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http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20120104/295310/?ST=rebuild
森永卓郎(もりながたくろう) [SAFETY JAPAN]
2012/01/05
東北復興支援の灯を消すな!――高速道路無料化打ち切りに異議あり 現在、東北の高速道路は、被災者かどうかに関わらず、太平洋側の路線は曜日に関係なく全車種無料、日本海側は、ETC搭載の普通車以下に限り土日祝日を無料としている。 それが、原発事故や震災のため遠隔地に避難している人を除いて、2012年3月末で打ち切られることになった。 理由は財源不足だ。東北地方の高速道路無料化は、今年度の第三次補正予算に計上された。所要経費は4か月間で250億円だ。もしこれを来年度も続けようとすれば、その3倍、750億円の予算が必要になる。その財源を財務省が認めなかった。 12月24日に決定された2012年度政府予算案で、東北地方の高速道路無料化は、東京電力福島第1原発事故や震災による遠隔地への避難者など被災者の利用分を除いて、3月末で打ち切ることを政府が正式に決めたのだ。 これは暴挙としか言いようがない。政府が本気で東北の復興を考えていないなによりの証拠だ。なぜなら東北の高速道路無料化が劇的な経済効果をもたらしているからだ。 先日、私は福島県会津若松市を訪ねたが、一番驚いたのは、磐越自動車道が渋滞こそしていないものの、ぎっしり車が走っていることだった。地元の車も多いが、他県ナンバーもたくさん走っている。 かつて磐越自動車道は、ムダな高速道路の象徴のようにも言われていた。私が以前に利用したときは、15分間ただの1台も対向車が来ないくらい閑古鳥が鳴いていたものだ。それが、いまや繁盛路線に変貌しているのだ。 地元の人に聞くと、その理由がわかった。 会津若松市は、福島県内ではあるが放射線量が低いのに、原発事故の風評被害で震災以降ほとんど観光バスを見なくなったという。もちろん観光産業は大打撃を受けている。 その中で唯一の救いは、復興を支援しようとする個人客がたくさんいることだ。 団体ツアーは、参加者の中にひとりでも放射線に過敏に反応する人がいると、福島県が旅行先に選ばれない。一方、個人客は自分たちだけの判断で福島県を選べるので、志の高い観光客が個人の力で被災地の観光を必死で支えているのだ。 震災復興は、義援金で当座の生活を支える段階から、被災者が働いて自らの力で立ち上がる段階を迎えている。その中で、東北の高速道路無料化は、極めて効果の高い政策になっているのだ。 私は、そもそも震災から9か月も遅れて無料化すること自体、遅きに失したと思っていた。それをたったの4か月で中止するというのは、政府は頭がおかしいのではないか。なぜ、これほど経済効果がある政策を中断しようとするのか。 復興対策は一次から三次の補正と12年度予算で、18兆円もの経費が投じられることになっている。仮に東北の高速道路無料化を通年でやったとしても、復興予算総額の0.4%に過ぎない。 そんな小さな予算さえ廃止することは、政府が震災復興を本気で考えていない証拠になる。 政府が被災地のことを本気で考えていないもうひとつの証拠がある。自動車重量税の減税だ。 政府は来年度の税制大綱のなかで、自動車重量税の減税を決めた。確かに、日本の自動車保有に対する税金は、外国と比較して飛び抜けて高く、税制改正の方向性としては正しい。 問題はその財源だ。自動車重量税の減税には1500億円の財源が与えられる。つまり、東北の高速道路無料化の2倍の予算だ。 自動車重量税の減税はユーザー負担の軽減のほかに、車離れが進むなかで、自動車産業を保護するという意図が色濃くにじんでいる。 1500億円も減税をするのであれば、減税幅を半分にして「浮いた750億円」で東北の高速道路無料化を続けるという選択があってもいい。 原発事故を含め、東北地方の惨禍に政府は大きな責任がある。 東北地方に大きな迷惑を掛けたのだから、お詫びで高速道路を無料化し、観光客を増やすくらいの目配りがあってもよい。そうした決定をしても、国民の誰も文句は言わないはずだ。 東北地方の復興が軌道に乗るのはこれからだ。たった4か月ではしごを外してどうするのか。 就任当時、「被災地の復興を最優先で考える」と大見得を切った野田総理なら、こんな議論が出た時点で安住財務大臣を呼びつけて叱りつけるくらいのことをしなくてはだめだ。 さんざん復興予算を注ぎ込んで、今までになにか被災地に希望が灯るようなことがあっただろうか。私が思うに、本当に東北地方の活性化に役立っている政策は、せいぜいこの高速道路無料化くらいのものだ。わずかの予算を惜しんでいる場合ではない。 野田総理には、就任当時の決意を改めて思い起こしてほしい。
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わずか4か月で高速道路無料化打ち切り
東日本大震災復興目的で2011年12月から開始した東北地方の高速道路無料化の打ち切りを、政府が早くも決定してしまった。
高速道路無料化は劇的な経済効果をもたらしている
高速道路無料化で増えた個人客が復興を支えている
復興予算に占める割合はほんのわずか
被災地の救済よりも自動車産業支援を優先
野田総理は就任当時の初心に帰れ
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