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「財務省のパペット/野田政権」(EJ第3211号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/244135029.html
2012年01月04日 Electronic Journal
本号は本年はじめてのEJです。今年もEJをよろしくお願い
いたします。野田政権は昨年末の30日に実施時期を半年先送り
して、「社会保障と税の一体改革」の素案をまとめています。ど
うやらこの半年先送り案は、早い段階から野田首相は持っていた
ようです。おそらく財務省の勝財務事務次官の入れ知恵であると
思われます。
この消費増税の半年先送りを受けて、財務省の指示を受けた各
御用学者たちは、一斉にもっともらしいコメントをメディアに発
信しています。新聞も「半年も遅らせて大丈夫か」といったトー
ンで「増税やむなし」の世論づくりをはじめています。
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消費増税の時期はこれ以上先送りできない。政府・民主党が半
年遅らせたことは財政収支改善の遅れにつながり、軽く考える
べきではない。与野党協議では早急に合意してほしい。不調に
終われば、市場の失望につながり、長期金利の上昇を呼び込む
リスクもある。 ──土居丈朗・慶応大教授
2011年12月31日付、日本経済新聞
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もともと日本の政治体制は、明治維新のときから官僚──とく
に国のカネと国税庁を握る財務省(大蔵省)の力が突出しており
事実上日本の政治を支配しているといえます。
しかも彼らは、内閣のバックにいて極力表に姿を現さず、自分
たちにとって不利益なことは徹底的に反対し、国益ではなくあく
まで省益を考えて行動するのです。しかし、政治家としては政策
を進めるには予算がないとできないので、嫌でも財務省には頼ら
ざるを得ないのです。
自民党政権の時代は長かったので、その間に政治家と官僚の棲
み分けができていたのです。どのように役割を分担するかが決め
られていたのです。したがって、自民党では公務員改革などの官
僚の嫌がることは、絶対にできないのです。
その代わり経験や知識が乏しい政治家がいきなり大臣になって
も少なくとも国会の答弁などで恥をかくことがないよう十分サポ
ートしてくれるのです。実質的には官僚組織が実権を握っている
ものの、表面上はあくまで政治家を立てるというシステムという
か体制が自民党政権時代ではでき上がっていたのです。
しかし、小沢一郎元代表が率いる民主党は、そういう長年にわ
たる官僚中心体制を根こそぎ壊して改革し、政治家中心の体制を
構築することを目標に掲げて選挙を勝ち進んだのです。当然のこ
とながら、官僚組織は強い危機感を抱きますが、彼らは民主党の
本質を正確に見抜いていたのです。「民主党は小沢さえ潰せば大
丈夫である」と。このようにして官僚組織による執拗にしてすさ
まじい小沢一郎氏への「人物破壊」がはじまり、それが2012
年を迎えてもまだ続いているのです。
白鴎大学法学部教授で、テレビ朝日の「TVタックル」などに
もよく出演する福岡政行氏が近著で、早くからポスト菅の筆頭は
「財務省のパペット政権には野田佳彦が最適」と予測していたと
述べたうえで、次のように書いています。
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改めて書いておく必要もないはずだが、パペットとは操り人形
のことで、パペット政権とは「傀儡政権」を意味する。しかし
野田政権樹立に向けて財務省が動いていた7月、霞ヶ関の住民
の一人から、ここでいうパペットとはそういう意味ではないと
聞かされた。「福岡先生、パペットとは操り人形のことではあ
りません。財務省に言わせれば、パーのペットということです
から」。アルコールが入っていたために口が滑ったともいえる
のだろうが、あまりにも痛烈な言葉に愕然とさせられた。
──福岡政行著『財務省解体論』/角川書店刊
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「パーのペット」──これが財務官僚の野田佳彦首相に対する
評価なのです。心の底では馬鹿にしていながら、彼らにとって悲
願でもある消費増税を実現させる立役者として野田氏をかついで
いるのです。それによって民主党が次の選挙に負けようと、彼ら
にとってそれはどうでもよいことなのです。
このように、内閣のバックに隠れて政権を操り、自らの省益を
豊かにする財務省──彼らには選挙もなく、自らが内閣に推した
政策が失敗しても責任を取らず、公務員の特権でクビになること
もないのです。このような連中に国を託してよいのでしょうか。
今回の消費増税にしても、表向きは年金などの社会保障の財源
確保であるといいながら、年金に回る分はたったの1%分に過ぎ
ないのです。そもそも現在の国民の年金制度が破綻に瀕している
原因は、年金受給者が今後激増することだけではないのです。厚
労省による年金制度の管理自体がなっていないことにあります。
資金運用として無駄な施設を建築して大損をしたり、きちんと保
険料を払っているのに年金がもらえない消えた年金など、そのず
さんな管理によって巨額の資金を失っているのです。
しかし、彼らの年金である共済年金には手をつけず、大事に管
理しているのです。国民の年金は、自分の年金でないからと、勝
手気ままな浪費をしておきながら、それによって制度が破綻しそ
うだから消費税を上げるとは何事でしょうか。彼らがこういうこ
とを平気でいえるのは、公務員が国民とは違う年金制度を有して
いるからです。
とにかくこうした官僚中心の政治体制を打破し、国を作り換え
る必要があります。それを政治目標として掲げ、政権交代をした
のが民主党ではないのですか。それが手もなく財務官僚に取り込
まれ、目が見えなくなっている民主党──もはやこの政党の明日
はないし、次の選挙できっと消えてしまうでしょう。
問題は財務省が後押しする野田政権が消費増税を実現できるか
どうかです。前途は多難ですが、自民党に強い財務省のこと、成
立の可能性は高いのです。 ── [財務省の正体/37]
≪画像および関連情報≫
●消費税10%発言の重み/福岡正行氏の著作から
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2010年6月、総理大臣になった菅直人は記者会見で「自
民党が提案する消費税10%案をひとつの参考にする」と、
突然の発言をしたことで物議をかもした。財政再建の観点で
日本の借金状況や財政状況を考えたなら、消費税を10%に
引き上げるというのは自然な発想ではある。自民党も早くか
らそれを訴えていたわけだが、自民党総裁の谷垣禎一も財務
大臣の経験者であり、財務省の意向を強く体現するタイプの
人間であるのは確かだ。ここで菅直人がこのような発言をし
たことにしても、〃財務省による作・演出″だったといわれ
ている。それはもちろん、菅内閣を長期政権として、そのあ
いだに消費税増税を実現させることを狙ってのことである。
それから間もない7月、民主党は参院選で敗北した。一人区
では8勝21敗という惨憺たる結果になり、得られた議席は
わずか44議席である。199人(平成10)年の参院選で
自民党が惨敗した際、当時の総理大臣、橋本龍太郎は即座に
退陣したが、そのときの議席数が、皮肉なことに同じ44議
席だった。民主党は2009年の衆院選で308議席を獲得
して政権を獲り、菅内閣が発足した2010年6月にも60
%台の支持率があったが、わずか1か月でこれだけ国民の信
頼を失ってしまった。原因はひとつだけではないものの、消
費税10%発言はそれほどの爆弾だったわけである。
──福岡政行著『財務省解体論』/角川書店刊
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