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子どもと児童 何がちゃうの?
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2011-08-05(Fri):(反戦な家づくり)
子ども手当と児童手当について、いろんな意見が飛び交っている。
子どもも児童も一緒やんか とか 金額はあまり変わってへん とか いやいや所得制限が設けられたで とか、中学生まで給付されるし とか。。。。
具体的な制度の違いは、あっちこっっちで解説があるから、そっちを参照していただきたい。
ここで問題にしたいのは、額とか、給付年齢とかの、程度の違いではない、本質的な違いがあるのか ということ。
ツイッターで、
「それにしても、なんで自民党と公明党は、あんなに強硬に子ども手当を潰したいのだろう?
子どもにオカネを使うことが、そんなにイヤか? そこまで子どもが嫌いか?」
と書いたら、エライ反響で、いろいろな意見も書き込まれて、おもしろかった。
ただ、私がこのツイートで言いたかったことは、「自公がこれだけムキになると言うことは、何か本質的な違いがあるんじゃないの」ということだった。
その点に言及してくれたRTがあまりなかったのは、ちょっと残念ではあった。
財源がどうのこうのという議論は、あくまで表面的なもの。
実際は、自民党も民主党も、本当にオカネがない とは思っていない。
なにせ、ドルが暴落していくのを眺めながら、100兆円ちかい米国債をじっと持ち続けて、何十兆円という為替差損を生み出して平然としているのだから。
ドルが暴落していく原因まではっきりしている局面で、じっと暴落していくのを眺めていたのだから、この為替差損は確信犯だ。
少しでも日本の国の財布を心配しているのだったら、8月2日までの時限措置でも、米国債を金にでも待避させるなどの措置が考えられたはずだ。
日本の財布には、実はまだまだカネが入っているということを、他ならぬ自民党が一番知っているし、二言目にはザイゲンザイゲンと言い続けている民主党執行部もよくよくわかっている。
だから、自民党が子ども手当を執拗につぶしたがる、本当の理由は財源ではない。
では、選挙用に民主党のメンツをつぶしたいのか。
しかし、子どもを持つ親や、孫がいるおじいちゃんおばあちゃんは、有権者の半数くらいになる。彼らを敵に回すようなことをして、選挙対策になるのか?
これもどうもオカシイ。
ツイッターのRTの中には、在日外国人に給付しないため というような意見も恥ずかしげもなく書き込まれていた。
在日外国人からも税金を取っている以上、給付もするのは当然のこと。
レイシストというのは、自分が差別されると大騒ぎするのに、他人のことは全く理解できない連中のようだ。
所得制限をせずに金持ちの子どもに給付するのはバラマキだ という意見もある。
これは、それなりに説得力がある。
自民党が本気でこんなことを考えるはずはないが、自民党支持者でない人のほうが、このように考えるのではないだろうか。
この辺から、だんだん本質論に入ってくる。
■■
誰かも言っていたけれども、小学校や中学校をイメージすると分かりやすい。
なんで、小学校や中学校の授業料はタダなのか。
教科書は無料なのか。
なんで、年収1千万以上のひとから、授業料や教科書代を取らないのか。
なんで、これをバラマキと自民党は批判しないのか。
毎年1兆6千億円ちかい予算を使っている。
もちろん、憲法に無償と明記されているから、そう簡単に有料にはできないが、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と書いてあっても立派な戦力を保持しているお国柄なので、その気になったら何とでもやってしまうだろう。
にもかかわらず、自民党が小学校と中学校を有料にしろとか、所得制限を設けろとか、バラマキだとか言わないのは、国の予算で教育をすることによって、教育の内容をすべて国がコントロールできると思っているからだ。
義務教育=国営教育 という認識があるから、自民党もこれをバラマキだと言わない。
ところが、民主党が本来主張した子ども手当は、金は出すけれども内容はコントロールできない。
手当を出したからと言って、育て方を「あーしろ こーしろ」とは言うことはできない。
さらに付随的には、義務教育費は、箱物や外郭団体や教材などの、官僚経済を潤わすオマケが付いてくるが、子ども手当はそれもない。
だから、自民党も官僚も、子ども手当はもちろん、児童手当だって本当は出したくない。
ところが、児童手当くらいはやっておかないと、およそ先進国とか言う名称を名乗るには恥ずかしすぎる。
アメリカですら、税の控除という形で、子ども一人に1000ドル/年支給される。
で、仕方ないので児童手当だけは渋々出していた。
だから、「子どもを育てるのに困るような貧乏人には、ちょっとだけお手当をだしてやるよ」というのが、制度の精神である。
■■
ところが、子ども手当は、「子どもは国が面倒見ます」 という制度だ。
金額だけ見ても、児童手当が総額で90万円なのに対し、もし子ども手当が全額出ていれば468万円になる。
これだけあれば、家族旅行や贅沢品なんかは別にしても、最低限の子どもの出費は賄えるでしょ、ということ。
親が子どものために出費をしなくても、子どもをなんとか育てることはできるはずだよ という意味。
これは、別の言い方をすれば、国に子育ての義務を課した ということ。
しかも、金は出すけど口は出さない。
こうして考えてみると、もともとの子ども手当というのは、ものすごく画期的な政策だった。
画期的と言うより、憲法の3大義務に、もうひとつ子育ての義務を加えたようなもの。
憲法26条第3項に、
すべて国民は、その保護する子女を育てる義務を負ふ。義務的出費は、これを国が負担する。
と書くくらいの、国のあり方を、根本から変化させるような政策だった。
ただ、残念なのは、それを唱えた民主党ですら、その認識をしている議員がちょっとしかいなかった。
もともと、自民党と同じような認識しかしていない前原なんかは論外としても、子ども手当を推進していた人たちの中にも、児童手当の拡充としか考えていない人が多かった。
分かりやすく言うと、子ども手当 という名称が悪かった。
「手当」ではないからだ。
手当というのは、穴が開いたところを塞ぐ という意味。
でも、これは基本的な出費は国が賄って、プラスアルファは親が付加しなさいよ というもの。
本来は。
だから、子ども給付 とか 子育て給付 というべきであって、手当ではない。
自民党が強硬に「子ども手当」に反対したのは、これが理由ではないかと思う。
だから、所得制限に徹底的にこだわった。
所得制限があると言うことは、国の義務ではなく、あくまで穴を塞ぐお手当だからだ。
■■
子ども手当という名の子育て給付にならぶ、実は画期的な政策は、農家の戸別所得補償だった。
日本の風景が変わるかもしれない、若者の就職先が激変するかもしれない、そんな政策だったのだが、ほぼ稲作農家に限られてしまったので、非常に残念なことになった。
稲作農家は、苦しい中でもまだ何とかなっている農家が多い。
それに、新規就農が非常に難しい。
作物を限らずに、畑作の新規就農なども対象にできれば、スゴイことになるとちょっと期待したのだが、どうもこちらも尻すぼみになりそうだ。
子育てと農業の、基幹部分を国が責任を持つ。
こういうことになれば、国のあり方は確実にかわる。
責任を持つ代わりに、口もだすようになれば、それは全体主義へとかわっていく。
愚かな指導者と共に、遠からず滅んでいくだろう。
金は出すけど口は出さない ということになれば、国民の力が試される。
すったもんだしながら、でも、総じて一人一人の能力が発揮されていくだろうと、私は期待している。
■■
最後に、子ども手当の話題には、なぜかネットウヨが過剰反応する。
曰く、外国人に日本人の税金を渡すな などなど。
まず、こうした言論誘導は、自民党やそれにつながる右翼が、意図的に流している。
それをみた ネットウヨが喜んで大騒ぎしている という構図だ。
自分で実体を調べたりして、意見を言っているワケじゃない。
だから、騒いでいる連中も、意味が分からずにやらかしている。
日本に住んでいる外国人は、当然ながら日本に税金を払っている。
だから、給付も受け取るのは、当たり前のこと。
そんなことにすら、気がつかない。
ま、理屈はさておき、私はレイシスト、差別主義者が嫌いだ。
大嫌いだ。虫ずが走る。
こういう連中が反対しているというだけで、「きっと良い政策なんだろう」と思えてしまうくらい。
そんな私の感情的な反応も、あながち外れではなくて、ネットウヨが調子に乗ってワーワー言うことの裏には、本当の意味を知らされないで騒いでいるヤツらの意図とは別の意味で、何かがある。
子ども手当の場合、それは、「子育ては国が見返りナシで責任を持つ」という問題だった。
その点では、残念ながら民主党執行部は、完敗した。
8月2日ギリギリまで交渉したオバマほどの根性もなく。
まあ、ワザと負けたんだろうけどね。
※念のため、子育て関連給付と出生率の関係を上げておく
http://img.asyura2.com/us/bigdata/up1/source/5266.jpg
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