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【高橋昌之のとっておき】政界大激動の予感 消費税で衆院解散・総選挙か
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120102/stt12010218000001-n1.htm
2012.1.2 18:00 産経新聞
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。昨年は東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第1原子力発電所事故という未曽有の災難に遭遇する一方、政治では菅直人前政権が暴走するという大変な1年でした。
今年こそ、日本の政治がしっかり機能し、あるべき国家の姿を構築し、国民も豊かで幸せな生活を送れるようになってほしいものですが、私の取材では必ずしもそうはいかないようです。
野田佳彦政権は消費税増税法案の提出、成立に不退転の決意で臨んでいますが、法案に野党各党が賛成する見通しがないうえ、民主党内にかなりの数の反対議員がいます。したがって、今年の政界は消費税増税をめぐって、衆院解散・総選挙含みの大激動の展開となるとみられます。
野田政権は昨年12月30日、消費税率を平成26年4月に8%、27年10月に10%と2段階で引き上げることを柱とした社会保障と税の一体改革大綱素案の政府案を決定、1月上旬に素案を正式に決めます。その後、消費税増税の税制大綱を決定して法案作成作業に入り、3月に法案を提出する段取りです。
ただ、野田首相が民主党内の反対論を押し切って法案提出にこぎつけたとしても、成立は極めて困難な情勢です。民主党内ではすでに昨年末、消費税増税などに反対して、内山晃元総務政務官ら9人が離党届を提出しており、近く新党を結成します。
しかし、これは「氷山の一角」です。消費税増税に反対して離党も辞さないという議員はまだまだいます。100人を超える勢力の小沢一郎元代表を中心とするグループのほとんどは、消費税増税に対して「明らかなマニフェスト(政権公約)違反だ。まず徹底した行財政改革をやるべきだ」と絶対反対の立場です。
一方、野党も野田政権による消費税増税には反対の立場をとっています。自民党は将来的に消費税率を10%まで引き上げる方針を打ち出していますが、「民主党政権による消費税増税はマニフェスト違反。法案を出すなら国民の信を問うべきだ」として、法案提出なら衆院解散・総選挙を迫る考えです。公明党も自民党とほぼ同じ立場で、他の野党はほとんどが消費税増税そのものに反対です。
したがって、消費税増税法案は民主党が圧倒的多数を占める衆院でさえ、党内から60人以上の造反者が出れば、否決されてしまいます。仮に衆院を通過したとしても、野党が多数を占める参院での可決、成立はまず不可能といっていいでしょう。
野田首相は消費税増税法案の成立に不退転の決意で臨むといってきたわけですから、成立しなかった場合は、衆院解散・総選挙か総辞職かの決断を迫られることになるでしょう。そのまま首相の座にとどまろうとしても、衆院で内閣不信任決議案が提出され、可決されたら、解散か総辞職かの決断を迫られます。
私が野田首相と親しい関係者に取材したところ、「野田首相はすでに腹をくくっている。首相の座にしがみつくことは考えていない。消費税増税法案が成立しなかった場合、正しい道を進んでいるのだから総辞職はしない。衆院解散・総選挙に打って出る」とのことでした。
衆院解散・総選挙になったら、民主党はどうなるでしょうか。小沢氏らこの段階での消費税増税に絶対反対の立場の議員はおそらく、「もはや民主党として総選挙を戦うことはできない」として離党、新党を結成するでしょう。大きく2つに、場合によってはさらに3つ、4つ…に大分裂する可能性があります。
私はこのコラムで、民主党が綱領をもたない、つまり理念や基本政策で一致していない寄せ集め所帯であることの欠点を何度も指摘してきました。その結果、平成21年8月の総選挙で政権をとってからの2年余り、迷走を繰り返し、マニフェストで国民に約束したことをほとんど実現できずにきました。
その民主党が消費税という政治の根幹の問題で、分裂するのはやむをえない、あるいはむしろ良いことではないかと思います。理念や基本政策で一致していないのに、民主党という殻を守っていても国家、国民のための政治は進められないからです。民主党から分裂したいくつかの党が、それぞれの理念、基本政策を示して、堂々と総選挙を戦えばいいのではないでしょうか。
総選挙となった場合の結果は、私にも全く見通しがつきません。野党第1党の自民党も野党転落後、存在感をきちんと示せていませんから、政党支持率は低迷しており、「民主党もダメだが、自民党もダメだ」というのが多くの有権者の評価です。このため、自民党が圧勝して単独で政権を奪還するということも考えにくいのが現状です。
したがって、総選挙の後は、各党が得た議席をもとに政策協議を行って、過半数を得た党が連立して政権を樹立することになるでしょう。その過程では自民党も分裂する可能性があります。
私は今の民主党、自民党という二大政党による政治はすでに限界だと思っています。両党とも党内の理念や基本政策はバラバラです。どっちが政権をとっても今の民主党政権と同じことでしょう。それなら、いっそのこと民主党と自民党で「ガラガラポン」をやって、両党の良質な保守系議員が結集し、「平成の保守合同」で政権を作ってもらいたいと思います。
日本は今、巨大な財政赤字と深刻なデフレによる景気悪化に加え、欧州の財政危機という大きな不安要因に直面しています。外交・安全保障も、日米同盟関係が普天間飛行場移設問題などで揺らいでいるうえ、金正日総書記が死去した北朝鮮情勢など危機が生じる可能性は決して低くありません。これらに対処できる態勢を整備しておく必要があります。
まさに国家的危機を迎えているのです。その中で政治の停滞は一刻たりとも許されません。今年の政界は現段階では予想もつかない大激動となるでしょう。しかし、それがさらに混乱を招くのではなく、より善い政治体制ができるのであれば、私は大いに期待したいと思います。
今年1年が国民のみなさま、日本という国家にとってより良い年になりますように。
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