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野田佳彦首相が1月14日午前11時30分からの東京テレビ番組「田勢康弘の週刊ニュース」(番組ホスト:田勢康弘・日本経済新聞コメンテーター番組進行・大江麻理子アナウンサー)に出演して、内閣改造後の政治課題、とくに「消費税増税」実現に臨む決意と覚悟を語った。
このなかで。野田佳彦首相は「消費税増税はだれが首相になっても避けて通れない。国民の皆さんには苦しいことでもお願いするしかない」と力説した。そして、番組の最後で色紙に「貫」という文字を書いて、不退転の決意を改めて印象づけた。確かに、国民医療費は毎年1兆円ペースで膨れ上がっており、65歳以上の高齢者は、間もなく3000万人に達するので、年金負担もますます重荷になっていく。
しかし、野田佳彦首相の消費税増税論は、「財政論」の城を一歩も出ていない。すなわち、日本の社会保障制度の進むべき方向性、ビジョンを少しも示していないのである。だから財政論に則り、何が何でも「増税ありき」の説明に終止していて、少しも「夢」が描かれていないのである。
政治家は、「夢」を語らねばならない。官僚は数で物事を語るのみである。つまり、政治家は、日本をどこへ導いて行くかの行き先とその道程を明示するのが任務である。
@戦後日本がめざした「北欧型」の高度福祉社会に向けて再び歩き出す。
A日本のよき伝統に基づき、3世代が同居して、お互い助け合う「日本型福祉社会」を改めてめざす。
B米国型の個人が「自助努力」して、年金や医療サービスを確保する方式に向う。
C「A+B」の「混合型」をめざす。
野田佳彦首相は、これらのどれを選択するのかを国民に提示しなくてはならない。「共済+厚生+国民+企業」年金の各制度をいままで通り温存するのか、あるいは、年金制度を一本化するのか。どうも「北欧型」への歩みを進めているような気がするけれど、そうだとして、「年金」の水準をどうするのか。
いまのところ、どれもこれも中途半端なのである。国民の多くが、不安を抱いて懸命に預金に励んでいる。国民の個人金融資産が1550兆円もあるからといって自慢にはならない。汗水流して稼いだお金を「人生の楽しみ」に使いもせずに、あの世に行ってしまう国民が多いのも、実に悲しいことである。毎年年金を120万円〜240万円受け取り、それで、年内ないし年度内に使い果たす。
住まいは、たとえ豪邸でなくても、雨梅雨をしのげる家があれば安心して暮らせる。政府は少なくとも、これくらいの保障をしなくてはならない。そうすれば、たとえ消費税が25%になろうともみんな賛成するに違いない。野田佳彦首相は「夢」を少しも語らず、番記者の質問から逃げて、国民との間に自ら「スキ間風」を吹かしている。だから支持率が下がり続けているとも言える。マスメディアの大半は野田佳彦政権を礼賛しているが、財務省に洗脳されているとしか思えず、本当に気がしれない。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/51efdb386cc16170bce9511b3ea778c7
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