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「ネバー ネバー ネバー ネバーギブアップ。私は大義のあることをあきらめないでしっかりと伝えていくならば、局面は変わるというふうに確信しています」。
相田みつを の次に引用したのはウィンストン・チャーチルの名言だった。これは前日に参加した高校の同窓会で受け取った手紙で思い出さされた名言だったそうだ。
こうした発言からは、野田総理は「消費増税法案の成立」を「大義」だと信じ込んでいることが伺える。しかし、「消費増税法案の成立」は「大義」ではない。「大義」は「日本の安定的な経済成長の達成」である。
野田総理は同時に、消費税引き上げの前提となる「公務員人件費と議員定数の削減」を早期に実現する考えを強調した。勘違いしてはいけないことは、「公務員人件費と議員定数の削減」は消費税引上げの「前提」ではないということである。これは「前提」ではなく、「公約」であり、国の財政再建に向けてまず始めにやらなくてはならないことで、消費増税からは「独立した問題」。
財務省は日本の財政を「家計」に例えているが、財政再建に於いては「企業」と比較する方が賢明である。
「会社」が売上(収入)の減少で、財務体質が悪化した場合にやるべきことは、「コスト削減」と「資金調達」である。両者の違いは、「コスト削減」は自らの意思で出来るものであるが、「資金調達」は自らの意思で出来るものと出来ないものがあるというところ。
一般的に売上減少による財務体質の悪化した「企業」は、外部からの「資本調達」や「借入」で「資金調達」をすることは難しい。国に置き換えると、「国債の増額」による「資金調達」には限界があるということ。従って、「借入」を増加させない形、換言すれば自らの意思で出来得る「資金調達」から始める必要がある。
自らの意思で出来得る「資金調達」とは、まず「資金回収」、つまり代金を確実に取り立て「未回収」を無くすことである。国に置き換えると「税金を確実に徴収する」ことになる。
野田政権は、国の財政が「何れ破綻を来す」ことを脅迫材料として、国民に「消費増税」を課し、歳入を増やすことで財政再建を図ろうとしている。これは、「企業」に例えると、売上が伸びずに財務体質が悪化したから、顧客向け販売価格を強制的に上げると言っているようなもので、「企業」なら自殺行為で現実には有り得ない選択肢である。政治の分野でこうした選択肢が容易に可能になるのだとしたら、それは社会としてチェック機能が働いていないことの証左である。
2010年度「未回収」となっている税金は1兆4201億円(国税庁平成22年度租税滞納状況)であり、その内消費税は4,256億円である。2010年度の一般会計税収が41.5兆円であるから、その3.4%に相当する税金が「未回収」になっていることになる。2010年度の消費税収入が10兆333億円であったことから、消費税0.7%に相当する税金が「未回収」となっている(消費税の「未回収」は、消費税0.2%に相当)のが実態である。
こうした数字は一見小さな数字に見えるかもしれないが、これは「国税庁が把握している滞納額」であり、「国税庁が把握出来ていない税金」は含まれていない。「インボイス方式」「みなし仕入れ率」など、「国税庁が把握出来ていない税金」の存在を考えると、国民の財布に手を突っ込むような「消費増税」より前に、「未回収の税金」の回収に努めるのが「公平・透明・納得」という基本的な視点で税制を考えていく必要があると謳う政府の「大義」のはずである。
Never give in! Never, never, never!
これは、第2次大戦の最中の1941年、苦境にあったイギリスで、チャーチル首相がケンブリッジ大学の卒業式での来賓スピーチとして行ったものである。チャーチルは、壇上で「Never give up!」と3回繰り返し、その場を去ったとされており、「世界で一番短い名演説」だと言われている。
チャーチルは、英国が劣勢な状況でも国民を励まし勝利を疑わなかった。この世界一短い演説も、その一環であるようだ。つまり、チャーチルは国を「滅亡」から救うために、「Never give up!」と3回繰り返したのだ。
これに対して「デフレ下での増税」によって国を「滅亡」に追い込むために「Never give up!」と3回繰り返す野田総理。これまでの総理の言動からは、「Never give up!」の目的語は「国益」ではなく、「首相の座」であることは想像に難くない。「世界で一番短い名演説」を引用した総理には、チャーチルではなく、「本当に見たくないのか。本当に見たくないのか。本当に見たくないのか 」と3回繰り返して世間の顰蹙を浴びた前首相の姿がダブって見えて来る。
「駅前演説」で語呂の良い「軽い言葉」を垂れ流し、マニフェストの多くを反故にして来た野田総理が「世界で一番短い名演説」を持ち出したということは、「締切を設定した結論ありきの議論省略路線」を貫く姿勢を示したということ。
これまでの言動で国民との「絆」が失われている野田総理には、「短い演説」では国民の理解は得られない。民主党代表選勝利後、「101回でもプロポーズをする」と「軽い言葉」を発した野田総理。本当に「あきらめないでしっかりと伝えていく」つもりがあるのであれば、「締切を設定した結論ありきの議論省略路線」を止め、国民と国会で「101回でもプロポーズ」するべきである。さもないと、前首相と同様に、国民から「本当に見たくない。本当に見たくない。本当に見たくない 」と退場を求められるのも時間の問題である。
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