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「反小沢」に動きだした鈴木宗男前衆院議員率いる「新党大地・真民主」の裏側に野中広務の影
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31523
2012年01月07日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
カギは普天間問題
昨年末の12月6日に仮釈放された鈴木宗男前衆院議員は1月6日に北海道・札幌で記者会見し、「新党大地・真民主」の結成を発表した。同党には旧新党大地の浅野貴博衆院議員(比例代表・北海道ブロック・当選1回)、無所属の松木謙公衆院議員(北海道12区・3回)、石川知裕衆院議員(同11区・1回)、平山誠参院議員(比例代表・1回)、そして民主党の横峯良郎参院議員(比例代表・1回)が参加。そして、同党代表に鈴木氏が就任、幹事長に松木氏を選出した。
松木氏は昨年の菅直人政権下に野党が提出した内閣不信任案に賛成したことから民主党を除名された。石川氏もまた政治資金規正法違反容疑(小沢一郎元代表の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金報告書虚偽記載)で東京地検特捜部に逮捕されたため同党を離党している。改めて言うまでもなく、浅野氏は鈴木氏が衆院議員時代の秘書である。
僅か5人の国会議員の「新党大地・真民主」誕生が注目されるのは、鈴木氏が会見でも述べていたように、その政治的立ち位置が与党ということである。同党に先駆けて結成された民主党離党者9人の衆院議員が立ち上げた「新党きづな」(代表・内山晃衆院議員)が野党色を鮮明にしたことと好対照だ。現時点では政権与党の民主党が新党大地・真民主と統一会派を結成するのか明らかになっていないが、鈴木氏が与党を選択した意味は、今後、大荒れが予想される消費増税政局の展開を占う上で、実に重要である。
鈴木氏周辺によると、同氏は12月20日、極秘裏に小沢氏と差しの会談を行ったが、両者は主要政策についての見解が異なり、話し合いは物別れに終わったという。これまでは、松木氏を触媒として民主党先行離党組と新党大地を合流させた上で、野田佳彦政権が消費増税準備法案を国会に提出する3月をメドに小沢元代表が小沢グループの相当数を率いて離党、最終的に両グループを合体させるという2段階戦略が現実味を持って語られていた。
だが、小沢、鈴木両氏の決裂によってこの「小沢構想」は幻に終わる可能性が高くなった。なぜ、鈴木氏は与党の立場を選んだのか。ここで注視すべきは、鈴木氏の背後に野中弘務元官房長官の存在が見え隠れすることだ。小渕恵三政権時代の官房長官、官房副長官であった野中、鈴木の両氏の関係は深く、野中氏が政界を引退してからも緊密である。言わば、今なお両氏は師弟関係にあると言っていいだろう。この点が小沢氏は胸中から拭えないためなのか、両者の間に亀裂が生じた最大の理由ではないか。
ここで看過できないのは、その野中氏と仙谷由人政調会長代行の間の表面化していない関係である。仙谷氏が官房長官時代に野中氏から助言を得ていたことは周知の事実である。と同時に、前原誠司政調会長をはじめ、鳩山由紀夫政権の官房副長官の松井孝治総括副幹事長、菅政権の官房副長官の福山哲郎参院外交防衛委員長など京都選出民主党議員を側面支援してきたこともまた紛れもない事実である。言ってみれば、生来のリベラルな政治家であった元自民党衆院議員の野中氏は今や隠れた"民主党最高顧問"であるのだ。
そこで注目すべきは、この野中・鈴木ラインが与党新党大地・真民主をして目指している政策課題である。横峯"パパ"良郎氏が結党に参加したことは、単に政党結成要件に必要な数合わせではなく、ある意図があってのことではないか。答えは「沖縄・普天間基地」問題である。鹿児島県出身の横峯氏は沖縄県在住経験があるだけでなく、ゴルフ・ビジネスの面でも同県に縁がある。鈴木氏は地元北海道を除くと、沖縄に最初でかつ強力な「鈴木宗男後援会」を立ち上げたことで知られる。そして官房副長官時代に同県に強固な人脈を築いている。
普天間飛行場(宜野湾市)の名護市・辺野古移設問題は、消費増税準備法案が国会で採決される同じ6月に結節点を迎える。仲井眞弘多知事は年末に防衛省が発送した環境影響評価(アセスメント)書を受理したが、国が知事に埋め立て許可を申請する6月がヤマ場となる。現状では県内の反対が根強く、移設問題の解決は容易でない。ところが、日露両国間に懸案として残る北方領土問題と沖縄の基地返還問題をライフワークとする鈴木氏が与党へ舵を切ったことは、今後、積極的に「沖縄」にコミットする意思表示でもあるのだ。
加えて、国民新党の亀井静香代表が目指す「石原(慎太郎東京都知事)新党」が実現すれば、同党の下地幹郎幹事長はほぼ間違いなく同調せずに新党大地・真民主に合流するはずだ。
となると、「3(月)・6(月)・9(月)危機」を前にしての「反小沢連合」の大団円が今回の新党大地・真民主=鈴木新党結成であったと見るべきではないか。
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