完全に制覇していたのです。自由な交易には地中海の平和が不可欠であり、それをベニスは自前の強力な海軍で守り、千年の繁栄を築いたのです。
 これに対してカルタゴは、豊かさという点ではローマよりはるかに上回っていたのですが、安全保障の方は財力にまかせて集めた傭兵で軍隊を作り、国を守っていたのです。つまり、自国の市民は安全保障に参加していないのです。そのため、農民を中心としたローマ軍団に滅ぼされてしまったのです。それでもカルタゴは600年も続いたのです。
 小沢氏は、このままでは日本はまだ66年しか経っていないがカルタゴのようになると警告しているのです。現代の日本の政治家で、これほどしっかりとした国家観を持っている人物はいないと私は思うのです。  
  ─── [日本の政治の現況/75]
 

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