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やっぱり世紀の茶番劇 小沢5時間半証言の無意味と不毛
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2012/1/11 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「世紀の謀略」「壮大な茶番劇」――やはり、こんな言葉しか浮かんでこない。きのう(10日)から始まった小沢一郎・元民主党代表(69)の被告人質問だ。検察が小沢を狙い、ヘビのような執念で強制起訴に持ち込んだ裁判は、クライマックスを迎えたわけだが、その中身たるや寒々しい限り。検察官役の指定弁護士は同じ質問を繰り返すだけで隠し玉もなし。
改めて、裁判の無意味が浮き彫りになったのである。
この日、午後から尋問に立った指定弁護士はまず、小沢が収支報告書作成にどの程度関わっていたのかを質問した。東京・世田谷区深沢の不動産の売買契約書などに記された署名、押印を一通ずつ見せて、小沢が自分で署名したのかどうかを確認したのである。
小沢は署名のほとんどを否定した上で「実印、銀行印は元秘書が自由に使用できる」と答えたが、そうすると、今度は「陸山会」の規約を持ち出して代表者(小沢)の監督(責任)を問いただした。その揚げ句、「あなたの収支報告書への関わり方はふさわしいと今でも思っているのか」と問い詰めていた。
◆検察はいい加減、負けを認めろ
小沢は、涼しい顔で「格別それでいいとは言えないが、秘書に任せても十分だと考えていた」とかわしていたが、きのうの法廷では、こんなやりとりが延々5時間半も続いたのである。
「もうひとつ、注目されたのが不動産購入に使われた4億円の原資です。小沢氏は『両親からの相続や印税、議員報酬などもろもろの現金』と説明した。小沢氏が検察審査会(検察審)に強制起訴されたのは、『陸山会』の政治資金規正法違反事件(虚偽記載)をめぐる元秘書との『共謀』の有無で、本来は個人資産である4億円の内訳を説明する必要はありません。しかし、検察リークに乗った大新聞テレビが『ゼネコンからの裏献金』と煽りまくったため注目された。小沢氏は『バカげた推論』と一蹴、裏金を完全否定したことで、もう指定弁護士サイドはタマがなくなった。不動産売買の関与の可能性が指摘されていた契約書の署名、押印についても、小沢氏が関与を完全否定したことでジ・エンドです」(司法ジャーナリスト)
質問がなくなったせいか、指定弁護士は09年の衆院選で「陸山会」から民主党の候補者に配られた資金の中に旧新生党の政治団体「改革フォーラム21」からの資金が含まれていることを問題視。小沢の関与を問いただしていたが、これも本件とは関係ないことだ。結局、この日も含めて12回に及ぶ公判で明らかになったのは、検察審が小沢を強制起訴する“決め手”になった「捜査報告書」が捏造されていたこと。捜査に加わった元検事の前田恒彦受刑者(44)も「ゼネコン献金は夢物語。検察幹部の妄想」と証言したこと。要するに、この裁判は回を重ねれば重ねるほど、アホらしくなってくるのだ。
元東京地検検事で名城大教授の郷原信郎氏はこう言った。
「被告人質問で小沢氏が何を語ったのかというよりも、作り上げられた事件によって、検察審の強制起訴がなされ、その刑事公判が続いていること自体が異常です」
これがプロの感覚なのである。そういえば、小沢の被告人質問が行われた法廷の傍聴席には、検察審が2度目の「強制起訴」議決を下した際に審査補助員を務めた吉田繁實弁護士の姿もあった。司法記者クラブから傍聴券を融通してもらったらしい。本紙記者が直撃すると、「いまは何も言えない」「傍聴券をもらった社(メディア)を通してからでないと……」と言い残し、足早に消えていった。
自分が関わった強制起訴によって、どれだけの政治的混乱と空白が続いているのか。責任を取って欲しいものである。
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