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「NO、NO、NO」の小沢被告、元秘書に責任転嫁 判決のカギ握るのは…
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120114/trl12011412000001-n1.htm
2012.1.14 12:00 産経新聞
繰り返したのは「記憶にない」と「秘書任せ」だった。資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の公判は10、11日で被告人質問を終えた。「秘書は子供のようなもので本当に信頼していた」と“結束”を強調しながら、自身へ不利に働きそうな元秘書の証言は次々と否定。政治資金収支報告書は「見たことがない」、土地購入の経緯も「知らない」と“ないない尽くし”の主張で、延べ約10時間に及んだ被告人質問でも、結局は元秘書への責任転嫁に終始した。
■秘書は「家族同様、子供みたい」
「政治家と秘書の関係は、民間会社のように法律や約束事で規律されている関係ではなく、全くの、人間の信頼関係で成り立っています」。
10日から始まった被告人質問で、小沢被告は弁護側から秘書らとの関係を問われ、こう説明した。その後の公判でも「学生のころから書生として過ごし、寝食を共にした者たち」「家族同様、子供みたいな年齢、気持ちを持っている連中」と、信頼の厚さを表現している。
一方で、政治団体の事務処理については「一切、彼らの自主的判断でやってもらうようにしている。いちいち自分が干渉していたのでは、意味がない」と自分は「ノータッチ」だったことを強調。そして、「はばたい(口幅たい)話ではありますが…」と続けた。
「私の関心事は天下国家の話であり、それに邁進する日常を送っているつもりであります」
■不利な証言を次々否定
ただ、強調した全幅の信頼ぶりとは対照的に、証人出廷した元秘書らの証言と食い違う説明も目立った。
石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=は、土地購入時に受けた銀行融資の書類に小沢被告から署名をもらった際、「定期預金を担保に銀行融資を受ける」と説明した、と証言。この経緯を問われた小沢被告は「絶対にないかといわれると否定する根拠はないが、覚えていない」と否定的な考えを示した。
銀行融資に伴って発生した利息について「『もったいないから(金を)早く返せ』と小沢被告に指示された」とする池田光智元私設秘書(34)=同=の証言も「なかったと思う」と打ち消した。
石川議員と池田元秘書はいずれも、関連団体の収入を毎年末に小沢被告に報告したことは認めている。しかし、小沢被告は「現実には資料を持って説明されたことは一度もない」と説明。「政治団体がうまくいっているかというような会話を二言三言交わした程度で終わっていた」とした。
■秘書に“丸投げ”
被告人質問では、収支報告書の作成への関与を全面的に否定、「秘書に任せていた」と繰り返した。
弁護側から「収支報告書を見たことはありますか」と問われた小沢被告は「ありません」と即答。「提出前に確認したことは?」との問いにも「一度もありません」と断言した。
その理由について小沢被告は「担当者に任せていて、きちんと報告書を作っていると確信していた」。さらに、「収支報告書は大事なものだが、1年間の収支のトータルを報告すればいいだけのことで単純なもの」と持論を展開した。
土地購入の経緯については、現金4億円を石川議員に渡したことは認めたものの、「どう活用するかは担当秘書の仕事。資金を用立てた段階で、私の作業は済んだ」とし、売買契約書も「見たことはない。そういう記憶はない」と述べた。
土地購入手続きや会計業務に“無関係”だったことを強調した小沢被告だが、裁判官からは「以前からこういうスタイルなのか?」との質問も。小沢被告は「報告書の作成に関しては最初から関与していません。大多数の国会議員がそうだと思います」と他の議員を引き合いに出した。
また、収支報告書の宣誓書の署名を元秘書らが代筆していたことについては「決して良いことだと思わないが、実態として公正に記入されているなら、それほどとがめ立てすることではないと思う」と、理解を示す一幕もあった。
■説明の「不自然さ」どう判断?
時折、疲れた様子を見せながらも、強気の姿勢を貫いた小沢被告。被告人質問での説明は、今後の公判にどのような影響を与えるのか。
弁護側は被告人質問終了後の会見で、「2日間、証言はぶれなかった。秘書と共謀する動機はなく、裁判官にも主張を理解してもらえたと思う」と手応えを示した。
これに対して、検察官役の指定弁護士は、元秘書らの説明と比べて「否定がどんどん強くなっている印象。『NO、NO、NO』が強まっている」とみる。特に注目するのが、収支報告書自体を見たことがない、としている点だ。「あそこまで断定的に話すのが裁判官に受け入れられるのか」と、供述の不自然さを指摘する。
一方、公判の行方を占うとされる元秘書らの供述調書の証拠採否も、約1カ月後に迫る。
石川議員と池田元秘書は捜査段階で「収支報告書の提出前に小沢被告に報告し、了承を得た」とする調書に署名している。指定弁護士にとって、この調書は小沢被告と元秘書の共謀を示す数少ない直接証拠だ。
しかし、石川議員らはいずれも証人尋問で「事実でない調書に署名した」と主張。地裁は2月17日の第14回公判で調書の採否を決める見通しだ。
調書が不採用となれば、無罪に一歩近づくとの見方もある。他方、仮に採用されたとしても、他の証拠が乏しいだけに、この調書だけで有罪に持ち込めるかは不透明だ。いずれにせよ、裁判官が小沢被告の説明を「不自然」と判断するか否かが、判決のカギを握る可能性は高い。
かつて小沢被告が上梓した著書「日本改造計画」にこんなくだりがある。
《政治資金の出入りを一円に至るまで全面的に公開し、流れを完全に透明にする。それによって、政治家が不正を働く余地も、国民が不信を抱く余地もまったくなくなる》
「記憶にない」を連発した小沢被告の説明で、検察審査会の起訴議決が示した「国民の不信」を払拭することはできたのだろうか。
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