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「普天間移設が海兵隊グアム移転の前提」というデマ(反戦な家づくり)
http://www.asyura2.com/11/test23/msg/256.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 9 月 05 日 18:55:15: uZtzVkuUwtrYs
 

「普天間移設が海兵隊グアム移転の前提」というデマ
http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-1102.html
2011-09-05(Mon):(反戦な家づくり)


およそ日本の全てのマスメディアが、当たり前のような顔をして流しているデマは数多い。
その中でも、放射能関連と並んで酷いのが、テーマにかいた普天間とグアム移転に関するデマだ。

たとえば、こんな産経の記事がある

在沖縄海兵隊のグアム移転も決定済みだ。しかし、これは普天間飛行場の移設が前提になっているだけに、遅々として進まない移設に米議会の忍耐は限界点に達している。
(引用以上)

米議会に感情移入して拳を握りしめている産経の記者の姿が見えるような、何とも言えない記事だ。
そんな記者の感情はどうでもいいが、言っている内容がデマだ。

デマを意図的に流すマスメディアは、犯罪者だ。
A級戦犯ですら犯罪者じゃないと言ってくれる総理大臣がいるから、何をやっても許されると思っているのだろうが、少なくとも私は忘れない。

なぜデマなのかというと、正しくは 「普天間移設はグアム移転の前提ではない」 からだ。

そもそもロードマップなるものの正当性も疑問だけれども、仮にそれを認めたとしても、ロードマップの中には、「普天間移設がグアム移転の前提」とは書いていない。

外務省のHPから関係箇所だけ引用する


再編実施のための日米のロードマップ(仮訳)


(d)再編案間の関係

全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。
特に、嘉手納以南の統合及び土地の返還は、第3海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転完了に懸かっている。
沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は、(1)普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展、(2)グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的貢献に懸かっている。

(引用以上)

懸かっている という表現は、あたかも前提であるかのように見えるが、英語版で言うと
is dependent on である。

つまり、普天間移設の進展は、グアム移転に大きな影響はあるが、それが絶対ではない ということだ。

そして、それを裏付ける国会証言がある。昨年の5月にかいた記事から、再引用する。


なんと! 普天間の代替施設は義務じゃない

平成二十一年四月十日(金曜日)
第171回国会 外務委員会 第8号
平成二十一年四月十日(金曜日)

(以下引用)

○鉢呂委員 それから、当委員会に出された政府見解でありますけれども、普天間移設ができなかった場合に協定違反と在沖縄のアメリカ総領事メアさんが当委員会の調査団に対して述べたという形に対して、法的義務を日本政府に課しているものではないということで、「普天間飛行場の代替施設を建設しない場合であっても、本協定第三条第二文に違反しない。」というふうに文書で御提示をいただきました。大変これは重い形であろうと思っております。

 そこで、六日月曜日にアメリカ政府にも改めて確認したということでありますが、アメリカ政府のどの段階と確認をしたのか、それが一点。それから、グアム移転施設が完成した場合、普天間代替施設が仮に完成がされていなかった場合は、いわゆる完成が条件となって、グアム海兵隊八千人の移転というのはなされないのかどうか、端的にお答えをいただきたいと思います。

○中曽根国務大臣 最初の、どの段階で米国政府に確認したのかというお尋ねでございますが、私自身、詳細を承知しておりません。(略)

 それから、二番目の御質問が、普天間の建設が実現しない場合、これは協定違反になる、そういう総領事の御発言についての見解という御質問でよろしゅうございましたでしょうか。(鉢呂委員「はい」と呼ぶ)

 これは、提出させていただきました文書にも記してございますけれども、この協定の第三条の第二文は、日本国政府といたしまして、ロードマップに記載されました普天間飛行場の代替施設を完成するという、ロードマップで既に表明されてきました政治的意思を改めて表明する趣旨のものでございまして、普天間飛行場の代替施設の建設に係る法的義務を日本国政府に課しているものではございません。このことは、この協定に係る米国との交渉の経緯とか、また交渉結果を踏まえて、第三条の第二文が「意図を有する。」、英語ですとインテンズ・ツー、そういうような表現となっていることからも明らかなところでございます。

 したがいまして、仮に日本国政府が普天間飛行場の代替施設を建設しない、そういう場合でありましても、第三条第二文に違反をすることはないわけでございますし、また、第三条第二文が日本国政府に対して法的義務を課していないということにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、念のため、六日、米側にも改めて確認をしているところでございますし、米国政府も同様の見解でございます。
(引用以上)

再引用はここまで

要するに、現経産相である鉢呂吉雄が、当時の外務大臣である中曽根に、

「普天間の代替施設ができないと協定違反になるとメアは言ってるが本当か?」ということと
「普天間の代替ができていないと、グアム移転はできないのか?」 ということを聞いている。

これに対して中曽根(当時外相)は、ちょっと質問をはぐらかしたけれども、
「普天間の代替を作らなくても協定に違反せず、法的な義務もない」 と答えている。

つまり、 日米の協定でも日本の法律でも、海兵隊のグアム移転のために普天間の代替施設をつくることは、義務ではない ということだ。

たしかに、idependent on (依存している) とは書いてあるが、依存というのは100%の従属ではないということだ。

逆に言うと、義務ではないが故に、「依存」という表現しかできなかったのである。
さらに外務省の官僚は、普通に訳せば「依存している」になるところを、「懸かっている」と大げさに訳してみたけれども、「義務」とも「前提」とも書くことはできなかった。

「義務」や「前提」は、100%だからだ。
実際は、辺野古ができていなくても、条件次第ではグアム移転は可能だから、「義務」や「前提」ではなく、「依存」という書き方しかできなかったのである。

しかもここで重要なことは、2009年4月の質問者が、現在の経産相である鉢呂吉雄であるということ。

鉢呂は「普天間代替が必ずしもグアム移転の前提条件ではない」ということを、熟知している。
もちろん、他の閣僚も知ってて知らないふりをしているのだが、鉢呂に関しては、絶対的に言い逃れがきかない。
なにせ、自分が質問したのだ。

ところが、この質問者を閣僚の一員とする野田内閣は、猛然と辺野古建設にダッシュを始めた。
「オバマが辺野古を最優先にせよと言った」というのも、出任せか、あらかじめ官僚通しで仕込んでいた話に違いない。

震災復興を優先でここしばらくは話題に上がらなかった辺野古建設に、喜々として向かい始めた。

年内に環境アセス完了へ 普天間移設、政府方針
2011.9.4 中国新聞

しかも、これを仲井真知事に宣告したのは、大臣でなく官僚である事務次官だ。
野田が首相になったとたんに、外相も防衛相もほったらかして、防衛事務次官が沖縄に飛んで知事に一方的な通告をする。
ここに、野田内閣の何たるかが、端的に表れている。

官僚は、野田内閣の発足を期して、自民党時代と同じように大臣の承認を得ずして動いて良い、と判断している。
1年前に、当時の首相が神妙に頭を下げた仲井真知事に、この態度だ

普天間の県内移設譲らず 防衛次官、沖縄知事に明言
2011.9.1 産経

ふんっぞりかえった官僚頭の姿が目に浮かぶ。
さすがの仲井真知事でも、この暴挙には怒りを禁じ得なかっただろう。

これまでの2年間、なんやかんや言って頭を押さえられていた官僚たちは、野田内閣の顔ぶれを見て確信している。
俺たちの時代が復活した と。

これからしばらくは、沖縄だけでなく、官僚の暴走が目に余るようになる。
私たち生活者は、黙っていたら奴らの餌になるだけだ。
ただでさえ少ない糧を搾り取られ、放射線を始め命に関わる情報を、全部隠蔽される。
情報を隠蔽することが、官僚の特権の源泉だからだ。

金を持っている人間だけが情報を得て、安全な暮らしを手に入れる世の中に、今以上になっていく。
普通に働いて普通に暮らしたいと思っている、ほとんどの人々は、500ベクレルの放射能を食わされ、ジュゴンの海を壊され、殺人的なオスプレイの騒音と危険を押しつけられ、49基の原発を背負わされる。

そして、放射能地獄となった福島第一には、これ幸いと日米の核廃棄物をあつめ、処分場にするシナリオが着々と進められている。

福島第1原発事故 最終処分まで管理 非従来型「中間貯蔵施設」
2011.8.28 毎日

この日明らかになった「中間貯蔵施設」は、野積みされている仮置き場と安全に管理された最終処分施設との中間の施設と位置づけられ、放射性物質の地下水汚染や大気中への飛散などの防護設備を備えたものを想定している。しかし、事実上の「最終処分施設」になりかねない。
(引用以上)

原発周辺、長期間住めないと判断…首相陳謝へ
2011.8.21 読売

菅内閣は、アメリカと官僚に心を売り渡した内閣だった。
しかし、野田内閣は、アメリカと官僚に初めから隷従している。
売る心すらない。

そのことを、ハッキリと示したのが、防衛事務次官の突出、オバマの電話、マスメディアのデマ扇動、という普天間・辺野古を巡る一連の動きだ。

ちなみに、防衛大臣は小沢Gと言われる一川だが、この動きに同調するのであれば、なんの同情も不要。
奴隷な野田内閣の一員として、国民の怒りの対象とすべきだ。

奴隷な野田が代表になってから、しばらくは脱力していたけれども、この普天間に関する動きをみて、俄然怒りがわいてきた。
ずいぶん前に行った沖縄の海を思い出した。
沖縄の海は、私たちの毎日にそのままつながっていると言うことを、直感した。


 

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