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投稿者 てんさい(い) 日時 2011 年 8 月 06 日 13:52:40: KqrEdYmDwf7cM
 











ガンを患った女の子



中国ガン村の惨状 あるボランティア女性の報告










 【大紀元日本8月6日】マレーシア在住の中国系女性・唐米豌さんは2002年からの7年 間、中国のガン村で患者を支援するボランティア活動を続けてきた。2009年、彼女がガン村の惨状をまとめた文章を発表して以来、中国政府のブラックリス トに載せられて、入国禁止となった。唐さんは、「この7年間、私は命の尊さを真に理解できた。そして、自分は以前どれほど贅沢だったか、どれほど浪費して いたかを思い知らされた」という。



以下は彼女が明らかにした内容の概略である。



*************************



中国では200か所以上のガン村が存在するといわれている。私は広東省の医療チームに同行して、河南省の30か所のガン村を訪れていた。これらは皆外国 人が立ち入り禁止の地域であり、一部の村の入り口には柵が設置されており、村に入っても勝手に質問したりしてはならない、むろん写真撮影は絶対禁止。中国 人の顔を持つ私は真相を知ることができた。



中国の農村部を歩き回って7年間、私が最も驚いたのは、極貧村でもなければ、江西省での地震でもなく、ガン村の現状である。



湖北省には唐河という河があり、河南省の区域に入る









ガン大量発症の元、汚染された唐白河

と 唐白河と呼ばれた。川沿いには200か所以上の村があり、各村の世帯数は200余りで、人口は約1千人。そこの外資系企業の工場が汚水を河に垂れ流してい るため、唐白河全流域がひどく汚染されている。沿岸の村に人々はその川の水で生活しているため、多くの村民が末期ガンを患っていた。



医療チームの女性看護師は、一度その川水で手を洗っただけで、指が腐乱しだした。



医療チームに同行してガン村を訪れた初日に、一人の医者が私に告げた。「この子は末期ガンで、もう長くないです。半年以上体を洗ってないし、寝返りをさせてあげる人もいません。この子の髪の毛を洗ってあげましょう」



私はこの子の体を引っくり返した。するとなんと、背中には本よりも大きな空洞ができている。私は老眼なので、目の前には白くぼやけているものしか見えな かった。メガネをかけてみて、びっくりした。寄生虫がいっぱいいるではないか!私は手袋をはめていたが、傷口に触れると、瞬く間にたくさんの寄生虫が私の 両腕に這い上がってきた。そのとき、「もう死んじゃう!死んじゃうよ!」と思った。体が固まって思考力が止まった。逃げることもできなければ、叫ぶことも できない。この子を驚かせてしまうからだ。ただひたすら涙が止まらなかった。



隣の看護婦さんは私を催促していた。「唐さん、早くしてください。早くしてね、まだたくさんの家庭で傷口の処理をしなければならないのです」。私は涙を流しながら、手の震えが止まらず、傷口を処理していた。



半年以上排便していないガン児童



傷口を処理し終わって、去ろうとしたときに、先ほどの医師に止められた。「唐さん、まだ終わってないのよ。肛門から便を出してあげてください」



「まさか!肛門から便を出すなんて!来る前には、そのような仕事内容を聞かれていない」と、唐さんは一瞬ムッと来た。それもそのはずだ。もし事前に聞かせたら、ここまで来なくなるかもしれない、と彼らも心配していたのだ。



もう逃げ道がない。ここまで来た以上、髪の毛も洗った、傷口も処理した、最後は排便補助か。やるしかない。この末期ガンの児童はすでに何か月も水を飲ん でいない。お金がないからだという。浄水は1口や2口しか飲めない。長期間水を飲んでいないため、排便は一層困難になった。考えてごらん、半年以上も排便 していないんだから、そのお腹がどれほど大きいか。



硬くて臭い便、どうしたらいいのか。以前、私はマレーシアで臨終間際の人への奉仕活動に参加していた。まあ、病院で歌を歌い祈ってあげる程度のものだっ た。肛門を開いてあげて排便補助するなんてありえないことだ。たとえ、やれと言われても、私は自腹で人を雇ってやるはず。しかし、ここではだれもやってく れない。自分でやるしかない。私は全身が固まったまま作業を始めた。それからの丸1日、ご飯が喉を通らなかった。













半年以上排便しなかった女の子



その日の夜、私は心の中で誓った。明日は日が昇らないうちに早起きして逃げよう!



翌朝になると、私はまた木の車を押しながら出かけていた。昨晩の誓いはどこかに飛んでいたのだ。そして、自腹でたくさんの浄水を買ってきて、末期ガンの児 童を持つ家を一軒一軒訪ねて、体を洗ってあげた。夜戻ってきたとき、髪の毛から足の裏まで体中が臭い。自分は本当にバカだ、誓いを忘れるほどのバカだ。明 日の朝は絶対に早起きして逃げる!



しかし、その翌朝になると、また誓いを忘れた。このように毎日誓って、毎日忘れるという日々が続いた。そのうち慣れてきて、麻痺してきた。不思議なことに、排便補助をしながら、マレーシアの民謡を歌うまでに余裕が出てきた。



自分でも自分のことを分からなくなった。最初は震えながら、泣きながらだったが、最後は余裕すら出てきた。



自腹で、ガン村でボランティア活動



あれ以来、私は月の半分は広東省の医療チームに同行してガン村でボランティア活動を続け、月の半分は東莞でアルバイトして生活費を稼いだ。



医療チームの医師と看護婦は全員ボランティアだった。休みを取るのがなかなか難しいため、毎回、チームのメンバーが変わる。ただ、体を洗うのは必ず私だった。



医療チームは広東省各区の医師と看護婦からなっている。彼らの環境は本当に厳しい。私もすごく感動した。なぜならば、一般の中国人は絶対に参加しない。 ガン村のようなところのこのような重労動なんてありえない。正直にいうと、初めは私は騙されて連れて行かれたと思った。実際の状況を事前にまったく説明さ れていなかった。ただ、人助けのボランティアができるか、患者を支援したことがあるか、としか聞かれなかった。私はその場で参加したいと即答した。現場に ついて、現状をはじめて知ったのであった。



傷口を処理するのはまだできるだが、肛門を広げるなんて!だれでもできることではないと思う。初めは私もできなかった。強い決心で克服できた。そのとき の慌てぶり、怖い感覚、臭い匂い、などなど。そのうち、慣れてきて当たり前のようになった。自分は適応能力は結構高いとも気づいた。以前記者や、新聞制作 に携わったおかげだと思う。どこへでも出かけ、何でもやる、そして、冒険心をすこし築いていたからだ。



最大の悲しみ:一粒のキャンディ



実は、私はこのボランティア活動を続けるのに躊躇はなかった。これらの子どもたちは成長する機会もなく、明日もないからだ。今日はまだ生きているのに、 明日はすでに死んでいるかもしれない。だから、彼らの夢を叶えてあげたいと思った。こどもたちの夢、理想、心の願いが何なのかを知りたかった。そして、私 は一軒一軒の家庭を訪問した。その答えに私は驚いた。子どもたちは口を揃えて、「亡くなる前に一粒のキャンディを食べたい」と言ったのだ。50歳過ぎた私 だが、娘が亡くなったときも、いろいろな天災事故に遭ったときにも、これほど悲しいと思ったことはない。



マレーシアでは、すべての子どもにとって、一粒のキャンディはたやすいものだ。それが理想や、夢あるいは心の願いになるなんてありえない。しかし、これ らの末期ガンを患った子どもたちはみんな、私に一粒のキャンディが欲しいと言った。この一件は私に強い衝撃をもたらした。私は彼らの夢を叶えてあげたい、 心から喜んで叶えてあげたい。



私は自分のお金でたくさんのキャンディを買ってきた。みんなに一缶ずつ配った。私の唯一の願いは、彼らがこの世を去る前に、体を洗ってあげて、気持ちよく送り出してあげたい。そして、行く前に楽しそうにキャンディを食べてほしい。たかがキャンディだ。



後に、ガン村に行く途中で強盗に遭い、脇腹を刺されてマレーシアに帰国して治療することがなければ、そして、中国政府のブラックリストに載らなければ、私はいまだにガン村でボランティア活動を続けているはずだ。



強盗に遭い負傷して国に帰る



多くの人が、私のことを「婦人の仁」だと評した。あの2人の強盗は私を銃で撃ち、金を奪ったのに、私はなぜ、公安の事情聴取のときに、彼らを告発しな かったのか。なぜならば、私の金を奪い、私を傷つけたのはこの2人だが、私の命を救ったのもこの2人だったからだ。出血が止まらない私をみて、この2人は 泣き出した。泣きながら押し車で私を村の保健所に運んだ。その後、村民たちがワゴン車で私を町の病院に運んだ。後1分でも遅れていれば、私は死んでいたの だ。



後に、公安警察が事情聴取するときに、私はこの2人の強盗を知らないと答えた。実際には、彼らの家族にも子どもやお年寄りがおり、私が体を洗ってあげた り、浄水を買ってあげたりしていた。事件発生後、多くの人は私のことを「婦人の仁」だといい、彼らを刑務所に送り込むべきだと主張した。しかし、私の命を 救ってくれたのも彼らなので、私はそれ以上追究しなかった。彼らは本当に貧しくて、どうしようもなく、理性を失い強盗を起こしたのだ。



この一件の後、神様が私を助けてくれていると感じた。私がそのときの体験を書いた「血染綿花地」(血に染まった綿花の地)が、第三回星雲文学賞で短編小説の特別優秀賞を獲得した。賞金の額は、私が当時奪われたお金と同額だった。神様が私にお金を返してくれたのだ。



ガン村の子どもには明日がない



河南省のガン村では、植物がまったく生えなくなった。村民らは田植えができない。汚染された川の水で畑を灌漑できないからだ。だから、綿花以外は、野菜も米も、何も育てられない。



実際には、ガン村のたくさんの写真を公表できない。恐ろしすぎるからだ。だれもがきっと怖いと思うからだ。



ガン村のこどもたちはみんな、いきいきとしている。しかし、彼らには本当に明日がない。今日はまだ外で遊んでいるのに、明日は病床に倒れているかもしれない。



彼らは本当に極貧だ。そのため、ガン村を離れることもできない。しかも、中国では引っ越したくてもその地の戸籍がなければ、引っ越すこともできない。マレーシアでは身分証明書を所持していれば、どこに住んでもいい。



****************************



オリンピックの盛大な式典と村人の命



唐さんは後にマレーシアのあるシンポジウムで中国のガン村の状況を証言し、参加者の関心を集めた。多くの人はその場で泣いてしまった。ある参加者は、ガン村の村民には飲用の浄水がないのに、なぜ現地政府は支援しないのか、と質問した。



「この問題は胡錦濤または温家宝に聞くべきだ。私は答えられない。私が知る限り、現地政府は支援を行っていない。そのときはまさに、2008北京五輪の準備・開催の時期だった。政府はこの件を隠ぺいし、現状を公表するはずもない」と唐さんは語った。



「私は中国のインターネットでこの現状を公表した。中国政府が、五輪開会式の一つの出し物にかけた費用をこのガン村に使い、医療のサービスをすこしでも 提供すれば、大勢の患者がもうすこし楽に生きることができたはずだ、と。この書き込みは30分もしないうちに削除された。私が中国のどのサイトに情報を発 信しても、すぐに削除されてしまう。30分以内に消える。だから、その質問については、温家宝と胡錦濤に聞くしかない。私は答えられない」



外国人はガン村立ち入り禁止



シンポジウムでは、ある参加者が自分の体験を紹介した。それによると、彼女は30日間の観光ビザで中国を訪れていた。彼女は唐さんにこう質問した。「私は観光客の身分でガン村に入れますか」。



「あなたは入れない。村の入り口ですでに遮断されるはず。絶対に入れてもらえない。外国人の身分だとばれたら絶対にだめ。私は流暢な広東語を話せるた め、深セン市在住のおばさんと思われた。それでも行く先々の村では、まず町役場の許可をもらい、それから県政府の許可をもらわなければならない。そのよう にして、毎回私は3か月間滞在できた」と唐さんは言う。



「後に、外国人であることがばれてしまい、私は河南省でボランティア活動を続けることができなくなった。現地政府はガン村の情報を完全に封じ込め、外国人が入ることを絶対に許されない」



中国を離れてから、唐さんはガン村の真相を本にまとめて発表した。彼女は依然として、中国で貧困者支援のボランティア活動を続けたいという。「しかし今、私は中国への入国が禁止されている。ブラックリストに載ったのだ」



唐さんは外国人が見ることのできない、そして、多くの中国人が関心のない現実を図らずも見ることができた。彼女は、自分が目の当たりにしたのは氷山の一 角に過ぎないという。「中国では一体、どれほどのガン村があるのか、知る術もない。控えめな統計でも、中国の農村部では3億人以上が安全な生活用水がな い」という。



注:唐米豌さん



本名:陳美芬、1956年マレーシア生まれ









ガン村の真相を本にまとめて出版した唐米豌さん

。 長年、新聞記者を務め、後に引退してボランティア活動に励んでいるる。中国のガン村での7年間のボランティア活動を2冊の本にまとめて、2010年に出版 した。また、講演などで中国の現状を積極的に訴えており、「自分は普通の中年女性であり、できることは限られている。しかも、まだよく行えていない。本を 通して、国際社会の共感を呼び、善意的な行いを広げていきたい」という。



(記者・楊暁慧、翻訳編集・叶子)
 

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