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高速増殖炉「もんじゅ」の危険性とナトリウム(動画付)
高速増殖炉「もんじゅ」の最大の危険性は金属ナトリウムを1次冷却材に使うことにありますが、その危険性があまり知られていません。
一次冷却材として使われる金属ナトリウムは消防法(第2条第7項及び別表第一第3類1号により第3類危険物)で危険物にに指定されているほどに危険な物質です。
ナトリウムは化学的な反応性が高く、酸、塩基に侵され、水と激しく反応します。
高速増殖炉はその危険なナトリウムを冷却材として大量に使います。恐らく数百トン単位でしょう。
しかもその回りにはナトリウムが爆発を起こすに十分な量の水が数千トン単位で存在します。薄いパイプを通して二次冷却用の水と熱交換をしています。
福島の地震で一号炉の冷却材喪失がパイプの破断により起きたことが一部で言われていますが、高速増殖炉で冷却系のパイプ破断が起き、水と反応すれば大爆発が起きます。1次系ではありませんが、浜岡原発でも2次冷却系のパイプ破断による事故は発生しています。
ナトリウムと水との反応がどれほどに危険かは以下の動画をご覧ください。
水との反応は強い発熱反応なので水の中にいれたとたんにナトリウム自身が粉々になり、表面積の増したナトリウムが更に発熱し、反応が連鎖的に進みます。
Na + H2O → NaOH + 1/2 H2
※さらに発生した苛性ソーダが水に溶解する歳にも溶解熱を発します。
もし「もんじゅ」で冷却系配管の破断事故が起きれば悲惨な事態になります。大爆発で放射性物質が大量に撒き散らされるのは火を見るよりも明らかです。
もうひとつの宿命的な問題はナトリウムが空気中の湿度と反応して強アルカリ(腐食性)の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を生成することです。
高速増殖炉の配管がどのような素材で作られているかは分かりませんが、副生成物の水酸化ナトリウムが金属のパイプ等の設備を腐食させる可能性は低くありません。
完全に空気中の湿度を除去した環境下なら問題はありませんが、メンテナンス時にそのようなことが可能なのか、また燃料交換の為に炉心のフタをあけた際に水酸化ナトリウムが次第に生成されないかどうかは全く分かりません。
化学的に安全にするには炉をガラスなどで作る他に方法はありませんが、それでは熱と圧力に耐えられないでしょうし、肝心の反応が起こるかどうかもわかりません。また放射線の遮蔽ができるかどうかも分かりません。
もっと怖いのは、火災です。原理上火災が発生しやすく、ナトリウムが水と反応して出きる苛性ソーダは強アルカリの腐食性の危険物質で、うかつに素手で触れようものならヤケドします。
火災が起きても消防車で水をかけることもできません。そんな事をすれば火にガソリンを注ぎ込むようなものです。
このような危険性は、あまり知られていません。ぜひとも「もんじゅ」の停止も管政権には決断してもらいたい。
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