http://www.asyura2.com/11/senkyo124/msg/892.html
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なんでしょう、橋下氏のこの無責任ぶりと高飛車ぶりは...
●YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ビル購入費訴訟に橋下市長「選挙で落とせば…」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120112-OYT1T00559.htm
2012年1月12日
耐震性を十分調査しないまま、大阪市住之江区の旧WTCビル(現・大阪府咲洲(さきしま)庁舎)を購入して大阪府に損害を与えたとして、市民団体「おおさか市民ネットワーク」のメンバーら82人が12日、松井一郎知事を相手取り、前知事の橋下徹・大阪市長に同ビルの購入費や移転費など96億3000万円を返還させるよう求める住民訴訟を、大阪地裁に起こした。
訴状などによると、橋下市長は知事時代、府本庁舎(大阪市中央区)を同ビル(55階建て、256メートル)に全面移転する構想を表明し、一昨年6月、市側から約85億円で購入した。しかし昨年3月の東日本大震災時に壁など約360か所が損傷し、専門家から揺れに対する弱さを指摘されたため、全面移転を断念。現在は第2庁舎として使われている。
今回の提訴について、橋下市長は報道陣に「議会で議論し、賛成を得たが、たまたま震災で問題が生じた。将来のことまで予測できない。移転反対の人たちは選挙を通じ、僕らを落とせばよかった」と話した。
(2012年1月12日12時07分 読売新聞)
(転載ここまで)
「議会で議論し、賛成を得た」とか「将来のことまで予測できない」とかいうのは、実際の議会討論での展開などを見れば、言い訳にもなっていないということがわかるのです。それはこの記事の最後に、関連記事を紹介しておきますので、そちらを読んでいただくことにします。
いずれにしても、失敗をして組織に大損害を与えた者が反省の様子も見せずにこんなにふんぞりかえっているようでは、この者や組織は何度でも同じ失敗を繰り返すとしか思えないのです。冷静に考えて、みなさんもそうは思いませんか?
そこで、この住民訴訟を応援したくて、この記事にします。まず、「バカ殿ネタ垂れ込み部屋」というシリーズを続けている秋原葉月さんの記事をお借りします。
●Afternoon Cafe
WTC問題で橋下氏に対する住民訴訟が提訴されます〜ジャーナリスト西谷文和さんのブログとツイッターより
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-840.html
2012.01.10 ( Tue ) 03:00:00
ジャーナリストの西谷文和さんが1月12日に橋下前知事を相手取ってWTCビル購入&庁舎移転に伴う税金投入問題で住民訴訟を提訴します。拍手を送りたいです。
1月3日の段階で委任状(原告になるという意思表示)が続々と到着、原告団も人数が多数になりそうです。
といっても現在では橋下前知事に対し直接返金を求めることは出来ず、松井知事に返させるよう求めることになるんだそうです。
ツイートによると
なぜ、橋下個人に請求できないかというと、全国でオンブズマン裁判が増えて、頭を抱えた政府が、「役職をおりた個人」に対しては、直接請求できなくするため法律を改悪したらしい。民主党政権は姑息だ。しかし見方を変えれば、松井知事にも裁判に出席してもらえるかもしれないので、いい方に解釈したい
とのこと。
橋下氏は市長に就任する前に、平松前市長の側近だった市職員を更迭したり、「(橋下氏の)民意という単語が僕の(認識)とは違う」「向こうが言っている二重行政が分からない」と発言した市職員に反省文を書かせて提出させたりと、いかんなく暴君ぶりを発揮しました。もうこれ、訴訟ものの不当処分です。
しかし大阪市労連はこの不当処分に対し抗議するどころか平身低頭で平謝り、最初から追従する実にふがいない姿勢を披露しました。
「権利のために闘うのは義務である」という有名な言葉の通り、権力者の不当な行為に対しては断固として闘わなければ、それは不正を追認し、のさばらせることに手を貸しているも同然です。
大阪市労連が橋下氏に追従するなら、橋下氏を常時躊躇させる存在はゼロに等しくなります。
これについて、広原盛明教授が批判されていますので、是非ご一読を。
◆広原盛明のつれづれ日記
橋下市長にひれ伏す大阪市労連委員長の卑屈さと惨めさ、(大阪ダブル選挙の分析、その7)
http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/20120107/1325905807
大阪市労連はああでしたが、市民が立ち上がってくれたのが嬉しいです。
でも、日本の裁判所は権力におもねり、絶句するような不当判決を出したがることが多いので、WTC裁判の行方は決して油断出来ません。私は日本の裁判所を信頼していません。
もしこの裁判で橋下氏が勝てば、彼を訴えた2つの裁判で彼は連勝するわけですから、司法は彼をまたまたつけあがらせることになるという危険も伴います。
でも闘う手立てを尽くすことをやめてはいけないと思うのです。(どうか最高裁で竹内行夫氏にあたりませんように!)
では、西谷さんのブログからお持ち帰りさせていただきましょう。
◆イラクの子どもを救う会ブログ
橋下前知事に対して、住民訴訟を始めます
(引用開始)
脱原発の学習会で、「(脱原発を決めた)ドイツと日本の違いは何でしょうか?」との質問が出た。おそらく、それは「責任の取り方が違ったからだ」と思ったからそう答えた。
ナチスの犯罪を謝罪し、犠牲になったユダヤの人々にちゃんと補償をしたのがドイツの戦後。一方、日本は「一億総懺悔」で、「過ちは繰り返しませんから」と石碑に刻む。何という曖昧さ、そして主語のない文章!
今回の原発事故もそうだ。「がんばろう福島」「負けないっぺ福島」。そんな標語で生活は補償されるのか?流された家は帰ってくるのか?ローンは、仕事は…。
町に掛ける看板は「東電よ、きちんと補償せよ」「政府は責任を持って故郷を復興させよ」であるべきではないか。
エジプトやリビアで、独裁者を打倒する若者たちの運動を目の当たりにしてきた。彼らは独裁者に偏る富、理不尽な格差、政治的自由などを求めて、街頭に繰り出し、デモをして、とうとうその独裁者を打倒してしまった。
つまり中東の若者たちは敵を見誤らなかった。貧困層と中間層が団結し、「生活を苦しめている本当の敵」に向かっていった。
一方、日本はどうだったか?
年収700万円の「隣の公務員」に対して、年収200万円の非正規労働者が「怠けている」「リストラされないのは不公平」「ダメなヤツはクビを切れ」と、その怒りを向けた。
しかし怒りの矛先が向かうべきだったのは、「株式の投資で年間何十億円もの所得を得ている人々」「内部留保を溜め込みながら、労働者のクビを切り捨ててきた大企業経営者」「そんな富裕層から献金をもらって当選してきた政治家たち」ではなかったか。
日本の株式所得に掛けられる税金はわずか10%だ。そして新富裕層は株や証券の投資で、巨額の富を築いている。
ではなぜそこから税金を取らないのか?ちなみにフランスは株の所得に30%課税している。なぜ毎日の生活がギリギリの人々が消費税を10%も取られようとしている時に、この株式所得への極めて低い課税率が問題にならないのか?
本来なら、非正規雇用の労働者と公務員が連帯して、「富裕層からもっと税金を取れ」と言うべきなのに、なぜ「底辺同士で」争っているのか?
橋下新市長は一部で「ハーメルンの笛吹き男」と言われている。笛の音に釣られて洞窟に閉じ込められた子どもたち。
この場合、確かに笛吹き男には罪がある。しかし「だまされてついていった子どもたち」に罪はないのか?
「だまされるな、この王様は裸だ!」と叫ぶ子どもになろう。
私はこの笛吹き男、いや大阪新市長を相手取って、WTCビル購入と庁舎移転の問題について、来年早々から裁判をすることになる。WTCビルへの府庁舎移転に伴う巨額の税金支出に関して、橋下徹前知事の責任を明らかにし、彼にそのお金を支払ってもらおうという裁判である。
提訴は1月12日になる予定だ。
(引用終了・太字は私)
太字の部分は私も何度かブログで主張してきたことでもあり、激しく同意。何度でも繰り返し言いたいです。
「ひとつになろう日本」「絆」という言葉の乱発は、庶民に自助努力を促して、結局本当の責任者である政府と東電に対する国民的な責任追及を薄める恐れがあります。
必要なのは、本当の敵、本当の責任者に向かって、庶民が連帯して対峙することです。
「仮想敵」「スケープゴート」をしたてあげ庶民の憎悪をそちらに向かせてガス抜きさせるのは、「分断して統治せよ」を実行するために支配者が使う古典的な常套手段。いつまでこんな古い見え見えの手にひっかかっているのですか日本人は。
西谷さんは一連のツイートでも、とても大事なことを指摘されていると思うので、これまたお持ち帰りさせていただきます。
私は橋下徹という人物そのものには、ほとんど何の恐怖も感じない。怖いと思うのは、なぜ大阪府民がこの「しょーもない」人物を、あれほど支持したのか、ということだ。
おそらく、橋下的なもの、が求められている時代になった。それは何故か?を考えなければいけない。彼はよく「敵を作って、それを叩く劇場型」と言われる。でもその指摘は「一部正しいが、全部ではない」と思う。彼は「敵を作って叩いている内に、本当に、その敵を憎くなってしまう
続き) コントロールができない人なのだ。だから彼の行動に裏があるのでは?と思う人がいるが、彼は「素でやっている」のだと思う。例えば児童文学館。彼は児童文学館をつぶすために、全精力をそそいだ。周囲は「何であれほど、廃館にしたいのか?」といぶかしがった。でも彼は「あの時点で
児童文学館と、学芸員が憎かった」のだ。ただそれだけ。単純な話。しかし周囲は、そうは思わない。何か背景にあるのでは?と考える。しかしそうではない。だから恐ろしい。背後に何か意図があれば、それが透けて見えることがある。彼は「素」でそれが行える。 WTCでもそうだ。
今日、弁護士から「何で彼はそんなにこだわって庁舎をWTCに移したかったのでしょうか?」と尋ねられた。わからない。ただ橋下のやっていることを総合的に判断すると、ただ、府議会議員の中で「WTCへの庁舎移転に反対するヤツら」に対して、「白か黒か」をつけたかった、のであろう。
つまり、彼は「勝つか負けるか」で、勝負してきた。彼に抵抗する人々は全て敵、なのだ。児童文学館も、教育基本条例も、WTCも、話し合いには一切応じない。イヤなら選挙で勝負しましょう。勝てば民意でしょう?
ところが、自分より強い人々(例えば石原)などにはコビを売る。スネ夫のように。石原に対しては絶対に「勝負しましょう」とは言わない。それは経験的に分かっている。おそらく関西財界とも決死の勝負はしない。ただ「囲われた安全範囲の中だけ」で勝負する。メディアは、彼にとって、「安全な池」
池の中で泳ぎながら、強さを誇示する。外洋では泳げない。そんなスネ夫が橋下であるが、有権者の視野も狭くて、「池の中でバタフライする橋下」に拍手を送る。彼は決して外洋には出れないのに。
おそらく彼は今「怖くて仕方がない」のだと思う。次から次へと目立つことをしなければ飽きられてしまう。「飽きられるのが怖い」のだ、だから次々と敵を作る。今は大阪市役所の労組だ。おそらく大阪市役所の労組は根性なしなので、すぐに(すでに)撃沈する。撃沈したら、次の標的を探さないといけない
市役所と労組を撃沈すれば、生活保護者かもしれない。生活保護者の次は…。おそらく標的にするタマがなくなる。その時に、彼は国政に出るか、タイミングが悪ければ、大阪市役所の何かを的にして、アドバルーンを揚げるだろう。つまり「自転車操業」。結局は彼自身の野望のために、周囲の関係者が疲弊
問題は有権者の方にある、こんな彼の手法に、もっと早く気づかねばならない。もちろん既成政党には愛想が尽きているだろう、しかし彼のような人物に行政を任せれば、彼が去った後ぺんぺん草も生えないほどに共同体は破壊される。教育もそうだ。これを元に戻すだけで数年はかかる
だからここで止めないといけない。裁判を始めたのもそのためだ。まだまだ彼の催眠術にかかっている人は多い。でも覚めてみれば、怨嗟の声がわき上がる。間違いなく、彼は大阪府民の生活を踏み台にして、国政に駆け上がろうとしている。ナチスも「一度ヒットラーにまかせてみてもいいのでは」
ドイツ国民がそう思った。背景には第一次世界大戦の過重な賠償があった。しかしまかせてみたら、権力を持たれて、取り戻せないのだ。彼はよく「これは権力闘争ですから」という。まかせてみたら、とことんまでいく。戻らないのだ。だから今止めないといけない。
最後に、有権者が「おまかせ主義」なのが一番の問題。アラブの春も、オキュパイ運動も外国では、自分が立ち上がる。日本では「誰かリーダーシップがある人」にまかせる。これが橋下をつけあがらせている。「この国を変えるのは俺だ」と。違う、一人ひとりの国民が変えなければならない。
自民党から共産党まで「私にまかせて」「入れて」とお願いしてきた。違う。「お前が考えろ!」と突き放すべきだった。だから既成政党に魅力を感じない。労働組合もそう。自分たちだけ、非正規労働者を守ってこなかったツケが出てきて、そこを橋下につかれている。
おそらく自民党から共産党、労組幹部は猛省しなければならない。しかし彼らは団塊の世代で、すでに退職しているか、現役を退いている。でも年金生活者になっても、地域で底上げ運動はできるはず。地域に帰れば何もしないのはダメ。団塊の世代のみなさん、あなたにも責任あるのです。
随所に共感を覚えますが、エントリーも長くなってきたのでこの部分だけをもう一度強調したいです。
アラブの春も、オキュパイ運動も外国では、自分が立ち上がる。日本では「誰かリーダーシップがある人」にまかせる。これが橋下をつけあがらせている。「この国を変えるのは俺だ」と。違う、一人ひとりの国民が変えなければならない。
自立した「個」を持ち、「個」がきちんと自己主張をし、同時に他の「個」も尊重するという本来の個人主義は、「横並び、協調性、目立たぬ事」を子どもの頃から無意識のうちにすり込まれる日本社会ではまだ成熟しきれていないのだと思います。
個人主義が未発達なぶん余計「誰かエライ人におまかせ」が高じがちですし、それはポピュリスト、ファシストにとって実に扱いやすくつけ込みやすい性質です。
一人一人が立ち上がり
連帯して
真の敵を見極めて、抗議し、要求することによってしか
敵を退場させてこの生きづらい社会を変えることはできないのだと
何度でも言いたいと思います。
(転載ここまで)
あと、この記事でもこの訴訟の紹介をしています。
●Everyone says I love you !
橋下大阪市長に府庁舎購入の損害96億円返還請求を求める住民訴訟提起 大阪都構想で追及を逃れられるか?
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/9e5795ff807ac74ba3f42256259238f0
2012-01-13 15:50:42
さて、困った地方自治体首長の問題点をていねいに指摘しているブログを秋原葉月さんがまとめているので、私もこちらにリンクをお持ち帰りさせていただきましょう。
◆Everyone says I love you !
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake
(バカ殿ネタを比較的たくさん取り扱っておられるブログです)
◆橋下知事の大阪都構想を、きちんと考えてみる
http://miniosaka.seesaa.net/
(ブログタイトル通り、都構想について冷静に詳細に検証しておられるブログです)
◆miirakansu:tumblr
http://miirakansu.tumblr.com/
(有名な橋下ワクチンを開発されたブログです)
◆opeblo
http://d.hatena.ne.jp/opemu/
(バカ殿の矛盾を気持ちいいほどに突っ込んでくださいます)
◆イラクの子どもを救う会ブログ
http://www.nowiraq.com/blog/
(WTC住民訴訟を起こされた西谷さんのブログです)
それから、橋下氏の「議論テクニック」についての復習。
■橋下徹式言論「テクニック」の舞台裏 (中島岳志氏、マガジン9)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-2983.html
私からは、ゆりひななさんの「軒づけ日記」もお勧めです。
●軒づけ日記
http://yurihinana.blog.fc2.com/
そして、先ほど、『「議会で議論し、賛成を得た」とか「将来のことまで予測できない」とかいうのは、実際の議会討論での展開などを見れば、言い訳にもなっていないということがわかる』と書きました。それを『イラクの子どもを救う会ブログ』で説明した記事をご紹介します。
●イラクの子どもを救う会ブログ
WTCビル問題 提訴にあたって
http://www.nowiraq.com/blog/2012/01/wtc12-1.html
2012年1月12日 00:51
日付が変わっていよいよ本日から、大阪地裁で松井知事に対し、「橋下徹前知事に、WTCビル購入と庁舎移転で浪費した96億3千万の税金を返還するように命令せよ」という住民訴訟が始まる。
明日、裁判所でなぜ80名を越える大阪府民が、この裁判を始めたか、について説明することになる。そのため、経過をまとめたので、以下、ご紹介する。
私たちがなぜ訴訟するに至ったか。
⑴ そもそもの発端
まず08年8月、就任まもない橋下知事がこのビルを視察した際、「関西再生の光が明石海峡の奥から見えた。ここしかない」と、ほぼ独断で購入&移転を決定した。しかし府議会議員や専門家などから、「耐震性に疑問がある」「防災拠点にするのは無理」「遠くて不便だ」など異論が噴出。そんな「真っ当な意見」に全く耳を貸さず、橋下前知事は突っ走った。
⑵ 府議会への恫喝
09年3月、府議会は移転にも購入にも反対した。知事は09年10月に再度移転条例を提案、「否決されれば出直し知事選挙、議会解散」など府議会議員を脅迫しながらの採決だった。この結果、府議会は「移転条例には反対だが、購入予算には賛成」という玉虫色の結論を出した。
ここで特記すべきは、3月議会は無記名投票だったが、「これでは誰が賛成し、反対したか分からない」と前知事は記名投票を要望。10月議会は府議会議員が「恫喝」された中での、記名投票だった。
その結果としての、「購入に賛成、移転に反対」。
⑶ 移転条例は否決されたが
府議会における2度の移転案否決にも関わらず、知事は10年4月頃から11月頃にかけて、職員の引っ越しを開始させ、現在はWTCビル(咲洲庁舎)に本庁舎5千人中、約2千人の府職員が引っ越しを完了させている。これは府議会が移転条例は否決したものの、移転費用を含めた予算を通過させたからである。
⑷ 地震が来た
WTCビルは、大阪南港の埋め立て地に建てられた55階建ての超高層ビル。南海、東南海地震が大阪平野を襲えば、咲洲自体が陸の孤島になってしまう。はたして大丈夫なのか、と少なくない人々がやきもきしていた。
そして今年3月11日、巨大地震が東日本を襲った。遥か彼方で起こった地震にも関わらず、WTCビルは長周期振動で大揺れ。ビル壁のひび割れ、天井パネルの落下、水道管の断裂など350カ所に及ぶ被害が出た。
⑸ 他人(特に職員)には厳しく自分には甘い
地震後、あのビルに移転するのは最初から無理だった、という常識的な指摘に対して、知事は「当時は巨大地震を予想していなかった。予測できない事態で責任を負うなら政治は一切できない」と開き直った。
原発事故は予測できなかった。想定外だ」と言い訳する東電ソックリの対応だった。
⑹ ついに移転断念
昨年8月、4回に及ぶ専門家を含めた会議の答申を受け、さすがに橋下知事はWTCへの全面移転を断念した。しかし2千人もの職員、来庁者、テナント営業者などの安全を考えると、早期に耐震工事を行わねばならない。その工事費が一部報道では130億円もかかるといわれている。購入費約85億、職員の移転費約11億、耐震工事費(今後いくらかかるか分からない)は全て、私たち府民の血税である。
「府庁舎が老朽化しているのであれば、現地で建て替える」のが普通の知事の判断ではないだろうか?
⑺ 拙速で強引だったために
府議会で移転条例が否決されたあと、ある府議会議員は、「結論を急がず、特別委員会で議論してはどうか」と提案した。通常、知事と議会の判断が分かれるときなどは、「継続審議」になる。ところが、前知事は「取り憑かれたように」移転を急いだ。もし特別委員会が開かれていれば、その間に311が来て、人々の地震に対する認識が変わった。つまり購入も移転もしなくて済んでいた。
つまり、「橋下徹という個人の性格」「すぐに白黒つけたがる」「敵を作り(この場合は移転反対の府議会議員)叩いて、自分の人気を上げる」という唯我独尊の府政運営がなければ、無駄な税金を浪費しなくて済んだのである。
以上が提訴に至る経過である。
※今後の闘い
今後裁判では、⑴ 購入前に、この「欠陥ビル」について、ちゃんと調べていたのか。⑵ なぜ府議会が移転条例を否決しながら、購入&移転予算を認めたのか。⑶ そもそも長周期時振動や液状化、陸の孤島化などを、「知見」としてどこまで考慮したのか。⑷ 交通至便な大手前から、無理して南港のWTCに移転する合理的な理由はあったのか。⑸ 出直し知事選挙などの恫喝行為で、民意が歪められたのではないか。
などなど。
上記のような点について、橋下市長本人を証人喚問するなり、府議会議員の証言を取るなりして、私たちはまず「真実を知りたい」と思う。その上で不当な購入&移転だと証明されたのなら、その分を返還させたいと考える。
これから裁判が始まっても、おそらく本人は不誠実なコメント、逃げ、責任転嫁などに終始するだろう。しかしこの問題は曖昧にすることはできない。数年かかるかもしれないが、勝利するまで闘いたい。
(転載ここまで)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3130.html
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