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ニュースの匠:私たちがほしがった結果=鳥越俊太郎
http://mainichi.jp/select/wadai/torigoesyuntarou/news/20120107ddm012070150000c.html
毎日新聞 2012年1月7日 東京朝刊
正月にあたって考えました。
私たち日本人は少し、いや大いに贅沢(ぜいたく)をしすぎてきたんではないだろうか。
こんなに便利で安全で清潔な、豊かな社会はもうちょっとゆっくりと、10年後ぐらいでもよかったんじゃないだろうか。たとえば日本中に新幹線が走り、高速道路は網の目のごとく整備され、空港は狭い日本に余るほどできました。田んぼの間の農道も舗装され、これでもかと日本中にダムが建設されました。
それも身の丈にあった、その年の収入(税収)で造るのならいいんですが、10年先の収入をあてこんで借金に次ぐ借金。今では国、地方自治体合わせての借金は1000兆円に迫る勢いだそうです。来年度の予算原案も税収(42兆円)をはるかに上回る44兆円の新規国債でまかなわれるんだそうです。
こういう贅沢な社会を作ったのは中央官僚が絵を描き、議会が承認を与え、大会社とそれに連なる中小企業がうるおうという仕組みですよね。だからこんな大借金国にしたのは役人や政治家そして大企業の産業界が悪いということになります。
しかし、待ってください。こんな豊かな社会の一番の享受者は私たち国民なんです。新幹線も高速道路も空港も住民とか国民と呼ばれる私たちがほしがったのです。
昨年震災のため弱点を露呈し、今でも多くの人々が苦しんでいる原子力発電所もそうです。石油や天然ガスなど化石燃料のない日本が豊かな社会を実現し、維持し続けるには原子力エネルギーによる電力がふさわしいと思ったからです。もちろん反対の声はありましたが、豊かな社会の快適さの前にその声もかき消されてしまいました。
メディアにも責任があります。なぜ私たちはもっとゆっくり、慎ましく生活する社会を目指すことをはっきり言わなかったんでしょう。いびつな社会の発展に目をつぶってきた責任です。
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