http://www.asyura2.com/11/test23/msg/289.html
Tweet |
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=999
今年6月、リビア北部で、カダフィ派の部隊が拘留者を錠のかかった金属製コンテナに閉じ込め、そのうちの19名を窒息死させたことが、アムネスティ・インターナショナルの調査により発覚した。
生き残った3人の証言によると、6月6日、リビア首都のトリポリより東へ120キロの離れたフムスの建設現場で、カダフィ派の部隊は彼等を拷問にかけ、他26名とともに2つの金属製コンテナに閉じ込めた。
気温が摂氏40度を超える中、拘留者は自らの汗と尿で水分補給を試みた。助けを求めても、看守は「鼠ども静かにしろ」と怒鳴るばかりで、彼らの訴えを無視したという。
8月21日にリビア国民評議会(NTC)の管理下に置かれるまで、フムスは第三者報道機関立ち入り禁止地域だった。そのため、この6月の事件が一般報道されるのは、今回が初めてである。
リビアに滞在中の、アムネスティの北アフリカ研究員ディアナ・エルタハウィは「これは明らかに、一般市民を含んだ人びとに対する、ぞっとするような非人道的な扱いです」と述べた。
紛争のいかなる関係者であれ、拘留者の殺人や拷問は戦争犯罪である。
アムネスティがフムスで、拘留者を拘束する為に使用された2つの金属製コンテナを調べたところ、窓もなく、一旦ドアが閉められると複数の銃撃穴以外は換気口がなかった。
大きい方のコンテナでは、閉じ込められた19名のうち10名が生き残った。2×6メートルの小さい方のコンテナでは、10名中生存者は1名のみである。5月20日から拘束され続けていた拘留者もいた。
6月6日の午後遅くにようやく看守はコンテナを開き、11名の生存者はトリポリの拘置所に移送された。その後彼らは、21日に釈放されたが、翌日に1人が腎不全で死んでいる。
コンテナで死亡した人びとの遺体は、行方不明のままである。
生存者の1人のモハメド・アフムド・アリ(Mohamed Ahmed Ali)は学校教師で、8歳児の父でもある。彼はフムスで反政府デモに参加した後、5月20日に武装した男に逮捕されたと証言している。
カダフィ派の部隊は、彼を無理矢理にひざまずかせ、感電する金属線で頭と背中を打った。そして彼を大きい方のコンテナに閉じ込めた。
モハメド・アフムド・アリによると、6月6日には息をすることさえままならない拘留者が、空気と水を求めて金属製のドアを必死に叩き続けた。
「そこら中に人が倒れていました。我々の衣服は汗でびしょびしょでした。大勢がシャハーダ(イスラム教で死を前に暗唱される信仰告白)を唱え、『死にそうだ助けてくれ』と悲観の叫びをあげていました」と彼はアムネスティに語った。
「私はますます衰弱し、最終的には意識がぼんやりとなって、何も見えなくなりました。気を失ったんです」
もう一人の生存者である、27歳のファラ・オマール・アルガニン(Faraj Omar Al-Ganin)によると、時間が経つにつれ、喉の渇きを満たすために自分の汗や尿を口にする者も現れたという。
「我々は長い間、ひたすら助けを求め叫び続けました。どちらのコンテナも、同じ状況でした」と彼は語った。
「そして沈黙が訪れました。私は、いまだに意識があるのは私一人だと気がつきました。私は『みんな死んでしまったぞ』と叫びました。すると、ようやく看守がドアを開き、私にみんなをコンテナから引っ張りださせたのです」とアルガニンは証言している。
24歳のアデル・ラーマン・モフタ・アリ(Abdel Rahman Moftah Ali)は、小さい方のコンテナ唯一の生存者である。彼は、まわりで拘留者たちが死んでいくのを、ただ見ているしかなかった。
「真っすぐに立てる人などいませんでした。口から泡をふいている者もいました。コンテナ内の人びとが、一人一人倒れ動かなくなるのを私は見ていました。私も頭を打って倒れ、意識を取り戻したときには血まみれでした。まるで地獄のようでした」と彼は述べた。
▼関連ニュース
リビア : カダフィ大佐への追及―法的な質問に関するアムネスティの回答
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=995
リビア : トリポリにおける戦闘が続く中、市民を保護すべき
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=995
アムネスティ発表国際ニュース
2011年9月1日
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。